研究課題/領域番号 |
22K02332
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
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研究機関 | 山梨県立大学 |
研究代表者 |
池田 充裕 山梨県立大学, 人間福祉学部, 教授 (40342026)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | シンガポール / 就学前教育 / 教育省立幼稚園 / MOE Kindergarten / Sparkletots / Starlight Literacy / HI-Light Programme / STEMIE / 幼児教育 / 乳幼児期の教育・保育 / ECEC / カリキュラム |
研究開始時の研究の概要 |
シンガポールでは長らく幼児教育・保育の分野は民間主導の開発が進み、公教育制度内での位置づけは不明確であった。しかし2000年以降、保育者資格、カリキュラム、行政組織などの面で幼保の一元化が段階的に進み、2015年に教育省は自身が直接経営する幼稚園の設置を開始した。 本研究では、①教育省立幼稚園の設置に至った背景と同園が担う役割、公教育制度内における位置づけ、②同園における資質・能力に関わる目標設定や具体的なカリキュラム内容、教育方法、③初等教育との間での資質・能力の育成に関わる接続の実態、④保育者の資質向上に向けた他の幼稚園プロバイダーや保育者養成機関等との連携の状況の検証を行う。
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研究実績の概要 |
(1)2023年9月16日(土)~22日(金)にシンガポールに赴き、9月18日(月)にジュロン・ウェスト小学校附設の教育省立幼稚園を訪問した。年長児を対象としたStarlight Literacy Programmeの実践事例として、タブレット端末等を用いた英語の授業と、大型絵本やゲーム等を用いた中国語の授業を参観した。また、HI-Light Programmeの実践事例として獅子舞体験を通して中国文化を学ぶ授業を参観した。それぞれを写真・動画で撮影するとともに、担当教員や主任教員に活動のねらい等についてインタビューを行った。 (2)2023年9月20日(水)には、私立の就学前教育機関としてはシンガポール最大規模の運営団体となるスパークルトッツ(Sparkletots)のキャシュー・センターを訪問した。科学知識や批判的思考力などを高めるためのSTEMIE(Science, Technology, Math, Invention, and Entrepreneurship)プログラムの授業や施設・設備を参観した。また、主任教員にインタビュー調査を行い、幼保一元化の動向や教育省立幼稚園の園数の拡大について、民間の立場からの意見を伺った。 (3)これらの調査結果を踏まえて、日本教育政策学会年報第31号に海外教育動向の報告として、「シンガポールの就学前教育に関する政策動向-教育省立幼稚園の設置とその背景-」を寄稿し、2024年6月に刊行予定である。また、日本比較教育学会第60回大会では、教育省立幼稚園やスパークルトッツで実践されている特色あるプログラムに焦点を当てて、「シンガポールにおける教育省立幼稚園の拡大要因と教育実践-『就学前教育カリキュラム・フレームワーク』の理念と原則を踏まえて-」の題目で発表を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
(1)現地調査の実施…研究初年度となる2022年度は新型コロナウィルスの感染拡大の影響により、当初予定していた現地での調査を行うことができなかった。しかし、2023年度は現地調査を実施し、精力的に授業実践の記録・分析やインタビュー調査を行うことができた。しかし当初の計画では2023年度までに、2つの教育省立幼稚園を訪問する予定であったが、まだ1園に留まってる状況である。 (2)学会活動の実施…2023年度に研究成果を学会誌に投稿(2024年度刊行予定)するとともに、2024年度は現地で収集した一次資料や映像資料を用いて学会発表を行う予定である。当初は2023年度に学会で中間報告も兼ねた発表を行う予定であったので、やはり1年遅れた状況となっている。
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今後の研究の推進方策 |
(1)現地調査の実施…教育省立幼稚園について、2024年度中に別のもう1園を訪問し、同じプログラムが異なる園でどのように実践されているのか調査・分析を行う予定である。また、保育者養成機関も訪問し、教育省立幼稚園との連携や保育者の資質向上に関するについてインタビュー調査を行う。 (2)学会発表…新型コロナウィルスの感染拡大の影響により、調査・研究のスケジュールの変更を余儀なくされたため、本科研費プロジェクトの研究期間を過ぎてしまうが、全ての調査計画を終えた後に、2025年度に日本比較教育学会において最終発表を行う予定である。
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