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カーボンニュートラル概念獲得を志向した次世代エネルギー教材の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K02512
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
研究機関弘前大学

研究代表者

長南 幸安  弘前大学, 教育学部, 教授 (30250674)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワードカーボンニュートラル / メタンハイドレート / クリーンエネルギー / 水蒸気改質 / 水素エネルギー / アンモニア燃料 / カーボンフリー燃料 / 炭素循環 / バイオエタノール / クルーンエネルギークルーンエネルギー / ライフサイクルアセスメント
研究開始時の研究の概要

目的を達成するために、以下の事項に関する調査及び教材化とその検証を行う。
1)再生可能エネルギ-としての「バイオエタノール」の教材開発:食料と競合せず、広い地域で栽培可能なスイートソルガムの発酵を用いたバイオエタノールの教材化
2)クリーンなエネルギーとしての「水素」の教材開発:水素の製造をカーボンオフセットとして実感できるバイオマスからの微生物発酵による方法を用いた教材の開発
3)先進的かつ環境負荷が低い化石燃料技術としての「メタンハイドレート」の教材開発:「燃える氷」として実感できる安価で安全かつ簡便なメタンハイドレートの製造方法の開発

研究実績の概要

本研究の目的は、地球温暖化問題解決のために必要な温室効果ガス削減を実現する上で重要な概念である「カーボンニュートラル」(炭素循環)獲得を考慮した次世代エネルギー技術を教育現場で実践・実感できるエネルギー教材を新たに開発することである。
今年度の成果の1点目として前年度開発したメタンハイドレートの教材の改良と実践を行った。メタンハイドレートを90分以内という短時間で合成する方法を開発したものである。この教材を用いて、高等学校において授業実践を行い、教材の検証を行った。
二つ目の成果として、「水素」製造の教材化である。電気利用による水素の製造は、コスト的・エネルギー的に効率が悪く、現在はメタンと水からの水蒸気改質という方法で製造されている。この水蒸気改質の教材化に前年度は成功していたが、発生する水素の量が少なく効率が悪い条件であった。今年度は、水蒸気改質に用いる触媒を事前にメタンと加熱することで、水素の発生量が増加する条件を見いだした。
三つ目に水素の発生方法として、林檎ジュース製造時の産業廃棄物である搾汁残渣から生物発酵による水素製造の教材化を行った。既に生物発酵による水素製造の教材は、市販されているが、価格が高い。それをペットボトルなどの身近な材料を使い、安価で簡易な教材化に成功した。四つ目として次世代燃料として近年開発が進んでいる「アンモニア」の教材化である。前年度、アンモニアが注目されるメリットを液化・運搬という観点から学習できる教材を考案していた。その教材を高等学校において授業実践を行い、教材の検証を行った。
五つ目は、二酸化炭素の削減方法についてである。二酸化炭素の回収・貯留の「海底貯留方式」に着目した。海底の低温・高圧で安定した状態を保つことができるガスハイドレート化を、簡易的かつ短時間で二酸化炭素ハイドレートの生成の教材化を検討した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

二年目の成果としては、計画通りの進度で進められたと考えている。根拠として、先ずはメタンハイドレートの教材化であるが、従来本研究室では簡易で短時間の合成方法を開発しており、その実験手順や実験条件を検討することで、初年度は90分以内という時間まで短縮することが出来た。この教材を、学校教育現場において授業実践を行い、予定通りに検証することが出来た。
次にカーボンニュートラル実現のためカーボンフリーな燃料として注目されている「水素」と「アンモニア」についてである。この研究の目的である最新の科学技術を実感できる実験教材の開発という理念に適した実験の開発とその改良に成功することが出来た。水素については、電気分解ではなく、水蒸気改質という方法で供給されていることを実感出来る教材の触媒改良による効率化と、林檎搾汁残渣の生物発酵による「バイオ水素」の教材化開発、アンモニアに関してはそのメリットである物性と燃料として機能性の確認が出来る教授方法の実践も計画通りに達成できた。

