研究課題/領域番号 |
22K02314
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
杉浦 由香里 滋賀県立大学, 人間文化学部, 准教授 (90734111)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 地方教育行政 / 指導監督 / 小学督業 / 学務担任郡書記 / 指導監督機関 / 教育事務 / 教育の専門性 / 民衆統制 |
研究開始時の研究の概要 |
1890年に郡視学が成立するまでの地方教育行政の展開を府県の実態にそくして明らかにする。具体的には、(1)自主的に指導監督機関を設置した府県に着目し、設置に至る背景や論理を地域資料(新聞、教育雑誌、県会議事録など)から明らかにする。(2)指導監督機関と既存の行政機関における教育事務の分配がどのように行われていたのかを明らかにする。(3)府県における指導監督機関を求める動きが中央の教育政策形成にどのような影響を及ぼしたのかを分析する。これらの分析を通じて、地方教育行政をめぐる諸問題(教育行政の専門性と民衆統制、教育の内的事項・外的事項の事務配分)の関係構造とその歴史的性格を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究は、明治前期における地方教育行政の形成過程を明らかにすることを通じて、地方教育行政をめぐる諸問題(教育行政の専門性と民衆統制、教育の内的事項・外的事項の事務配分)の原型とその歴史的性格を明らかにすることを目的としている。特に、教育に対する指導監督の必要がどのように認識され、いわゆる教育の内的事項・外的事項をめぐる教育事務の分配が歴史的にどのように問われつつあったのかを府県の地域史料に基づき明らかにすることを目指している。 2023年度は、東京都立公文書館、国立公文書館、愛知県立公文書館などにおいて資料調査を実施し、小学督業ならびに学務担任郡書記に関する資料の収集を行なった。 その結果、学務担任郡書記に関して、全国的な設置状況とその変化がわかる資料を入手することができた。1881年に文部省達第8号により「学務担任ノ者事務要項」が定められ、それが所管する教育事務の範囲が示された。これを踏まえて、各府県では学務担任郡書記を設置したことが資料から明らかとなったが、その設置形態(専務か兼務か)においては各府県によって差が生じていたことが明らかとなった。そこで、これをもとに各府県の特色や動向を把握し、調査対象の府県を選定することに役立てたい。 他方で、小学督業に関しては今年度の調査では断片的な資料しか入手することができなかった。このため、引き続き小学督業を設置した府県を絞って地域史料の調査・収集を行なっていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
学務担任郡書記に関して全国的設置状況がわかる資料を収集することができた。しかし、小学督業に関しては断片的な資料にとどまり、設置背景や具体的動向がわかる資料を発掘するまでに至っていない。2024年度は、いくつか府県を絞って地域資料の発掘を目指したい。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度中に収集した資料の整理と分析に取り組むとともに、学務担任郡書記と小学督業の設置に関する資料調査を実施していく。
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