研究課題/領域番号 |
22K02324
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 岩手県立大学 (2023) 東北生活文化大学 (2022) |
研究代表者 |
山沢 智樹 岩手県立大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (60876861)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 学校づくり / 地域に根ざした教育 / 生活綴方教育 / 教育ガバナンス / 開かれた学校づくり |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、恵那教育会議を主たる分析対象として、地域における教育ガバナンスモデルの構築をめざすものである。 本研究では主に、生活綴方教育の取組みが盛んであった恵那地域において1958年に結成された恵那教育会議に着目する。また、恵那教育会議のほかにも、今日までの生活綴方教育や保護者・地域住民も含めた参加と共同の学校づくりに関する実践を参照する。そのうえで、教育行政、学校運営、教育実践それぞれが保護者や地域住民の意向をどのように反映し得るのかという点について分析、解明を行う。
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研究実績の概要 |
2023年度(2年目)における最大の成果として、岐阜県恵那市の恵那教育研究所での研究会(子ども研)への参加とそれに併せて研究所内資料室において簡単な資料調査(資料閲覧)を実施できたことが挙げられる。そこで、本課題に関係すると思われる資料の中で、未確認のものがあることがわかった。 恵那教育会議研究については、先行研究、教職員組合の動向と関連付けた研究論文を次年度に、所属機関の紀要へ投稿するための作業に取り組んでいる。 現代的な教育課題については論稿として、①「教育の『機会均等』と『誰一人取りこぼさない』教育の落とし穴」(みやぎ教育文化研究センター 研究年報 3号)、②「地域と学校の連携はどこに向かうのか : 学校を取り巻く状況から」(月刊社会教育807号)、③「どうする、学校(子どもと学校 この1年)」(子ども白書2023)、④「学校づくりへの参加と道徳性の育ち」(岩手県立大学教職教育センター紀要2号)の4件で発表している。 ①、②、③については、学校という制度が抱える疲労について、現場の教職員や保護者、地域住民による「奉仕」によってではなく、制度とその運用についての根本的な見直しが求められていることを指摘したものである。④については、道徳教育の充実は、教育課程や授業の中でのフィクションの体験ではなく、実際の学校運営のあり方こそが考える舞台になるのではないかということを提起している。さらに①については、こうしたフレーズが昨今、にわかな盛り上がりを見せている新しい学校を設立する動きにおいて、探究的な学習や地方創生と並び、用いられていることについて検討をすることを次の課題として設定している。 発表してる研究業績の他に、研究会への参加を通じて、岩手県内の社会教育関係者、フリースクール関係者、福島県内の学校と地域との連携の実践者とのつながりができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究者の所属機関が変更となり、本務の業務内容にも大きな変更が生じたことに対応することに多くの時間を要した。 そのため、2024年度(2年目)において、岐阜県恵那市、中津川市における資料調査が再開できたとはいえ、一度に限られてしまっている。この点については、次年度においてはある程度、見通しを持ち、調査を計画していくことで、改善が望めるものと考えている。 第二に、コロナ禍による行動制限が緩和されきているなかで、関係する学会、研究集会等において一定程度、対面参加が再開されてきているものの、オンライン開催や一部オンラインを取り入れたハイブリッド開催といった形態が依然として少なくないため、研究協議や研究課題に関する情報交換が当初、想定していたように進んでいない。この点については、本補助事業や他の研究助成も活用して、現在の所属機関を会場として、研究協議や研究課題に関する情報交換の機会を開設していくことも検討している。 以上、資料調査の進行と研究会の持ち方において引き続き、困難な状況もあると言わざるを得ないので、「やや遅れている」とした。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度も引き続き、戦後日本における生活綴方教育や地域に根ざした学校づくりに関する実践についての資料や先行研究の収集は継続していく予定である。そのなかで、岩手県、宮城県などの協力が得られる地域における実践資料の収集も行う。とくに恵那地域における現地調査については、2024年度(3年目)の秋頃までに1回以上の機会を設け、未確認の資料についての追加調査を考えている。冬以降でも、今後の研究につながる資料の調査を重ねていくことを予定している。 昨年度来取り組んできている、岐阜県教職員組合恵那支部の1957年方針に関する論文については2024年度中に所属機関の紀要での公表を目指している。 各種学会や研究集会については概ね、参集、対面による形式での開催へと移行されてきていることも踏まえて、積極的な議論、意見交換の場として活用していくと同時に、首都圏や関西圏の学校への訪問調査、聞き取り調査も実施していくことを検討している。
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