研究課題/領域番号 |
22K02238
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
上野 正道 上智大学, 総合人間科学部, 教授 (50421277)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | シティズンシップ / 公共性 / 民主的教育 / 学校コミュニティ / ジョン・デューイ / ガート・ビースタ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、シティズンシップと公共性のための民主的教育を主体的、対話的、探究的な学習に基づく学校コミュニティの形成の観点から明らかにするものである。具体的には、19世紀末から20世紀前半に活躍したアメリカのデューイの教育哲学が、現代のヨーロッパと東アジア(日本、中国)でどのように発展的に更新されてきたのかを考察する。特に、デューイの理論を現代において更新しようとしたオランダの教育哲学者ビースタの思想を取り上げて検討する。
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研究実績の概要 |
本研究は、シティズンシップと公共性のための民主的教育を主体的、対話的、探究的な学びを基盤にした学校コミュニティの形成の観点から明らかにするものである。その際、アメリカのジョン・デューイの教育論が現代のヨーロッパと東アジアでどのように発展的に展開し更新されたのかに着目する。具体的には、現代を代表する教育哲学者であるガート・ビースタの民主的教育論と東アジアにおける学校と学習の議論を取り上げて検討した。近年、デューイの教育思想についての研究は、21世紀の現代においてどのようにそれを更新するかという課題に直面している。 今年度の活動として、主に以下の三点をあげることができる。第一は、デューイの教育哲学に対する新たな解釈と研究に着手したことである。特に彼の民主主義と教育の思想と生涯に焦点を当てて考察した。その成果は『ジョン・デューイ―民主主義と教育の哲学』(岩波書店)として出版された。第二に、デューイの民主的教育論を現代的に発展させたビースタの教育哲学について、彼の政治的主体化やシティズンシップ教育の議論から検討したことである。オランダ出身のビースタは、デューイのプラグマティズムと進歩主義をヨーロッパの大陸哲学へと接合し更新する課題に取り組んできた。なかでも彼の「教育の学習化」に対する批判と世界中心の教育への視点は注目に値する。第三は東アジアにおける民主的教育や対話的な学びに関する発表や資料の収集をおこなった。グローバル化が進展し、学校教育の刷新が求められる中で、シティズンシップと公共性の教育をどのように構想するか、理論的、実践的な検討を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までの進捗状況は順調に進展している。その理由としては、デューイの民主的教育に関する理論的、実践的研究が順調に進み、またヨーロッパと東アジアの教育についての資料収集や分析も前進していることがあげられる。著書を出版したほか、国内外の大学や学会で発表、講演も実施し、研究の成果が着実に出ていると言える。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の方策として、シティズンシップと公共性のための民主的教育にかかわる資料の収集と理論的、実践的な分析を進めることがあげられる。そのために、国外(アメリカ、ヨーロッパ)での資料探索に加え、国内外の学会等で発表を実施した上で、学術書や学術論文を執筆し研究成果を公表することにする。
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