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消費者市民を育む問題解決型調理実習に関する家庭科教師教育プログラムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 22K02226
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分09010:教育学関連
研究機関茨城大学

研究代表者

石島 恵美子  茨城大学, 教育学部, 教授 (10736325)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
キーワード問題解決型調理実習 / 消費者市民 / 家庭科 / 教師教育 / 地域課題 / 問題解決学習 / 調理実習 / 問題解決型学習 / 消費者市民社会 / 消費者教育 / SDGs / 食品ロス
研究開始時の研究の概要

本研究の目的は、高校家庭科における調理実習の新たな可能性を消費者市民の育成と定め、「問題解決型調理実習」を計画・実践できる教員を養成するために、実効性のある家庭科教師教育プログラムを構築し、その有効性を理論的・実証的に明らかにすることにある。
具体的には、生活における実践的問題解決型学習(荒井2009)を理論的基盤に据え、申請者がこれまでの量的・質的研究で、消費者市民としての意識と行動性両面の向上に有効性を解明した「問題解決型調理実習」と、本研究で明らかにする教師自身の「問題解決型調理実習」に対する意識の構造を総合化しながら、家庭科教師教育に導入可能なより一般性の高いプログラムの開発を目指す。

研究実績の概要

本研究は、家庭科における調理実習の新たな可能性を検討するために、消費者市民の資質の育成に注目した。具体的には、「消費者市民を育む問題解決型調理実習」を計画・実践できる教員を養成するために、実効性のある家庭科教師教育プログラムを構築し、その有効性を理論的・実証的に明らかにすることを目的とした。
3年間の計画である2年目にあたる今年度は、以下の三点について研究を進めた。
一点目は、1年目に実施した家庭科教師教育プログラムの基盤となる「消費者市民を育む問題解決型調理実習」によって学習者の消費者市民としての意識と行動性の両面が向上する有効性に対する教員意識調査と荒井が提唱する家庭科における問題解決学習の理論に基づいて家庭科教師教育プログラムを開発した。
二点目は、家庭科教師教育プログラムの精緻化である。具体的には家庭科教員研修(2023年6月、12月)において本研究の家庭科教師教育プログラムを実施し、受講した教員より意見聴取を行い、家庭科教員が問題解決型調理実習を導入する際の意識構造を紐解いた。その結果、調理実習の実践にあたる課題は多様であったことから、それらを包括した家庭科教師教育プログラムを構築する必要性が明確となった。
三点目は、家庭科教師教育プログラムを受講した教員への意見聴取より得たデータを分析したところ、家庭科教員は、問題解決型調理実習を学校家庭クラブ活動などのプロジェクト学習に導入することに対し苦手意識を持っていることが明らかとなった。そこで、家庭科教員が問題解決型調理実習を活かしたカリキュラムを導入しやすくなるよう、学校家庭クラブでの導入を視野に入れたモデルとなる消費者市民を育む問題解決型調理実習について検討した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

現在までの進捗状況は、「やや遅れている」という判断をせざるをえない。
理由は、問題解決型調理実習の具体的な運用場面を、先進的取り組みが進むフィンランド、デンマーク等において確認できなかったためである。また、改良が加えられた新たなモデルを、十分に実施できなかったためである。いずれも、新型コロナウイルス感染症の影響で、年度当初に学習計画を立てる際に、各学校で調理実習実施を決定できずに、研究計画を十分に練ることができなかった。
しかし、これらの懸念材料は、今年度の研究の進展において、徐々にではあるが改善されつつある。本年度2月には、国内の初等・中等・高等の実践現場において、授業を参観する形での教員研修を実施し、参観後にも検討会を行い意見聴取ができた。
今後は、これらの研究成果を踏まえて、教員研修プログラムを精緻化する。すでに、現在のところ教員研修は3件ほど実践に向けての準備を進めている。こうすることで、問題解決型調理実習導入の課題をより一般化すると考える。

今後の研究の推進方策

次年度が三年間の研究における最終年度となる。今後の研究は、当初の計画通りに進めることができると考える。
令和6年度(研究の3年目)には、これまでの研究に基づき、教育理論と授業実践を取り込んだ「家庭科教師教育プログラム」を構築する。このプログラムを、教員研修や大学の教員養成課程で実践し、その効果を検証する。すでに、調査対象者の選定はほぼ終了しており、今後は新たに開発された消費者市民を育む問題解決型調理実習モデルの実施可能性を追求する予定である。調査対象者は、家庭科に関する専門学科と普通科との両方での教員経験のある管理職と各年代の高等学校家庭科教員および家庭科教員養成課程の学生である。調査実施予定の時期は6月と7月である。得られたデータに基づいて、家庭科教師教育プログラムの改良を行うことを計画している。家庭科教師教育に導入可能な、より一般性の高い家庭科教師教育プログラムの開発を目指す。また、その指導法と共に国内外に向けて積極的に発信する。
当該年度における本研究は、家庭科教育の発展のみならず、国連が掲げるSDGs(Sustainable Development Goals)に向けて、グローバルな現代課題の解決に資することを念頭に置き、位置付けることも大きな行動目標となる。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響で、学校現場では調理実習の機会が十分に得られない期間があったことから、学習者だけでなく若手教員も調理実習に馴染みが薄れていることが懸念される。この点も鑑みて家庭科教師教育プログラムを完成させ、国内外へ発信する。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (18件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (7件) 図書 (9件)

