研究課題/領域番号 |
22K02284
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
武井 敦史 静岡大学, 教育学部, 教授 (30322209)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | プロジェクト型学習 / 汎用的能力 / キャリア教育 / 場 / カリキュラム / PBL / 地域 |
研究開始時の研究の概要 |
プロジェクトを基盤とした学習が世界的に注目を集めている。こうしたPBLはしばしば、時間的にも内容的にも単一の教科内で展開することは難しいという課題がある。 本研究においては教育委員会の協力のもと、学校間で協働的にプロジェクト学習を推進していくためのデザインデバイスである「プリズムカリキュラム」の開発を行う。 「プリズムカリキュラム」は①プログラムデザイン、②カリキュラムプランニング、③アセスメント・フィードバック方略の3つのコンポーネントよりなり、各段階における検討のためワークシート等のデバイスを開発し、学校・地域に提供するものである。
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研究実績の概要 |
本研究は、公立学校において導入可能であり、自律的発展性をもつプロジェクト型学習プログラムを、自治体裁量とコミュニティとの協働を前提に開発・導入・発展させていくためのデザインデバイスを開発することを目的とし、①開発するデバイスの基礎条件の整理、②連携する自治体と協働によるプログラムの具体的構成の検討、③開発プログラムを試行およびその効果性と課題についての検証、④本研究の成果の国内外での報告と研究の発展可能性の探索、を具体的課題としている。 2023年度はこれら研究課題を念頭に、上記課題②の特にプログラムの具体的構成の検討、課題③の特に開発プログラムを試行と効果性・課題検証、課題④の特に本研究の国外での研究の発展可能性の探索に力点を置いて研究を推進した。 ②および③については、申請計画において記載した下田市、牧之原市、沼津市の他、島田市においてに研究協働の可能性を探っている。下田市では市内6校、1中学校における中高一貫プログラム前提とした研修・検討会の実施し、牧之原市においては、市内9小学校、3中学校における導入検討、沼津市においては、一中学校区(1中、2小学校)におけるプログラムの試行、島田市においては2中学校におけるカリキュラムの試行が申請者との協働のもと行われている。 開発プログラムを試行と効果性・課題検証については①児童生徒対象の事前・事後のアンケート調査、②実践の録画記録・分析、③教員に対するアンケート調査を中心に、自治体の進度に応じて実施している。 課題④については、地域との協働による探究的な学習について先進的な行っているインドの学校において2週間の出張を行い、視察および今後の研究協力に関する協議を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上記各研究課題のうち、課題①については2022年度までに『プリズムカリキュラム 学校・自治体単位ですすめるプロジェクト型学習開発・実践の手引き』を作成し一定の成果を出すことができた。 課題②および課題③については研究計画策定当初の予定より遅れている。その理由は一2021年度より感染症の拡大防止等の観点から活動的な内容を伴うカリキュラムの開発が抑制傾向にありプロジェクト型学習の導入に難色が示す自治体があったことや、研究対象として想定した自治体においてプログラムが想定以上の拡大を模索する動きがあったことから、プログラムの適用範囲の拡大に関するフレームワークの見直しや調整のため想定以上の時間やエフォートが必要とされたことなどがあげられる。 これら自治体の動きやニーズに対応するため、今後は対象自治体の見直しや、対象の拡大に伴う研究フレームワークの検討等も含めて研究計画の練り直しを行う必要があるものと考える。 課題④については、おおむね研究計画時におおいて想定した通りに研究は進捗している。特に2023年度に行った特に海外視察・検討の結果は良好であり、今後の研究見通しとしての発展性を確認することができた。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度以降は、課題②、課題③、課題④を中心に研究活動を進める。 課題②については、本研究は学校現場をフィールドとする実践的な研究であるため、対象自治体の意向は最大限尊重しなければならない。研究計画に記載した、下田市、牧之原市、沼津市のいずれにおいても信頼関係が悪化したという事態ではなく、現在も可能性が模索されているが、下田市においては、カリキュラム改革に関する動きがやや停滞しており、牧之原市においては、プログラムの拡大適用が図られている。沼津市においては教育大綱の改訂の中で位置づけのプログラムの見直しが模索されている。 こうした状況を鑑みて新たに調査地域として、静岡県島田市を研究対象に加えることを現在模索している。島田市においてはすでに2つの中学校において、プログラムが導入されており、今後も協力を得られる可能性はある。 課題③については当初の研究計画では、2024年度は開発したプログラムの効果検証をが中心となる予定であったが、上記の遅れから、課題②と課題③を同時並行的に調査研究に入る条件がそろった自治体については、2024年度より検証プロセスに入っていくことを想定している。 課題④については、研究データの収集・公表の観点から学会報告等は2025年度以降に延期する。ただしに国内外におけるさらなる発展可能性の模索ついては継続してすすめ、本研究の成果を国際学会での報告や著作等のかたちでの公表員ついても検討する。
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