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ヨーロッパの中国系新移民帰国者次世代にみる進路選択に関する教育人類学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K02370
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分09020:教育社会学関連
研究機関東洋大学

研究代表者

山本 須美子  東洋大学, アジア文化研究所, 客員研究員 (50240099)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
キーワード中国浙江省出身者 / ヨーロッパ / 中国系次世代 / 帰国者 / 進路選択 / 教育人類学 / 中国浙江省出身帰国者
研究開始時の研究の概要

20世紀初めからヨーロッパに移民を送り出す歴史があり、20世紀後半からイタリアやスペインへの移住が急増した浙江省では、州政府の帰国誘致政策などによって帰国が促進されている。浙江省への帰国者を親に持つ次世代には、親に伴って中国の出身地に帰国する者、移住先に残る者、あるいは中国の大都市や他国に移住する者もいる。次世代の多様な進路選択の背後には、教育経験や社会統合のあり方、親や親族との関係、ナショナリズム的政策を強める「中国」の捉え方など様々な諸要因が絡み合っている。本研究では、それらを明らかにすることを通して、世界に広がる中国系新移民次世代と「中国」との関係性を捉えるモデルを創出する。

研究実績の概要

本年度は第一にイタリアのプラートの中国系移民に関する先行研究をレビューし、現地調査に備えた。
第二に、スペインのバルセロナとイタリアのプラートで2023年11月に現地調査を実施した。バルセロナとプラートの中国系移民は中国浙江省出身者が多数派である。浙江省出身者次世代のライフヒストリーを構築するインタビューを実施したり、プラートの中国人生徒の多い高校の教師に中国人生徒の抱える問題について話を聞いたりした。
イタリアのプラートはヨーロッパにおける最大の中国人集住地区であることによって、次世代の社会統合に特徴が生み出されていることがわかった。プラートで生まれ育った次世代は、中国人生徒が多いイタリアの学校に通い、イタリア語能力不足や人種差別を経験することによって高校を中退する者が多かった。親の衣服卸売業を継ぐ場合が主流で、「プラートの中国人」というアイデンティティを形成していた。
コロナ禍の影響については、バルセロナとプラートの浙江省出身者の親世代は、中国の方が安全だと考え帰国を望み実際に帰国した者もいたが、コロナ禍後はヨーロッパに戻っている者が多かった。コロナ禍によってビジネスにダメージを受け、解雇される者もいたが、何とか乗り切っている者もいた。次世代に関しては、コロナ禍でも親と一緒に中国に帰国する者はほとんどおらず、ヨーロッパ社会に統合し、中国へ帰国することを選択する者はほとんどいないことが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

浙江省出身者の多いスペインのバルセロナとイタリアのプラートにおいて現地調査を実施することができ、コロナ禍の影響や次世代の進路選択についての調査結果を得ることができたため。

今後の研究の推進方策

プラートの浙江省出身者次世代の社会統合の特徴をまとめて論文として公表する。さらに、浙江省出身者の多いフランスのパリでの現地調査を実施し、バルセロナやプラートの状況と比較をする。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] トランス・マイグラントとしての中国系新移民次世代2024

    • 著者名/発表者名
      山本須美子
    • 雑誌名

      東洋大学アジア文化研究所研究年報

      巻: 58 ページ: 35-47

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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