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読み聞かせボランティア支援および質向上のための研修プログラム開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K02401
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分09030:子ども学および保育学関連
研究機関大阪信愛学院大学

研究代表者

谷原 舞  大阪信愛学院大学, 教育学部教育学科, 講師 (00898207)

研究分担者 岡野 聡子  奈良学園大学, 人間教育学部, 准教授 (50623964)
小久保 圭一郎  倉敷市立短期大学, 保育学科, 教授 (10461774)
田中 卓也  育英大学, 教育学部, 教授 (90435040)
中島 眞吾  中部大学, 現代教育学部, 講師 (80781020)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
キーワード絵本 / 読み聞かせボランティア / 乳幼児 / 読書活動推進 / 地域福祉 / 子育て支援 / 研修プログラム / 読み聞かせ
研究開始時の研究の概要

本研究の目的は、読み聞かせボランティアを支援し、その質の向上を図るためのプログラムを開発することである。我が国では、読書活動推進の一環として図書館や児童館等における読み聞かせが盛んに行われており、乳幼児期における読み聞かせの重要性は世界的に検証されている。しかし、読み聞かせボランティアについては、公立図書館の乳幼児読書推進活動の成果を活用した育児支援の方法や、読書ボランティアの意義と課題に関する研究が見られるものの、読み手を支援する取り組みや質向上に言及した研究は管見するあたり見られない。本研究は、読み聞かせボランティアの実態調査を通して、質向上のための研修プログラムを開発する。

研究実績の概要

本研究は,実態調査を通して読み聞かせボランティアを支援し,その質の向上を図るためのプログラムを開発するものである。令和4年度に行った読み聞かせボランティアが抱える不安感・困難感とそれに対する支援(研修)に関するアンケート調査をもとに質問項目を精査し,令和5年度には全国調査を実施した。
6254件配布し,回収数は1329件,回収率は21.25%であった。有効回答数は1,281件,有効回答率は20.48%であった。得られた結果について,量的分析と質的分析を行った。
量的分析ではカイ二乗検定を行った結果,「活動上での困難さ」について,「絵本に関する知識不足」,「選書に関する知識不足」,「経験年数による意識や技量の差」が有意に多く,逆に「参加者に応じた選書の難しさ」は有意に少なかった。また,「保護者対応の難しさ」が5年未満の者で有意に少なく10年~20年未満の者で有意に多く,「グループ内の意識統一の難しさ」が20年以上の者で有意に多かったことなどから,経験年数により活動における役割の変化がうかがえた。さらに,グループ内の絵本の学び合いの機会の有無と「参加したい研修内容」の各項目をクロス集計し,フィッシャーの正確確立検定を行ったところ,学び合いの機会がない者が「言葉のリズムやノリを取り入れた絵本の活用を知る」項目の選択が多かったことから,研修などの実践の機会を通して直接学ぶ必要があると考察した。
質的分析では,a.選書の難しさ,b.絵本の知識不足に対する不安感,c.実践に対する不安感,d.保護者対応への不安感,e.参加者募集の難しさ,f.ボランティアとしてのあり方の6項目のカテゴリーが生成された。
以上より,読み聞かせボランティアの研修プログラムに取り入れるべき研修内容や,経験年数による対象者を明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

令和4年度に実施した読み聞かせボランティアが抱える不安感・困難感に関するの研究結果を踏まえ,質問紙の精査を行ったうえで全国調査を実施することができた。研修プログラムの構築については,①読み聞かせの意義と課題,②音読技術,③選書方法の3つのテーマについて,研究代表者,分担者とで研究を進めている。①読み聞かせの意義と課題については,前年度に実施した質問紙調査結果を質的コーディング分析することにより,ボランティア実施者が抱える意義を明らかにした。②音読技術については,日本語の絵本だけでなく,英語絵本の読み聞かせについて,保育学生を対象とした実践研究を行った。③選書方法については,選書に関する不安感・困難感で挙げられていた「良い絵本とは何か」に着目した研究を行った。さらに,前年度の読み聞かせボランティアが持つ不安感・困難感の質問紙調査結果をもとに,研修プログラムのモデルケースを提示した。
以上より,当初計画をしていた実態調査,実践研究,研修プログラムの構築まで進んでいる。

