研究課題/領域番号 |
22K02246
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 広島女学院大学 |
研究代表者 |
中村 勝美 広島女学院大学, 人間生活学部, 教授 (40310924)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | イギリス(イングランド) / 高等教育改革 / 大学史 / チュートリアル / 学士課程教育 / イギリス |
研究開始時の研究の概要 |
日本では現在、大学教育の質的転換を目指し、アクティブラーニング導入や単位の実質化など多様な手法が模索されている。イギリスにおいて、中世以来のカテキズムを起源に持つチュートリアルは、19世紀大学改革を経て、教師と学生の相互作用により学生の批判的、論理的思考力を育む知的訓練の手段として定着し、ユニバーサル段階の高等教育においても機能し続けている。 本研究は、19世紀大学改革、20世紀労働者成人教育、1960年代新大学創設、1969年オープン・ユニバーシティ設立を画期として、チュートリアルとはいかなる教育理念の下に生まれ、社会や学生のニーズによりその様態を変化させてきたのかについて解明する。
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研究実績の概要 |
本年度は、オープン・ユニバーシティに着目し、学士学位プログラムや地方学習センターの実際について文献研究を実施した。1971年の開学当時は日本でも注目を集め、放送大学等に大きな影響を与えた同大学であるが、その後のわが国における先行研究は乏しく、その教育の実際については十分に検討されているとは言い難い。 そこで、本年度は、オープン・ユニバーシティ創設当時の関係者による回顧録、研究書、大学史を主たる資料として、オープン・ユニバーシティの設立課程とその教育目標、教育内容や方法、評価に関する内部質保証のプロセスの一端を明らかにした上で、テレビやラジオを用いて、遠隔教育におけるチュートリアル(面接授業)の意義を検討した。 オープン・ユニバーシティは「どこでも誰でも学べる大学」を標榜し、入学資格を問わず、テレビやラジオなどの放送や通信を利用して、自宅にいながら学ぶことを可能にした大学であり、「オープン・エントリー」の原則、単位制の導入という点で画期的で、イングランドの伝統的な大学とは異なる文脈から創設された大学である。設立当初から学位授与権を有しており、教育の質保証についても入念な検討が行われてきた。 チュートリアル(個人面談、面接授業)には、多様な学生の学修全般に助言・支援するカウンセラーと、通信教育における自学自習を補完するコース・チューターによるものの二種類があり、全英最大規模の学生数を誇る同大学の教育を支えてきたことが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
長期休暇中の校務の増加や渡航費の高騰等により、イギリスでの現地調査が実施できなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
今年度も引き続き、校務の負担は大きいが、長期休暇中に1~2週間程度の現地調査ができるよう業務を調整したい。 また、効率的な調査が実施できるよう、オンラインを用いて、研究協力者と事前にコンタクトを取る。
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