研究課題/領域番号 |
22K02421
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
香村 恵介 名城大学, 農学部, 准教授 (80735481)
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研究分担者 |
出村 友寛 仁愛大学, 人間生活学部, 准教授 (10634420)
喜屋武 享 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 助教 (40845343)
縄田 亮太 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (60551281)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 幼児 / 子ども / 運動能力 / 運動発達 / 体力・運動能力 / 妥当性 / 信頼性 / 評価基準値 / 運動スキル / プレゴールデンエイジ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、幼児の「運動発達の見える化」をすることがより身近になることを目指して、 簡便な幼児の運動能力測定法、評価・管理・共有システムを開発し、その効果を検討する。 2012年に幼児期運動指針が公表され、その中で幼児の運動能力測定も紹介されたが、普及していない現状にある。理由として、測定項目数が多いことに加え、現場だけで測定・評価・データの管理・共有までを負担なく行える方法が整っていないことが挙げられる。幼児の身体発育を測ることが日常的に行われているように、運動発達を測ることも日常的となる未来を見据えて、数項目で実施できる実用的かつ効果的な運動能力測定法を開発することを目的とする。
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研究実績の概要 |
我々は、幼児の運動能力測定をより短時間で、特別な用具を使用せず、狭いスペースでも実施できることを目指して、10m折り返し走と紙ボール投げを考案し、その妥当性および信頼性を検討した。 妥当性の検討は、4~6歳児71人を対象とした。既存の運動能力測定で最も信頼性・妥当性に優れた方法とされるTest of Gross Motor Development-3の移動技能得点(6項目の移動系テストスコアの合計点)とボール技能得点(7項目の操作系テストスコアの合計点)との収束的妥当性を検討した。検者間信頼性の検討には、3~6歳児91人を2人の検者が同一日にランダムに1回ずつ測定したデータを用いた。再テスト信頼性の検討のため、これらの対象者のうち53人は、7~10日後に同じ1人の検者によって再測定された。再テスト信頼性のデータセットを用いて、Bland-Altman分析による測定誤差の確認と最小可検変化量(MDC)の算出をした。 結果、10m折り返し走と移動技能得点には中程度の相関(ρ= -0.51)、紙ボール投げとボール技能得点には強い相関(ρ= 0.80)が認められた。検者間信頼性の級内相関係数(ICC)は、10m折り返し走が0.94、紙ボール投げが0.93であった。再テスト信頼性のICCは、10m折り返し走が0.95、紙ボール投げが0.93であった。Bland-Altman分析の結果、10m折り返し走にのみ平均-0.18秒の有意な固定誤差が確認されたが、それ以外の系統誤差は認められなかった。MDCは、10m折り返し走が0.82秒、紙ボール投げが1.53 mであった。 これらの研究成果から、10m折り返し走と紙ボール投げの2項目で、幼児の運動能力を中程度の妥当性と高い信頼性で測定できることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1年目に予定していた測定の妥当性および信頼性を評価することを、計画通り達成することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
現在、1年目の成果を研究論文としてまとめており、国際誌に投稿予定である。2年目となる2023年度は、測定の基準値を作成すること、評価システムを作成することを計画している。愛知県、京都市、静岡県で1園ずつの測定をすることが決まっているとともに、福井県の小浜市の全公立園での測定も調整中である。
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