研究課題/領域番号 |
22K02470
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 新潟医療福祉大学 |
研究代表者 |
多々良 俊哉 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 助教 (90804401)
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研究分担者 |
前田 史篤 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (00341157)
半田 知也 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (20383648)
阿部 春樹 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (40018875)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 眼位検査 / 眼球運動 / 視線解析 / 衝動性眼球運動 / 滑動性追従運動 / 輻湊 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では視線解析の技術を用いて,眼球運動時の両眼の視線の状態 (広義での眼位) を計測する装置を開発する。従来の眼球運動測定装置は電極の装着が必要なため小児には測定が難しく,また解析も煩雑であった。そこで本研究では視線解析の技術を応用することで眼球運動時の視線動態を精密に記録し,定量的眼位検査として評価できるか検討する。 また専用の解析プログラムを開発し,簡便でリアルタイムに評価が可能な客観的眼位検査システムの実用化についても検討する。これらが実用化できれば,将来,小児を対象とした視機能健診における客観的眼位検査へ応用することが期待できる。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は視線解析技術を応用し,眼球運動時の両眼の視線の状態 (広義での眼位) を計測する装置を開発することである。これにより従来の眼球運動記録方法では電極の装着などが必要なため測定が困難であった小児や発達障害児の記録が可能となると考えている。 2022年度は既存の視線解析技術を用いた視機能検査装置を改造することで,ポリグラフシステム,アンプフィルター,電極などを必要としないall-in-oneの眼球運動記録装置を作成した。本装置の特徴は視覚シミュレーション装置,刺激提示モニター,2つのアイトラッキングシステム(両眼用)を1つのボディに搭載していることであり,眼球運動を誘発する刺激の生成および,眼球運動の時系列データの記録が1台の機械で可能な点である。 現在,本機器を用いた健常成人の眼球運動の測定を進めており,水平ないし垂直20°の範囲を一定速度で動く刺激と,視線との一致性の評価を行っている。なお一致性の評価において,視線と視標の移動にはLagがあるため,Lagを考慮した波形の一致性を調べるために相互相関係数の最大値を求めている。現在までに測定した被検者の水平方向と垂直方向の眼球運動の際の両眼の視線位置の相互相関係数の最大値はLagが0の時に水平,垂直がそれぞれ 0.995±0.008,0.967±0.062であったことから,両眼同時記録のシステムに問題はないことが明らかとなっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は当初の計画通り視線解析技術を応用した眼球運動検査装置の開発を行った。本機器にて測定した両眼の視線位置の相互相関係数の最大値はLagが0の時に水平,垂直それぞれ0.995±0.008,0.967±0.062であり,両眼同時記録のシステムに問題がないことが明らかとなった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は視標と視線位置の一致性について相互相関係数を用いて求める。得られた相互相関係数の最大値と衝動性眼球運動や滑動性追従運動の出現頻度との関係性を調べることで,視標と視線の一致性が高い被検者の特徴を明らかにする。またこれらについて,視標速度の違いによる変化も合わせて検討する。2023年度は健常成人の測定および得られたデータの解析を行う。
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