研究課題/領域番号 |
22K02373
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
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研究機関 | 日本赤十字看護大学 |
研究代表者 |
渋谷 真樹 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (80324953)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 海外で学ぶ日本の子ども / 日本人学校 / 国際理解教育 / 現地理解教育 / 異文化間教育 / 海外子女教育 / アジア / 現地理解 / ポストコロナ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、I. アジアの日本人学校で学ぶ日本人児童生徒による在住国の人々や文化との接触や理解の状況と、II. 日本人学校が行っている現地理解教育の理念や実践を明らかにしたうえで、III.リスクを管理しつつ「グローバル型能力」を育成するための、ポストコロナ時代の海外子女教育の方針や方法を解明する。そのために、海外子女教育振興財団 海外子女文芸作品コンクール作品集『地球に学ぶ』計41集の作文分析や、Ⅱ-1 東京学芸大学国際教育センター『在外教育施設における指導実践記録集』 計42集の実践記録の分析、Ⅰ-2 卒業生インタビュー、Ⅱ-2 教員インタビュー、Ⅱ-3 日本人学校授業の見学を行う。
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研究実績の概要 |
本研究は、アジアの日本人学校で学ぶ日本人児童生徒を対象に、I. 海外子女の現地接触や理解と、 II. 日本人学校の現地理解教育の実態を実証的に明らかにしたうえで、III. ポストコロナ時代において、パンデミックや治安悪化といったリスクを管理しつつ現地との交流や異文化の理解を促していくための、海外子女教育の方針や方法を構想することを目的とする。2年目にあたる2023年度は、このうちIと IIを行った。 まず、I. 海外子女の現地接触や理解を明らかにするために、海外子女教育振興財団の発行する海外子女文芸作品コンクール作品集『地球に学ぶ』(1979~2021) 計41集をもとに、アジアの日本人学校で学ぶ日本人児童生徒は、どの程度在住国の人々や文化に触れ、どのような経験や学習をしているのかを分析した。さらに、東京学芸大学国際教育センターの発行する『在外教育施設における指導実践記録集』(1978~2021) 計42集をもとに、アジアの日本人学校では、どのような理念のもとに、いかなる現地理解教育を行っているのかを分析した。このうち、ミャンマーに関する分析を、”Japanese Students Understanding of Their Host Country: A Case Study of a Japanese School in Myanmar“としてWorld Education Research Associationで口頭発表した。 さらに、日本人学校で学んだ経験のある者4人に対して、現地の人や文化との接触経験や現地理解の阻害・促進要因などを質問するインタビューを行った。くわえて、日本人学校での教育経験のある者3人に対して、実践した現地理解教育(内容、方法、成果、課題など)をたずねるインタビューを行った。データ分析を同時並行して行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
海外子女文芸作品コンクール作品集からの日本人児童生徒の現地理解の分析、および、『在外教育施設における指導実践記録集』からのアジアの日本人学校における現地理解教育の分析については、ほぼ予定通り遂行できた。成果の一部は国内学会で発表予定だったが、国際学会で発表できたので、計画以上の成果であった。 これまでに日本人学校で学んだ経験のある者に対するインタビューは5人、日本人学校での教育経験のある者に対するインタビューは3人に完了し、現地理解教育の成果や課題、変遷についてデータ分析をすすめている。 日本人学校への訪問が実施できていないので、次年度は計画的に交渉をして、実現させる必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
児童生徒の作文や日本人学校教諭の実践記録については、今後の学会発表や論文投稿時にも補足的なデータとして利用していく。 日本人学校で学んだ経験のある者、および、日本人学校での教育経験のある者に対するインタビューは、次年度も引き続き進め、9月を目途にデータ収集を終える。同時にデータ分析をすすめていく。結果を国際学会で発表し、論文として投稿する予定である。 作文や実践記録、インタビュー調査に基づいて訪問する日本人学校を複数選定し、次年度前期中に調査依頼をする。訪問先では、授業を参観するとともに、現地理解教育の実践や課題について、複数の教員に聞き取りを行う。 上記を踏まえて、感染症や治安、反日感情などのリスクを管理しつつグローバルな能力を育成するための海外子女教育の方針や方法について考察していく。
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