研究課題/領域番号 |
22K02334
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
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研究機関 | 神田外語大学 |
研究代表者 |
伊藤 未帆 神田外語大学, 外国語学部, 准教授 (90466821)
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研究分担者 |
奥田 若菜 神田外語大学, 外国語学部, 准教授 (10547904)
知念 渉 神田外語大学, グローバル・リベラルアーツ学部, 准教授 (00741167)
和田 理寛 神田外語大学, 外国語学部, 講師 (70814325)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 移民 / 青年期 / トランジション / ライフコース / 日本語学校 / 留学生 / 技能実習 / 出稼ぎ / 移動 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、現在日本で暮らすベトナム、タイ、ミャンマー、ブラジルからの移民たち(一時的滞在者を含む)が、どのように後期青年期の時期を過ごし、そのプロセスにおいて、国境を越えた移動経験がどのような影響を及ぼしたかという問いについて、主にインタビュー調査を通じて明らかにする。日本国内での調査に加え、日本から帰国した人々の「その後」にも追跡調査を行うことで、移民のライフコースの形成において、空間的な移動の経験が与えた影響と意味を明らかにする。 これにより、移民という視座から、新たな「新しい移行」モデルの理論的枠組みを構築する。
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研究実績の概要 |
本研究は、日本社会に暮らす、主としてベトナム、タイ、ミャンマー、ブラジルからの移民たちに焦点を当て、彼らのライフコースを解き明かすことを目的とした。これまでの移民研究では、居るべき場所/戻るべき場所としての「定住」を暗黙の前提にしたうえで、移民をナショナルな空間からの「逸脱者」とみなす視座を主流とする一方で、アイデンティティや主体性のあり方と密接な関連を持つ移民自身のライフコースについては十分に検討されてこなかった。 本研究は、複数の国から日本にやってきた移民(技能実習生、留学生を含む)にインタビューを行い、若者から大人へと成長する人生の重要な時期(移行=トランジション期)に国境を越えるという経験が、彼らのライフコース形成にどのような影響を及ぼしているのかを明らかにするものである。 初年度にあたる当該年度(令和4年度)は、現在日本で暮らす移民たちが、どのように後期青年期の時期を過ごし(もしくはかつて過ごし)、そのプロセスにおいて、国境を越えた移動経験がどのような影響を及ぼしたかについて、主として①移民当事者、および日本語学校運営者への聞き取り調査、②国、および都道府県(千葉県)、市町村(八千代市)がそれぞれ公表するデータ収集と分析、③外国にルーツのある学生が多数在籍する高等教育機関(神田外語大学)が保有するデータ収集と分析、④移民とライフコース、トランジションに関連する先行研究の整理と精査、という4つの軸に沿った研究活動を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度にあたる当該年度(令和4年度)は、現在日本で暮らす移民たちが、どのように後期青年期の時期を過ごし(もしくはかつて過ごし)、そのプロセスにおいて、国境を越えた移動経験がどのような影響を及ぼしたかという問いを明らかにするために必要となる、基礎的な資料・データ収集、およびそれらの分析を主軸とする研究活動を精力的に実施した(具体的な活動内容は以下の通り)。 ①ミャンマーから来日した移民当事者への聞き取り調査(令和4年6月、令和4年10月、令和5年2月)、双葉日本語学校(所在:千葉市)運営者への聞き取り調査(2022年8月)。②国、都道府県(千葉県)、市町村(八千代市)がそれぞれ公表している外国人居住者および就労状況に関するデータ収集と分析。③神田外語大学に在籍する外国にルーツのある学生のデータ収集と分析。④移民とライフコース、トランジションに関連する先行研究の整理と精査。 これらの研究活動の進捗状況や成果については、月1回~2回程度のペースで研究会を実施し、研究代表者・研究分担者間での調査報告と情報共有を行ったうえで、活動計画全体の進捗状況の確認と、次なる活動方針の策定、実施へとつなげていくというワークフローで行った。
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今後の研究の推進方策 |
①研究活動実施二年目にあたる令和5年度は、より積極的に、日本国内に居住する移民当事者、および彼らが所属する各機関(学校、企業、自治体等)への聞き取り調査を実施する。主としてベトナム、タイ、ミャンマー、ブラジルからの移民を調査対象とするが、必要に応じて、その他の国をルーツとする移民層にもインタビューを行う。 ②また、令和4年度に得られた外国人居住者および外国にルーツのある人々についてのデータ整理と分析を行い、マクロレベルで見た日本の移民層をめぐる実相把握に努める。 ③①、②と並行して、日本から帰国したベトナム、タイ、ブラジルの移民たちを対象に、それぞれの国に赴いての追跡調査を行うための準備を進める。①、②の作業を通じて得られた情報をもとに、調査対象国内での移民送り出しの実態に関する予備的調査、および現地研究者とのネットワーク形成に努め、令和6年度以降の本調査実施に向けた研究基盤を作る。 これらの過程を通じて、移民のライフコースが、来日前、来日中、帰国後においてどのように形成され、変化していっているのかという問いを明らかにする。その上で、彼らのトランジションにおいて、空間的な移動の経験が与えた影響と意味を明らかにしていきたい。
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