今後の研究の推進方策

1)メタンハイドレートの教材化においては、高い再現性は得られているが、失敗することなく確実に合成できる実験方法の更なる検討を行う。またこの教材を用いた授業実践を進め検証を行い、教育現場でも活用できるような教材へのブラッシュアップを図る。
2)カーボンニュートラル(炭素循環)が実感できるバイオ燃料の教材開発と改良を行う。既に糖含有植物でありエネルギー作物であるスイートソルガムを素材としたバイオエタノールとしての研究は開発しているが、この得られたバイオエタノールのエネルギー教材として適したエネルギー変換方法の教材化を進める。
3)クリーンなエネルギーとしての「水素」の教材開発と検証を進める。現在は、現状の主な製造方法・供給方法である水蒸気改質の教材化へ実験室レベルでの実験方法は見いだせたので、教育現場での実践を通して、その改良・克服に努める。また開発した水素発酵によるバイオ水素の生成という最新の科学技術を実感できる実験方法の改良を進める。
4)カーボンフリー燃料として注目をされている「アンモニア」の物性と燃料として性能についての教材化の改良と実践を進める。教育現場での活用には、化学物質としての安全性や燃焼実験での安全性など解決すべき課題があるので、それらに配慮した実践を行い検証する。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (37件)

すべて 2024 2023 2022 その他

すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (22件) (うち国際学会 2件) 備考 (6件)

  • [雑誌論文] 教材化を目指したメタンハイドレートの短時間生成の検討2024

    • 著者名/発表者名
      杉江瞬, 和田幸恵, 福岡裕真, 長南幸安
    • 雑誌名

      弘前大学大学院地域社会研究科年報

      巻: 2020 ページ: 3-16

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 中学校教科書における水素やエネルギー資源の取り扱いについて―理科教科書の調査―2023

    • 著者名/発表者名
      杉江瞬, 小林春樹, 長南幸安
    • 雑誌名

      弘前大学教育学部紀要

      巻: 129 ページ: 41-47

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 放射線に関するリカレント教育のための預託実効線量解析-福島県浜通り地区の食品検査結果を基に2022

    • 著者名/発表者名
      保屋野雄太, 小倉巧也, 長南幸安
    • 雑誌名

      日本理科教育学会東北支部大会発表論文集

      巻: 61 ページ: 15-15

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 簡易的な実験手順による水蒸気改質方法の検討2022

    • 著者名/発表者名
      杉江瞬, 小林春樹, 長南幸安
    • 雑誌名

      日本理科教育学会東北支部大会発表論文集

      巻: 61 ページ: 26-26

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 金コロイド呈色法を用いた水銀の生物濃縮実験2022

    • 著者名/発表者名
      長南幸安, 山本亮真, 荻峻秀
    • 雑誌名

      日本理科教育学会東北支部大会発表論文集

      巻: 61 ページ: 16-16

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 教員養成と教員研修におけるマイクロスケール実験普及への取り組み2022

    • 著者名/発表者名
      長南幸安,杉江瞬
    • 雑誌名

      日本理科教育学会全国大会発表論文集

      巻: 20 ページ: 92-92

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 有機物残渣の熱分解による水素生成実験教材の開発2022

    • 著者名/発表者名
      杉江瞬, 山下慶祐, 長南幸安
    • 雑誌名

      日本理科教育学会全国大会発表論文集

      巻: 20 ページ: 253-253

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] バグダッド電池の作製実験2022

    • 著者名/発表者名
      長南幸安, 五十嵐瑞彰, 三上雅貴
    • 雑誌名

      令和4年度化学系学協会東北大会講演予稿集

      巻: - ページ: 347-347

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 東北地域における年長児を対象とした氷雪実験2022

    • 著者名/発表者名
      杉江瞬, 長南幸安
    • 雑誌名

      令和4年度化学系学協会東北大会講演予稿集

      巻: - ページ: 345-346

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] アンモニアのエネルギー資源利用に関する授業実践2024

    • 著者名/発表者名
      杉江 瞬, 寺口侑真, 長南 幸安
    • 学会等名
      日本化学会第104春季年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ヒ素の生物濃縮を実感できる実験方法の開発2024

    • 著者名/発表者名
      長南幸安, 杉山朝洋
    • 学会等名
      日本化学会第104春季年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] エネルギー教育からの地層処分へのアプローチ2024

    • 著者名/発表者名
      杉江瞬, 長南幸安
    • 学会等名
      NUMO教育関係者等を対象とした授業研究支援 全国研修会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ヒ素の生物濃縮を実感できる実験方法の検討2023

    • 著者名/発表者名
      長南幸安, 杉山朝洋
    • 学会等名
      第7回日本環境教育学会東北支部大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 二酸化炭素貯留を目的とした CO2ハイドレートの合成実験2023

    • 著者名/発表者名
      杉江瞬, 水上匠, 長南幸安
    • 学会等名
      第7回日本環境教育学会東北支部大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 次世代エネルギーとしてのアンモニアの教材化の検討2023

