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コモンズに根ざした民主主義教育論の構築

研究課題

研究課題/領域番号 22K02227
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分09010:教育学関連
研究機関千葉大学

研究代表者

市川 秀之  千葉大学, 教育学部, 准教授 (70733228)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
キーワードクリティカル・ペダゴジー / コモンズ / パウロ・フレイレ / 民主主義 / マルチチュード / エコロジー
研究開始時の研究の概要

本研究の目的は、コモンズに根ざした民主主義教育論を構築することである。既存の民主主義教育には、反民主的な関係の正当化・再生産し、自然環境や不利な立場に置かれた人間からの搾取を是認する可能性が含まれている。この課題を解決するために、本研究ではコモンズという概念を手がかりに、多様な形での自己形成や世界との関係の構築を学習者自身が行うことに、教育者がどのようにかかわりうるのかを探究する。

研究実績の概要

前年度にあたる2022年度は、クリティカル・ペダゴジーにおける人間と自然の関係の整理と、そこから引き出されうるものを探究した。これを受けて2023年度は、コモンズ概念に根差した教育のあり方を探究する一環として、主としてマイケル・ハートとアントニオ・ネグリの〈共〉に基づいた教育者の役割を検討した。クリティカル・ペダゴジー研究にはハートとネグリの論に依拠するものがあるが、一連の研究成果および彼らの論を検討することで、教育のあり方を探究することを試みた。
ハートとネグリによる〈共〉という概念は、〈帝国〉に対抗するマルチチュードを生み出し、それを支えるための資源およびコミュニケーション基盤として想定されている。自らもマルチチュードである教育者は、〈共〉を充実させるために知識を伝達したり、知性の用い方を教えたりするだけではない。ハートとネグリの論を検討した諸研究の成果、さらにはそうした研究において用いられているパウロ・フレイレの論を踏まえるならば、教育者はコミュニケーションの中で学習者を触発するという役割を持つ。知識の伝達や知性の用い方の教授は、この役割に包摂される。教育者は何らかの規範を伝達して学習者との間にヒエラルキーをつくることなく、マルチチュードの一員として触発という役割を遂行するのである。
上記研究の成果については、学会誌に掲載された論文を通して公開した。また、前年度の成果として執筆した論文が、学会誌に掲載されることが決定している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

概ね計画通りに研究を遂行することができ、かつ成果を上げることができた。また、3年目に進める研究についても、見通しを立てることができている状態である。しかし、計画したものよりも遥かに進んでいる状況であるとは言い難い。そのため、「おおむね順調に進展している」とした。

今後の研究の推進方策

次年度は、前年度と今年度の成果を統合し、人間中心主義的ではない触発とはどのようなものでありうるのかについて、C.A.バウワーズの著作などを用いた文献研究により検討する。これにより、教育という行為そのものを、人間中心主義、コモンズ、触発といった諸概念を通して再解釈する予定である。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 共在に留まる教育者―マイケル・ハートとアントニオ・ネグリの〈共〉概念に基づく教育者の役割の探究―2023

    • 著者名/発表者名
      市川秀之
    • 雑誌名

      教育哲学研究

      巻: 128 ページ: 1-19

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] クリティカル・ペダゴジーから見たプラグマティズムの意義2023

    • 著者名/発表者名
      市川秀之
    • 雑誌名

      日本デューイ学会

      巻: 64

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 教育化する民主主義?―ケアする民主主義を手掛かりに2023

    • 著者名/発表者名
      市川秀之
    • 学会等名
      日本教育学会 第81回大会 ラウンドテーブル18「教育と政治の間を再考する―市民の育成の観点から」
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] クリティカル・ペダゴジーから見たプラグマティズムの意義2023

    • 著者名/発表者名
      市川秀之
    • 学会等名
      日本デューイ学会 第65回研究大会 課題研究「民主主義の危機にプラグマティズムは、どう対応するか」
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 教育哲学事典2023

    • 著者名/発表者名
      市川秀之
    • 総ページ数
      666
    • 出版者
      丸善出版
    • ISBN
      9784621308219
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2025-07-08  

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