今後の研究の推進方策

令和5年度に構築した研修プログラム内容を具体化し,プログラムを実施し評価を行う。
研修内容は,これまでの質問紙調査で得られた結果から「読み聞かせボランティアの意義」,「良い絵本とは何か」,「ノリやリズムの取り入れ方」,「音読技術」,「人権やジェンダーに関する絵本の選び方」,「英語絵本の読み方や選書」,「保護者対応」,「チームビルディング」等を取り入れる予定である。募集の際は,令和5年度の全国調査結果を踏まえて,研修内容に応じて異なる経験年数の対象者とすることを検討している。
研修プログラム実施後に,参加者にはアンケート調査を行い,研修プログラムの効果検証を行ったうえで改善を図り,最終的な研修プログラムを確立する。現在,アンケートの作成と研究倫理申請のための準備を進めている。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (11件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (8件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 乳幼児対象の読み聞かせボランティアが抱く不安感・困難感の実態に基づく研修内容に関する予備的考察―アンケートの自由記述回答における不安感・困難感の分析から―2024

    • 著者名/発表者名
      谷原舞、岡野聡子、小久保圭一郎、中島眞吾
    • 雑誌名

      読書科学

      巻: 65(1) ページ: 45-56

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 絵本の読み聞かせボランティア活動の継続要因に関する研究-20年以上の経験を有するボランティアへのインタビューを通して-2023

    • 著者名/発表者名
      谷原 舞, 田中 卓也, 中島 眞吾, 小久保 圭一郎, 岡野 聡子
    • 雑誌名

      大阪信愛学院短期大学紀要

      巻: 57 ページ: 1-10

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] 絵本の読み聞かせボランティア活動の実態に関する研究―全国調査の分析から―2024

    • 著者名/発表者名
      岡野聡子、谷原舞、小久保圭一郎
    • 学会等名
      日本人間教育学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 絵本読み聞かせボランティアが抱える選書の困難さ「良い絵本とは何か」を探る2023

    • 著者名/発表者名
      小久保圭一郎
    • 学会等名
      日本保育学会第76回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 読み聞かせボランティア養成の変遷とその特徴2023

    • 著者名/発表者名
      野見山 直子、木本 有香、藤井 伊津子、田中 卓也
    • 学会等名
      日本保育学会第76回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 保育学生による英語絵本の読み聞かせ実践についてー英語原書と日本語訳書を併用してー2023

    • 著者名/発表者名
      中島眞吾
    • 学会等名
      日本保育学会第76回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 地域における読み聞かせボランティア活動の概念と効果に関する文献的検討2023

    • 著者名/発表者名
      谷原舞
    • 学会等名
      日本保育学会第76回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 乳幼児を対象とした絵本の読み聞かせボランティアを支援するための研修内容の検討2023

    • 著者名/発表者名
      岡野聡子、谷原舞、小久保圭一郎
    • 学会等名
      日本教師学学会第24回大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 読み聞かせボランティアが抱える困難さとその支援―質問紙による実態調査を通して―2022

    • 著者名/発表者名
      谷原 舞, 野見山 直子, 岡野 聡子, 小久保 圭一郎, 中島 眞吾, 加藤 緑, 田中 卓也
    • 学会等名
      日本保育学会第75回大会(ポスター発表 P-C-4)
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 絵本の読み聞かせボランティアの意義に関する研究―質問紙による実態調査を通して―2022

    • 著者名/発表者名
      谷原 舞, 小久保 圭一郎, 小川 知晶, 小田桐 早苗, 田中 卓也, 野見山 直子, 中島 眞吾, 加藤 緑, 岡野 聡子
    • 学会等名
      第66回日本読書学会大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 現場で役立つ保育実技 運動・ことば・音楽・造形あそびからSTEAM教育を取り入れた保育実践まで2023

    • 著者名/発表者名
      岡野聡子(編者・著者)、小久保圭一郎、田中卓也、谷原舞、中島眞吾ほか
    • 総ページ数
      110
    • 出版者
      ふくろう出版
    • ISBN
      9784861868849
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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