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芸術によるグローバル・コンピテンシーを育む異文化間小学校教員養成プログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K02495
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
研究機関広島大学

研究代表者

中村 和世  広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (20363004)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワード小学校教員養成 / グローバル・コンピテンシー / 芸術 / グローバル市民 / 図画工作 / 国際協働 / 教員養成 / 研究者養成 / 美術 / オンライン / 異文化
研究開始時の研究の概要

カナダのコンコーディア大学と米国のインディアナ大学東アジア研究所との国際協働により、グローバル・コンピテンシーを育成する小学校教員養成プログラムを開発する。第1に、海外の先進事例の調査、並びに、国際交流に実績がある日米の小中高等学校教員を対象としたインタビュー調査等を通して養成段階で育成すべき教員のグローバル・コンピテンシーの明確化を図る。第2に、ユネスコのグローバル市民教育で推奨される「芸術に基づく探求」アプローチを用いて学部段階のプログラムを開発する。第3に、国際的視野を持ったスクール・リーダー養成の視点から大学院段階のプログラムを開発する。オンラインによる3国交流を特徴とした提案を行う。

研究実績の概要

小学校教員養成の学部段階におけるグローバル・コンピテンシー育成のための「芸術に基づく探究」の学習原理の明確化を目的として実施した授業科目「図画工作科学習指導論」の受講生40名を対象としたパイロット・スタディとアクション・リサーチから得られた質的データを分析した。分析の観点は、①教育観の変化、②獲得されたグローバル・コンピテンシー、③新しく形成された興味や意欲である。新しく得られた教育観には、①外国にいる他者とつながりを生み出し共に生きる力、②多文化共生を導く人間性を育てる必要性、③グローバルな視野から教職や日常を捉え直す力、④異なる価値観を認識・尊重し、関係を構築する力、⑤自ら行動を起こすことの大切さ、⑥普遍的な人間性に対する認識、⑦自己の確たる教職観をもつことの大切さ、⑧文化の違いではなく個人の違いとして捉えられる力などがある。獲得されたコンピテンシーには、①価値観や文化の違いを感受できる力、②困難克服のために異国の他者と協働できる力、③相互の文化を尊重する姿勢、④協調性、⑤真正のコミュニケーションを成立させる力、⑥未知に挑戦する姿勢、⑦解決策をその場で生み出していく柔軟な思考力、⑧自己と向き合う力、⑨不確実なものや未解決のものを受容する能力などがある。新しく形成された興味や意欲のトピックは、①外国語の勉強、②海外の学生との交流継続、③海外の教育、芸術、生活を学ぶこと、④国際感覚を磨き、自己を変えることなどである。研究参加者の多くは、価値観や性格といった内面性を表す芸術の言語機能の利点を自らの体験により実感し、国際理解と結びついた図画工作科の学習指導の具体的なイメージを発展させたことが示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

大学院段階におけるグローバル・コンピテンシー育成のための「芸術に基づく探究」の学習原理の明確化を目的とした大学院授業科目におけるアクション・リサーチを研究協力者であるカナダのA.Sinner教授と2023年度12月から2024年度2月に計画していたが、A.Sinner教授がコンコーディア大学からブリティッシュ・コロンビア大学に異動となったため、中止となり、2024年度に実施予定となった。

今後の研究の推進方策

これまでの学部段階を対象としたアクション・リサーチから、以下の学習内容の構成がグローバル・コンピテンシー育成のために有効であることが示されている。
(1)海外の大学の教員養成に所属する学生とオンラインで交流し、協働による作品制作に取り組むこと。(2)海外の小中高等学校で、グローバル課題を視野に入れた美術教育の実践開発に経験のある教師の体験談を聞き、交流すること。(3)地域(広島県)の小学校で、グローバル課題を視野に入れた美術教育の実践開発に経験のある教師の体験談を聞き、交流すること。(4)授業を通じた国際交流を中心とする学習を踏まえて、国際理解のための美術教育の学習指導案を受講生である留学生とのチームにより作成すること。次年度は、SDGsの文化面に関わる平和、文化的多様性などの異文化間共通のトピックに焦点を絞り、上記(4)を地域の学校との連携で行い、効果を測ることを計画している。
今年度、実施予定であった大学院段階におけるグローバル・コンピテンシー育成のための「芸術に基づく探究」の学習原理の明確化を目的としたアクション・リサーチは、A.Sinner教授が所属するブリティッシュ・コロンビア大学を協力校として2024年度に実施することを計画している。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2024 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] コンコーディア大学(カナダ)

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [国際共同研究] シカゴ大学実験学校(米国)

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [国際共同研究] Concordia University(カナダ)

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [国際共同研究] Academy of Science & Entrepreneurship/U of C Laboratory Schools(米国)

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] Transnational tomorrows today: Graduate student futures and imaginaries for art education2022

    • 著者名/発表者名
      Anita Sinner, Kazuyo Nakamura, Elly Yazdanpanah
    • 雑誌名

      Observatory Multi-Disciplinary Research in the Arts

      巻: 1 ページ: 1-7

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] ユネスコ・フレームワークを踏まえた国際理解のための美術教育の実践開発2024

    • 著者名/発表者名
      中村和世
    • 学会等名
      第46回美術科教育学会弘前大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] グローバル市民を考える芸術による国際協働プロジェクト2023

    • 著者名/発表者名
      中村和世 姜家晨 李叢懋 和田幹 ナタリー・パブリック
    • 学会等名
      美術科教育学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] Arts Education A Global Affair2023

    • 著者名/発表者名
      Anita Sinner, Kazuyo Nakamura, Natalie Pavlik, Congmao Li, Nao Kameishi, and Motoki Wada
    • 総ページ数
      17
    • 出版者
      Brill
    • ISBN
      9789004685246
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [備考] Chapter 16 Hiroshima-Concordia

    • URL

      https://brill.com/display/book/9789004685253/BP000028.xml

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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