  • [雑誌論文] 消費者市民の視点を育むフェアトレードに関する 調理実習プログラムの検討2023

    • 著者名/発表者名
      石島 恵美子 , 松葉口 玲子
    • 雑誌名

      消費者教育

      巻: 43 号: 0 ページ: 33-43

    • DOI

      10.50844/jjace.43.0_33

    • ISSN
      1345-1855, 2436-0929
    • 年月日
      2023-09-30
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 小学校における食品ロス学習クロスカリキュラムの検討 ―全教科の教科書分析を基に―2022

    • 著者名/発表者名
      石島恵美子, 松葉口玲子
    • 雑誌名

      消費者教育

      巻: 42 ページ: 1-11

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 中学生の地域課題解決意識についての一考察 ―干し芋残渣の廃棄問題を事例に―2023

    • 著者名/発表者名
      石島恵美子, 松葉口玲子
    • 学会等名
      日本消費者教育学会全国研究発表会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 副菜的料理の家庭内調理における外部化について2023

    • 著者名/発表者名
      和田 佳苗, 佐川 敦子, 奥嶋 佐知子, 石島 恵美子, 柳沢 幸江, 福留 奈美
    • 学会等名
      日本調理科学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 主菜的料理の家庭内調理における外部化について2023

    • 著者名/発表者名
      大富 あき子, 野口 元子, 児玉 ひろみ, 石島 恵美子, 柳沢 幸江, 福留 奈美
    • 学会等名
      日本調理科学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 中学生の地域課題解決意識についての一考察 ―干し芋残渣の廃棄問題を事例に―2023

    • 著者名/発表者名
      石島恵美子, 松葉口玲子
    • 学会等名
      日本消費者教育学会関東支部研究発表会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 地域課題「干し芋残渣の廃棄問題」に対する中学生の課題意識と問題解決意識についての考察2023

    • 著者名/発表者名
      石島恵美子, 松葉口玲子
    • 学会等名
      日本消費者教育学会関東支部会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 消費者市民の視点を育むフェアトレードに関する調理実習プログラムの検討2022

    • 著者名/発表者名
      石島恵美子, 松葉口玲子
    • 学会等名
      日本消費者教育学会全国大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 茨城県の家庭料理 地域の特徴 -調査地における特色のある料理-2022

    • 著者名/発表者名
      石島恵美子, 渡辺敦子, 飯村裕子, 荒田玲子, 野口元子
    • 学会等名
      日本調理科学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 家庭科教育研究が拓く地平2024

    • 著者名/発表者名
      日本家庭科教育学会 編集 編著者堀内かおる他 分担執筆 石島恵美子
    • 総ページ数
      280
    • 出版者
      学文社
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 変動帯の文化地質学2024

    • 著者名/発表者名
      鈴木寿志編集代表, 伊藤孝, ほか] 編 分担執筆 石島恵美子
    • 総ページ数
      557
    • 出版者
      変動帯の文化地質学
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 次世代に伝え継ぐ日本の家庭料理研究 総まとめ報告書2023

    • 著者名/発表者名
      分担執筆 石島恵美子
    • 総ページ数
      227
    • 出版者
      一般社団法人 日本調理科学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 次世代に伝え継ぐ日本の家庭料理研究 総まとめ報告書2023

    • 著者名/発表者名
      石島恵美子, 渡辺敦子, 飯村裕子, 荒田玲子, 野口元子
    • 総ページ数
      227
    • 出版者
      日本調理科学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 『家庭科』高等学校部会「学びを深める問題解決型調理実習」2022

    • 著者名/発表者名
      石島恵美子 (担当:分担執筆)
    • 総ページ数
      32
    • 出版者
      全国家庭科教育協会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] あんころ~持続可能な社会へ、学び合い、つなぐ編~2022

    • 著者名/発表者名
      千葉県高等学校教育研究会家庭部会 石島恵美子,秋澤洋子,伊藤未夢他
    • 総ページ数
      160
    • 出版者
      教育図書株式会社
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 『家庭科』新学習指導要領 家庭科の「評価」について(4)学習評価を生かした魅力ある授業づくりを2022

    • 著者名/発表者名
      石島恵美子 (担当:分担執筆)
    • 総ページ数
      32
    • 出版者
      全国家庭科教育協会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 公開 SDGsと家庭科カリキュラム・デザイン : 探究的で深い学びを暮らしの場からつくる 増補版2022

    • 著者名/発表者名
      荒井紀子, 高木幸子, 石島恵美子, 鈴木真由子, 小高さほみ, 平田京子 (担当:共著)
    • 総ページ数
      160
    • 出版者
      教育図書出版
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 『中等教育』高等学校家庭科における学習指導と学習評価の展望2022

    • 著者名/発表者名
      石島恵美子 (担当:分担執筆)
    • 総ページ数
      89
    • 出版者
      文部科学省・学事出版
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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