研究課題/領域番号 |
22K02449
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 武蔵野美術大学 |
研究代表者 |
北 徹朗 武蔵野美術大学, 造形学部, 教授 (60570447)
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研究分担者 |
服部 由季夫 星槎大学, 共生科学部, 准教授 (70382562)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 赤白帽 / 帽子表面温度 / 帽子内温湿度 / 児童用帽子 / 暑熱環境 / 子ども / 小学生 / 保護者の熱中症に対する意識 / 表面温度 / デザイン開発 |
研究開始時の研究の概要 |
小学校における体育授業中の熱中症発生率は、中学校および高等学校等の4倍~9倍と高い割合になっている。現在、小学校教育の現場で使用される赤白帽は、33度程度の気温環境においてその表面温度が60度近くにまで達する(服部・北、2021)。この知見から、暑熱環境下で赤白帽を使用することによる熱中症リスクが指摘されており、新たな帽子の開発・提案は急務である。 本研究では申請者らの先行研究を踏まえ、小学校で用いられる赤白帽を改善するための資料を収集する。暑熱環境下でも帽子の表面温度や温湿度上昇を抑えることが可能な、新たな児童用帽子のデザインの開発・提案をすることが本研究の最終着地目標である。
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研究実績の概要 |
1年目は、被験者(児童2名)を用いた、赤白帽着用時の運動中における帽子内温湿度変化の計測、同じく深部体温の計測評価を試みた。その結果、先行研究では表面温度の状況しか明らかにされていなかったが、内側の温度の上昇も赤面の方が高温になることが確認された。 当初はアンケート調査を3年目に行う予定であったが、保護者に対する意識調査を1年目に行った。理由としては、研究1年目にあたる2022年は、各地で観測史上最高気温を更新し、特に2022年6月には東京都心の6月観測史上最高36.2度を記録したり、翌7月には6地点の同時に観測史上最高気温を記録するなど、5月以降の暑熱環境は深刻化しており、本研究の知見が社会に役立てられる可能性が益々高まっている。 さらには、同じ年に、今後数年以内に地球全体の気温が1.5℃以上上昇する可能性が指摘(GCP:グローバル・カーボン・プロジェクト)されるなど、暑熱環境は毎年深刻になることは確実と思われることから、保護者への啓発・教育を含めたアンケート調査(N=500)を初年度に行い、帽子作成の参考資料とするためのデータを早めに収集することに計画を一部前倒しし改めた。 小学生の子どもを持つ親(父親250名、母親250名)に対する調査の結果、7割程度の親は熱中症に関心や懸念を持っているが、その対策としては「こまめな水分補給」が圧倒的に多かった(約7割)ことや、特に熱中症対策を心がけていない親(無関心層)も見られた。本研究が着目している「帽子」や「着衣」については、関心度が低かったが、研究知見に関する情報とともに提示した設問では、約8割の親が「赤白帽は可能な限り高温にならない安全な色や素材に改めるべき」と回答した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では、1年目に①赤白及び他色を着帽した児童の帽子内温湿度変化の計測、②深部体温の計測評価、③先行研究と計測データに基づく児童用帽子プロトタイプの作成(1号)を完了させる予定だった。 前述の研究実績の概要に述べた通りの理由から、保護者に対するアンケート調査を当初の計画よりも前倒しして行った。そのため、ある面では研究が予定よりも進んでいるが、全体的にみるとやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
先行研究者や我々の知見データを取り入れた帽子(プロトタイプ)を作成し、暑熱環境下のフィールド検証を行う。 但し、天候に左右される実験であるため、人口暑熱環境下での予備データも収集する。いずれにしても、暑熱環境下でのヒトを用いたデータ収集により、帽子には調整を加えて実験を推進して行く。
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