研究課題/領域番号 |
22K02335
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
久志本 裕子 (塩崎 裕子 / 久志本裕子) 上智大学, 総合グローバル学部, 准教授 (70834349)
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研究分担者 |
服部 美奈 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 教授 (30298442)
鴨川 明子 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (40386545)
山口 元樹 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 准教授 (60732922)
坪井 祐司 名桜大学, 国際学部, 上級准教授 (70565796)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 植民地 / 女子教育 / イスラーム / マレーシア / インドネシア / イギリス / オランダ / 学校化 / 男性性 / ナショナリズム / 教育社会史 / 東南アジア / ムスリム社会 |
研究開始時の研究の概要 |
この研究では、現在のマレーシア・インドネシアにあたる地域で20世紀初頭にムスリムによって発行された雑誌と新聞、あるいはイスラーム系ではない雑誌、新聞におけるムスリムによって書かれた記事を主な資料として教育に関する言説、特に女性の社会的地位と教育の必要性について論じた言説がどのような形で欧米と中東の言説の影響を受けながら成立し、変化したのかを分析する。東南アジアの教育社会史として研究成果を論文等の形で発表するのに加え、東南アジアのムスリムが「外来」の制度や思想を紆余曲折しながら受け止めた様子から得られた示唆を、「学校化」する現代社会をめぐるより一般的な知見としてシンポジウム等で発表する。
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研究実績の概要 |
今年度の研究では植民地期の教育の展開についてより広い視点から考えるための資料を集めること、また女子教育の展開を考えるうえで、現在のマレーシア・インドネシアにおけるジェンダー観の特徴とその変化、現代までを含む学校や大学におけるジェンダー間関係の在り方など女子教育を取り巻く様々な条件を明らかにし、整理することを目的とした。 まず、歴史資料についてはマレーシア・オランダに出張し(渡航費には他の研究費を含む)、植民地期から独立に至る時期の資料収集を進めた。また、現代までを含む女子教育を取り巻く諸条件の調査については、久志本・鴨川がマレーシアにおける調査で大学における教員と学生にジェンダーによって異なる認識や態度があるのかについてインタビューと参与観察を行った。この結果、マレーシアの学校におけるジェンダー差の文化的特徴は、学校という制度とそこにおける教師の役割と密接につながっているのではないかという発想に至った。植民地期からのその形成を考えるには、「女子教育」という枠組みを超えて、そもそも「教師」の役割がどのように位置づけられてきたのか、学校教育普及の各段階において誰が「教師」としての役割を担い、そうした人々がどのような存在としてイメージされてきたのかを探る必要がある。そのうえで、そこに「女性教師」がどのように位置づけられ、またイメージされるようになったのかが、「女性には教育が必要である」という言説の形成と大きく関係していると考えられるのである。この点について来年度以降の研究で明らかにしていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
各自の研究についてはおおむね順調に進展しているが、他の研究費との兼ね合いで予算が予定通り執行できていない部分がある。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は各自の海外出張による文献収集とその分析を引き続き行うとともに、研究会を2023年度よりも頻繁に行い、各自の成果をすり合わせる作業を進める予定である。研究組織はマレーシア班インドネシア班、あるいは教育学班と歴史学班という二つの分け方で分けることができるが、班の単位で共通の関心事項となる本を選んで読書会を行い、資料収集から得られた成果の解釈に役立てるといった活動を予定している。会合はオンラインを基本とするが、2024年度中に少なくとも1度は全員を対面で集めての研究会を実施したい。また、成果発信に向けて、年度末をめどに公開の研究会を行い、研究班以外の研究者からフィードバックを得て来年度の研究につなげる計画である。
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