研究課題/領域番号 |
22K02376
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
音山 若穂 群馬大学, 大学院教育学研究科, 教授 (40331300)
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研究分担者 |
利根川 智子 東京未来大学, こども心理学部, 准教授 (40352546)
上村 裕樹 聖和学園短期大学, 保育学科, 准教授 (90369265)
織田 栄子 聖霊女子短期大学, 生活文化科, 教授 (00279499)
三浦 主博 仙台白百合女子大学, 人間学部, 教授 (70310183)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 保育 / 保育研修 / リーダーシップ / ミドルリーダー / 対話型組織開発 / 養成課程 |
研究開始時の研究の概要 |
園内研修は保育の質向上には欠かせないが、現場では必ずしも専門家の指導助言を得られるとは限らず、保育者同士が自律的に学び合い洞察を深める協働が不可欠である。しかし現状では、園の課題を自ら析出し、その解決を目指すAppreciativeな研修の枠組みと、それを推進するリーダーシップを持つ保育者(ミドルリーダー)の育成が不十分な現状にある。 そこで本研究では、主に現職の保育者を対象として、①対話型組織開発の手法を援用した研修支援、およびミドルリーダーのリーダーシップ育成の基礎研究と指導法の開発、ならびに②園内研修における介入研究によりそれらの有効性を実証的に示すことを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究は、保育者を対象として対話型組織開発の手法を援用した研修支援、およびミドルリーダーのリーダーシップ育成の基礎研究と、指導法の開発と検証を目的とし、本年度は主に以下の成果を得た。 ①養成課程学生38名を対象として、保育場面を題材とした写真を用いたケースカンファレンスを行ない、自由記述の授業感想を分析した。その結果、写真の活用により場面理解が容易となったが、具体的なイメージを持つにつれ、さらに詳細な情報が求められたり、偏りの修正が必要な場合があったりすることも分かった。今後は切り取った場面情報だけでなく、背景的、文脈的情報の提供方法が課題となった(三浦ら,2023)。 ②養成課程学生13名を対象として写真を用いたケースカンファレンスを行ない、保育者省察尺度、協同作業認識尺度および自由記述の授業感想を分析した。その結果、両尺度とも有意差は見られなかったが、事後では保育者意識が高まる学生と、高まらない学生と、両極の学生が現れることが伺われ、演習の題材を複数用意するなどの配慮の必要性が伺われた(織田ら,2023)。 ③本研究では自らの園の実態を振り返り、課題を発見し、解決に向けて協働して取り組むという組織マネジメントの推進も課題としているが、この課題解決過程を「伴走型コンサルティング」として改めて概念化し、保育業務負担軽減で採用園が増えつつある保育ICTを、研修支援にも拡張子、システムを最適化することでその実現を検討した(上村ら,2023)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
養成課程ではリーダーシップ育成プログラムやケースカンファレンスを試行しており、その一部について報告した。保育現場でも同様にプログラムを開発し、ケースカンファレンスの試行を継続中である。また、ミドルリーダーへの積極的な介入による支援については、「伴走型コンサルティング」として概念化し、ICTを活用することでその実現をはかる可能性を見出している。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き養成課程および保育現場において実践を継続する。当初は研究実施2年目以降の保育現場での実践は、園の自立性を最大限に尊重し現場のニーズに応じた最小限の介入を行う構想であったが、実践園の実態を考慮した結果、伴走型コンサルティングによる継続的な支援のほうがより有効な介入方法であると考えられるため、「最小限の介入」を、「ICTを活用した伴走型コンサルティング」に置き換えて研究を推進することを考えている。
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