研究課題/領域番号 |
22K02393
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 佛教大学 |
研究代表者 |
松村 京子 佛教大学, 教育学部, 教授 (40173877)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 実行機能 / 児童 / 発達障害児 / リモートレッスン / 介入研究 / 定型発達児 |
研究開始時の研究の概要 |
STARTプログラムは筆者が開発したもので,教師の研修用のDVDが発売され(松村・医学映像教育センター,2011),その効果が実証されており,国際的にも評価されている(Imai-Matsumura & Schultz, 2021)。本研究では,従来,STARTプログラムの研修を受けた担任教師が行っていた指導を外部の専門家がリモートで行い,また,子どもとの対面で実施していた実行機能の課題測定をリモートで実施し,安全で学校に負担なく実施できる研究方法を構築する。本研究によって,国内外の離れた場所での実践・研究と,実行機能が低いことで知られる発達障害児への個別指導が可能となることが期待できる。
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研究実績の概要 |
感情,行動,思考の制御は,実行機能と呼ばれる脳内プロセスに依存している。そのため,実行機能は子どもの学力と対人関係の両方を左右する能力として欧米では注目されている。その感受期とされる就学前後の子どもを対象とした実行機能向上のための介入研究が盛んに行われているが,日本においてはあまり知られていない。そこで,筆者は北米の教育プログラムを参考に,実行機能を向上させるSocial Thinking & Academic Readiness Training (START) プログラムを開発し,子どもたちの実行機能の向上のために国内各地で介入研究を実施してきた。しかし,新型コロナウィルス・パンデミックの中,対面方式の介入研究を進めることは難しい。一方,学校では児童一人一台端末と高速通信環境のGIGAスクール構想が急速に進行しており,対面授業から大きく変化しつつある。そこで,従来,STARTプログラムの研修を受けた担任教師が行っていた指導を,外部の専門家がリモートで行い,また,これまで子どもとの対面で実施していた実行機能の課題測定をリモートで実施し,安全で学校に負担なく実施できる研究方法を構築する。 2022年度は、小学校通常学級及び特別支援学級でのリモート介入研究に向けての準備を行った。(1)STARTプログラムの各レッスンの改編については、学校の授業開始時または終了時のホームルームで使用できるように、従来のSTARTプログラムを10分程度のレッスンに短縮したシナリオを作成した。(2)リモートによる測定方法の検討については、授業時の教師の指示に対する児童の応答性の測定の準備は整った。しかし、実行機能の直接測定の測定ソフトについてはまだ検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実行機能の測定ソフトについて、CANTAB社の実行機能テストを使用する予定であった。しかし、ちょうど米国の有名な実行機能測定ソフトのNIH Toolboxが改訂され、こちらの利用を検討している。実際のソフトは3月に漸く公表されたばかりであるため、検討が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、小学校通常学級でのリモートによる介入研究を実施する。 1.2学期に,小学1年生を対象として,作成したビデオを使用してオンラインで指導を行う。朝の始業前か夕方の終業後に週2-3回,3週間視聴する。レッスンの内容は日常の様々な活動時に応用し,児童に定着させるように指導する。 2.プログラム開始前と終了後に,実行機能テストをiPadで実施する。また、授業時の児童の行動をリモートで撮影・録画し、各児童の教師に対する応答的行動を分析する。 3. 3学期にSTARTプログラムを実施する待機クラスを対照群とし,実施群と同様の測定を行う。
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