研究課題/領域番号 |
22K02239
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 大東文化大学 |
研究代表者 |
山本 宏樹 大東文化大学, 文学部, 准教授 (20632491)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | GIGAスクール / 教育DX / 人工知能 / 教育倫理 / エビデンス / 教育改革 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では「デジタル教育効果検証調査(ICTを利用した教育の効果に関する実証的知見の総括)」と「GIGAスクール実態調査(国内の教員・児童生徒への聴き取り調査)」の2種の調査結果を掛け合わせることによって「GIGAスクールの成功条件」を探る。具体的には、デジタル教科書、電子ノート、オンライン授業、ICT機器の教育利用・校務利用等に関し、日本固有の教育の実情に沿った形で有効な実践の在り方を提起する。
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研究実績の概要 |
本研究はデジタル教育に関する効果検証とGIGAスクールの実態に関する調査の結果を統合し、日本型GIGAスクールの成功条件を探究するものである。日本固有の教育の実情に沿った形で、デジタル教科書、電子ノート、オンライン授業、ICT機器の教育利用・校務利用等に関する有効な実践の在り方を提起することを目指している。 2年目となる2023年度の本科研関連業績は雑誌論文13、学会報告1、講演2、計16である。公刊した雑誌論文のタイトルは「2040年の日本社会と公教育」「対話型AIが教育にもたらすメリットとリスク」「バイオ・センシングAIが学校を変える」「仮想現実(VR/AR)技術と教育の未来」「2040年のエンハンスメント革命」「エンハンスメント論争のゆくえ」「202X年、教職支援AI誕生」「2023年、迷走する教育ダッシュボード開発」「2040年のAI教員評価」「2040年、教員監視社会誕生」「2040年、仕事の未来」「大学進学格差の現在と未来」「データ駆動型進路指導の時代」等である。 2023年度は、生成系AIの発展が大きく印象づけられた一年であり、日本教育学会で行った学会報告「人工知能の教育倫理」が時事通信社の専門情報紙『内外教育』で紹介される等、AI関連の研究に対する反響が大きかった。また11月にOpenAI社が開始したAIカスタマイズサービス「GPTs」に先駆けて、8月の段階で教育支援LINE Botを限定公開し、教育関係者に意見聴取を行った。 2023年度は、その他、各自治体における従来型GIGAスクール実践に関する調査のみならず、北海道高等学校遠隔授業配信センターをはじめとする次世代型公教育の取り組みについて聴き取り調査を進めることができた。最終年度のとりまとめに向けて、研究を進めていく所存である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は、社会のデジタル技術に対する関心の高まりを背景に、GIGAスクールの現状分析や2040年を見据えた教育DXのトレンド分析に取り組んだ。特に生成系AIの技術的進展は顕著であり、理論研究、マクロ統計分析に基づくリスクの算定や先進事例の調査に多くのリソースを割き、その成果は『高校教育』や『内外教育』といった専門的媒体を通じて社会発信された。 また、北海道高等学校遠隔授業配信センターを含む複数の学校・教育団体に対する調査を実施し、教育現場における教育DXの現状と次世代型公教育の方向性について理解を深めることができた。 2023年度の業績数は昨年度と同様に16件であり、量的には良好な進捗を維持しているといえる。2021年当時の計画と比較すると、生成系AIの急速な技術的発展等の予期せぬ状況変化によって計画に一部修正を迫られた部分もあるため、全体として「おおむね順調に進展している」と自己評価したい。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、2023年度に引き続き、次世代型公教育の実践校の調査を継続する予定である。この調査を通じて、先進的な教育実践の事例を収集・分析し、今後の公教育のあり方について示唆を得ることを目指している。 また、研究成果の社会還元という観点から、インターネットメディアを通じた情報発信の準備を進めている。また教育関係者が利用可能なチャットボット等を試行的に公開し、生成系AIを活用した教職支援の可能性を探りたい。 加えて、メタバースの教育的活用に関し、学会からのフォーラムへの登壇依頼を受けている。昨今の不登校・長期欠席者の急増を受け、メタバースの活用が注目されているが、その長所と短所について十分な議論がなされているとは言い難い。メタバースの教育的利用に関する知見を整理し、その可能性と課題について報告する予定である。 研究の最終年度となる2024年度は、これまでの研究成果を取りまとめ、書籍化することを検討している。本研究で得られた知見を体系的にまとめ、教育関係者や研究者、そして広く一般の方々にも読みやすい形で提供することを目指す。
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