研究課題/領域番号 |
22K02262
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 広島市立大学 |
研究代表者 |
卜部 匡司 広島市立大学, 国際学部, 教授 (30452600)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2026年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 学習評価 / ドイツ / コンピテンシー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、コンピテンシーに基づく学習評価の導入に伴うドイツ教育評価制度の機能的変容の解明である。ドイツでは基礎学校(初等教育)の低学年においてコンピテンシーに基づく学習評価が導入されようとしている。具体的には、従来の「評点型の通信簿」や「所見記述型の通信簿」に代わり、学校で育成すべき各コンピテンシーのリストに基づいて学習評価を行う「評価シート型の通信簿」が導入されつつある。本研究では、ドイツの基礎学校における「評価シート型の通信簿」を考察することで、ドイツの教育評価制度の機能的変容について明らかにする。
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研究実績の概要 |
研究の目的は、コンピテンシーに基づく学習評価の導入に伴うドイツ教育評価制度の機能的変容を解明することである。ドイツでは基礎学校を中心にコンピテンシーに基づく学習評価が導入されようとしている。具体的には、従来の「評点型の通信簿」や「所見記述型の通信簿」に代わり、学校で育成すべき各コンピテンシーのリストに基づいて学習評価を行う「評価シート型の通信簿」が導入されつつある。本研究では、ドイツの基礎学校における「評価シート型の通信簿」を考察することで、ドイツの教育評価制度の機能的変容について明らかにする。 本研究では、令和4年度から5年間にわたり、①ドイツの基礎学校における「評価シート型の通信簿」の導入状況を明らかにし、②基礎学校でのコンピテンシーに基づく学習評価の実践方法について解明するとともに、③ドイツの教育評価に関する理論モデルや能力理解の変化について整理し、④ドイツの教育評価制度の機能的変容を理論的に分析する。これら4つの目標を達成するため、①「評価シート型の通信簿」の導入について各州の進捗状況を整理し、導入をめぐる経緯および政策意図について明らかにしたうえで、②「評価シート型の通信簿」の記載内容ならびに従来の通信簿との違い、また判定の根拠となるテスト等の評価プロセスを解明する。さらに、③評価理論や能力観について、それぞれの特色と盲点を理論的に整理し、「評価シート型の通信簿」の導入を可能にした能力理解の変化について考察する。最後に、④ドイツの基礎学校における教育評価の機能変容について分析する。 2年目である令和5年度も、文献資料による基礎調査を中心とした研究を実施した。大まかな傾向として、コンピテンシー志向の成績評価の拡大とともに、かつては別立てでそれぞれ評価されてきた学業成績と態度が、資質・能力(汎用的学力)のもとに統合される議論が出てきていることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の2年目に該当する令和5年度は、現地調査よりも文献調査に重点を置いたため、先行研究ならびに評価論についての関連文献を集め、またオンラインによる研究討議や研究構想に関する学会発表も実施することができた。以上の理由から、「おおむね順調に進展している」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後も引き続き、コンピテンシーに基づく学習評価の導入について、関連の文献、政策文書、報告書などを収集し、ドイツ各州の事例についても調査を進める。可能な限り現地調査に出かけ、教育政策担当者、研究者、学校長・教職員などへのインタビュー調査や大学の研究者との研究討議の機会を設ける。
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