研究課題/領域番号 |
22K02461
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 帝京大学 (2023) 鳥取大学 (2022) |
研究代表者 |
角南 直美 帝京大学, 文学部, 准教授 (70715359)
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研究分担者 |
前垣 義弘 鳥取大学, 医学部, 教授 (80252849)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 発達障害児 / 社会情動的スキル / 早期集団場面 / 効果的介入 / 保育者・教師のかかわり / 自然な環境 / 認知-解釈モデル / 教師のかかわり / 教師 |
研究開始時の研究の概要 |
OECDは幼児期・児童期に必要な資質・能力として「社会情動的スキル」を提示しているが,発達障害児の多くは社会性の困難や認知の偏りがみられその獲得が難しい状況にある。そこで本研究は,幼児期の発達障害児を対象に,行動を規定する認知-解釈プロセスを解明することを目的とする。具体的には,「子どもの解釈を問うシート」を作成し,仲間同士のトラブル場面において教師が使用することで,子どもの視点による「認知-解釈モデル」を明らかにする。その結果に基づき,効果的な教師介入プログラムを作成・実施し,「社会情動的スキル」の向上に寄与し得る介入方略を提示する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,発達障害傾向のみられる子ども(以下,発達障害児)の行動を規定する「認知-解釈モデル」を開発し,効果的な介入プログラムを作成・実施することである。OECDは幼児期・児童期に必要な資質・能力として「社会情動的スキル」を挙げているが,発達障害児の多くはその習得が困難な状況にある。発達障害が遺伝と環境の相互作用により発現する多因子疾患(Neuman et al.,2007)であることを踏まえると,より早期の集団場面における支援が必要である。その際,発達障害児の認知を理解することでより適切な支援が可能となると考えられる。 そこで,本研究では早期集団活動の場である保育所における子ども同士のトラブル場面での保育者のかかわりに着目して,発達障害児の認知-解釈を探求する。初年度は,「子どもの解釈を問うシート」を試作し5歳児を対象としたトラブル場面で試用した。2年目である本年は,以下4つの調査を実施した。第1に,5歳児と小学1年生に対し,「子どもの解釈を問うシート」の試用・検討を行った。第2に,年度当初と年度末に子どもの行動や社会性等を測定する4つの質問紙調査を実施した。第3に,各学期の終わりに保育者・教師に対するインタビュー調査を行い,シートを使用した感想およびその後のかかわりへの影響,子どもの様子や変化等について尋ねた。第4に,効果的なシートの使用方法や改善点についても検討した。シートに関する検討の結果,本シートは発達障害児に対して肯定的影響があること,保育者間における発達障害児を理解するための共有シートとしても使用可能であることが示唆された。次年度も継続的な使用効果を確認し,保育者や教師の意見を取り入れた完成版の作成を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
保育所/小学校の協力により継続的調査を実施することができたが,申請者の異動に伴う時間的制約のため,初年度と同等の参与観察および得られたデータの解析を行うことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
「子どもの認知-解釈を問うシート」について,保育者・教師の意見を取り入れ修正後,最終版を完成する。並行して,これまで得られた子どもの行動を測定する質問紙調査,保育者および教師への面接調査等のデータを分析しシートの効果を検討する。これらの結果を踏まえ,発達障害児の「認知-解釈モデル」を提案し,効果的な介入プログラムの作成・実施の準備を進めていく予定である。
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