研究課題/領域番号 |
22K02360
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
劉 靖 東北大学, 教育学研究科, 准教授 (60747864)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 九年一貫校 / 学校間協働(協力) / 競争 / 義務教育均衡発展 / 中国 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、中国公立小中学校の協働による「九年一貫校」の取組に着目し、①この改革の歴史的、社会的意味、この改革の変遷、異なった地区間の多様性が見られるかについて、各地域の政策と事例を踏まえて実証的に明らかにするとともに、教育社会学の視点から、②この改革の背後に存在する複雑な社会関係を明らかにすることを通じて、日本の「小中一貫校」の改革とは異なる文脈から、異なる教育段階の「学校間協働」による公教育の質の改善の可能性に関する新たな視点を加える。さらに、それらの成果や課題を踏まえ、③日本の公立「小中一貫校」の展開に対し、より効果的な「質の高い学校づくり」のあり方に示唆を提示することを試みる。
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研究実績の概要 |
①初年度目は、「学校間協力」と「小中一貫校」に関する先行研究の収集とレビューを行った。また、次年度現地調査に関する情報収集や訪問先の検討を行った。中国側の協力側との調整と意思共有も行った。②これまでに「学校間協働」と「小中一貫校」改革に関する国内先行研究(日本語・中国語・英語)を収集し、コーディングをしながら、これまで当該テーマに関する概念や分析の枠組みをまとめ、カテゴリー化をしている。「学校間協働」のと取組みは世界的に展開されて、その普遍性および多様性に関する理解を深めることができた。また、国内外の学校間協力の取組みを深く理解するために、日本における「義務教育学校」制度や実践に関する政策や文献をレビューを行い、日中における「九年一貫制学校」の改革の目的や政策の展開に関する相違点を理解することができた。③文献研究ならびに理論研究と並行し、次年度行う現地調査における調整などを準備した。④中国農村地域における「学校間協力」に関する先行研究を行い、その取組をまとめ、その結果を2022年度香港比較教育学会年度大会で発表し、有益なコメントを得ることができた。香港比較教育学会でいただいたコメントやご指摘に基づき、世界的な学校間協力の取組みとの比較だけではなく、中国社会の変動による教育に関する経済的、社会的、文化的の意味を理解することの必要性を理解でき、次年度の研究や調査に向けて、総合的な視点から「学校間協力」と「小中一貫校」を理解することに努力したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和1年度に計画していた①先行研究のレビュー(文献研究)、②概念枠組みの構築、③学校訪問調査の予備調査に関して、全体としては、中国国内のコロナウィルス感染拡大による海外からの入国制限のため、③都市部における学校訪問調査の日程などがやむを得ない原稿が生じたことがあり、当初の計画より、やや遅れている。特に、予備調査や、中国国内における「九年一貫制学校」改革に関する新聞記事や政策文献などのデータ収集が遅れてきた。 ③学校訪問調査の日程と対象地域については、当初、2022年12月―2023年1月で成都市および北京市を予定していたが、コロナウィルス感染拡大の影響で中止されることになった。
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今後の研究の推進方策 |
2年度目となる令和5年度は、本研究プロジェクトの展開段階aに入る予定がある。①北京市と成都市の学校訪問調査を実施し、②文献レビューと聞き取り調査の結果を擦り合わせて「九年一貫制学校」モデルの構築・精 緻化をおこなうとともに、③学会発表および論文の執筆を通した研究成果の発表をおこなう。 ①小中一貫制学校調査の実施は、文献レビューで構築したフレームワークおよびこれまでの研究で解明した枠組に用いた質問票を基本として実施する。北京市と成都市の教 育委員会や関係機関および公立学校を訪問し、「小中一貫制学校間協力」の意味、取り組み、効果および課題などを明らかにしたいと思います。 ②「小中一貫制学校間協力」モデルの構築・精緻化 これまでの文献レビューを、学校訪問調査の結果と擦り合わせて精緻化し、最終化する。 ③ 研究成果の発表 これまでの研究成果をまとめた論文を執筆し、学術誌に投稿するとともに、日本比較教育学会をはじめとする国内の学会ならびに北米比較 国際教育学会などの国際的な学会において、積極的に報告を行う予定にしている。
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