    • 著者名/発表者名
      寺口侑真, 杉江瞬, 水上匠, 長南幸安
    • 学会等名
      第7回日本環境教育学会東北支部大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 福島県富岡町における環境放射能の半減期推定2023

    • 著者名/発表者名
      勝又理帆, 小倉巧也, 長南幸安
    • 学会等名
      第7回日本環境教育学会東北支部大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 学校教育向けクルックス管からの漏洩 X 線量評価2023

    • 著者名/発表者名
      能登谷もも, 小倉巧也, 長南幸安
    • 学会等名
      第7回日本環境教育学会東北支部大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] リンゴ搾汁残渣を使用した水素発生実験の教材改良2023

    • 著者名/発表者名
      戸賀澤亜未, 長南幸安
    • 学会等名
      第7回日本環境教育学会東北支部大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] シュリーレン現象の教科書実験及びマイクロスケール実験の比較・考察2023

    • 著者名/発表者名
      長南幸安, 室津史乃
    • 学会等名
      日本理科教育学会第62回東北支部大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] アンモニア燃料の教材化の検討2023

    • 著者名/発表者名
      杉江瞬, 長南幸安
    • 学会等名
      令和 5 年度化学系学協会東北大会および 日本化学会東北支部 80 周年記念国際会議
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] メタンハイドレートの簡易的な短時間生成方法の検討2023

    • 著者名/発表者名
      杉江 瞬,長南幸安
    • 学会等名
      材料技術研究協会 International Student Symposium 2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 授業実践を目的とした水蒸気改質法の検討2023

    • 著者名/発表者名
      杉江 瞬, 小林 春樹, 長南 幸安
    • 学会等名
      日本化学会第103春季年会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 金コロイド呈色法を用いた水銀の生物濃縮検出実験の開発2023

    • 著者名/発表者名
      長南 幸安, 工藤 龍之介, 山本 亮真, 荻 峻秀, 杉江 瞬
    • 学会等名
      日本化学会第103春季年会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 水産高校授業実践報告 エネルギー資源と使用後の後処理 現役教員との授業構成比較2023

    • 著者名/発表者名
      杉江瞬, 田代拓, 長南幸安
    • 学会等名
      NUMO 2022年度全国研修会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 放射線に関するリカレント教育のための預託実効線量解析 福島県浜通り地区の食品検査結果を基に2022

    • 著者名/発表者名
      保屋野雄太, 小倉巧也, 長南幸安
    • 学会等名
      日本理科教育学会第61回東北支部大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 簡易的な実験手順による水蒸気改質方法の検討2022

    • 著者名/発表者名
      杉江瞬, 小林春樹, 長南幸安
    • 学会等名
      日本理科教育学会第61回東北支部大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 金コロイド呈色法を用いた水銀の生物濃縮実験2022

    • 著者名/発表者名
      長南幸安, 山本亮真, 荻峻秀
    • 学会等名
      日本理科教育学会第61回東北支部大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 教員養成と教員研修におけるマイクロスケール実験普及への取り組み2022

    • 著者名/発表者名
      長南幸安, 杉江瞬
    • 学会等名
      日本理科教育学会第72回全国大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 有機物残渣の熱分解による水素生成実験教材の開発2022

    • 著者名/発表者名
      杉江瞬, 山下慶祐, 長南幸安
    • 学会等名
      日本理科教育学会第72回全国大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 東北地域における年長児を対象とした氷雪実験2022

    • 著者名/発表者名
      杉江瞬, 長南幸安
    • 学会等名
      令和4年度化学教育研究協議会東北大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] バグダッド電池の作製実験2022

    • 著者名/発表者名
      長南幸安, 五十嵐瑞彰, 三上雅貴
    • 学会等名
      令和4年度化学教育研究協議会東北大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [備考] 研究紹介1

    • URL

      https://youtu.be/XUQe5Pu9Gxg

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [備考] 研究紹介2

    • URL

      https://youtu.be/-gmPI1wFwjk

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [備考] エネルギーに関心を持ってもらう次世代を育成する研究

    • URL

      https://www.hiromaga.com/20220905-10248/

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [備考] 最先端研究紹介 「再生可能エネルギー」 エネルギーに関心を持ってもらう 次世代を育成する研究

    • URL

      https://www.hiromaga.com/20220905-10248/

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [備考] 研究紹介2

    • URL

      https://youtu.be/-gmPI1wFwjk

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [備考] 研究紹介1

    • URL

      https://youtu.be/XUQe5Pu9Gxg

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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