研究課題/領域番号 |
22K02515
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
佐々木 剛 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (10432064)
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研究分担者 |
芳賀 穣 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (00432063)
遠藤 雅人 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (80397075)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | STEAM / アクアポニックス / 関係価値 / 科学的探究力 / 思考力・判断力・表現力 / BUIKシステム / 食品残渣 / ブルーエコノミー / 探究学習 / STEAMプログラム / 微生物発酵 / 持続可能な社会の創り手 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,「探究活動」を導入する学校教育向けに,微生物発酵(BUIK)技術による食品残渣由来餌料を活用した養殖魚と野菜を生産するアクアポニックス(FRUA: Food Residue Used Aquaponics)システムを開発する。FRUAは,養殖場の環境負荷を低減させ,食品残渣廃棄源の大半を占める都市部における食品ロスの有効活用につなげる。さらに,このような持続可能な社会を目指す実践的技術を用いて,児童・生徒にSTEAMプログラムを提供し,評価研究を行うことで,「持続可能な社会の創り手」育成の推進に貢献する。
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研究実績の概要 |
学習指導要領において「探究学習」の重要性が強調され,社会的要請も高まっている。一方,世界人口が増大する中,ブルーエコノミーに対応したアクアポニックス等の環境に配慮した養殖魚生産の需要が増している。全世界で生産された食料の3分の1にあたる13億トン/年が食品ロスとなり,その大半は,人口が集中する都市で排出されている。2022年度は,(1)微生物発酵技術による「食品残渣」を活用したアクアポニックス技術を開発した。2023年度は,この技術を基に (2)児童・生徒が協働的に持続な社会のあり方を探究する「STEAM教育プログラム」をあらたに開発し, 中学生約200名を対象に教育実践を行った。大学生ファシリテーターの育成も行い,探究学習の講師育成のシステムにつなげることができた。さらに,(3) STEAMスキルの指標を開発・評価を実施した。本研究成果は,国内外の学会にて発表を行った。本研究成果は,「持続可能な社会の創り手」育成の研究推進に貢献するものと期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度開発したアクアポニックスSETAMプログラムを用いて,中学校における教育実践・評価を行うとともに,国内外において研究発表を実施した。
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今後の研究の推進方策 |
対象種の採集・養殖・栽培・観察・喫食を通し,「生徒児童の数学的・科学的な知識・技能,科学的探究力(思考力・表現力・判断力),創造性,課題解決力を育成する」とともに,食を通して自然と人間との関わりに存在する「関係価値」を認識する力を育成する(以下,STEAMスキルとする)ことを目的とした。学校教育におけるアクアポニックスを用いたSTEAM教育は,日本の他,アメリカやヨーロッパをはじめとした国内外の小中高等学校で行われているが,技術開発が中心であり教育効果の測定は十分に行われていなかった。本研究によって,FRUA-STEAMプログラムの有効性が検証されるとともに,STEAMスキルを育む「探究学習」プログラムは,全国各地の探究活動の推進に大きく貢献できるであろう。本プログラムは,①これまで実践的に取り組んできたラーニングサイクル理論や,十字モデルワークシートの研究成果を活かし,汎用性のある「探究学習」プログラムとすることができた。本プログラムを活用して,大学生ファシリテーター学校現場に出向し探究学習を推進することも可能であり,様々な学び場の実態にあわせた導入方法の提案が可能である。本プログラムによって,全国の児童・生徒と双方向につながり「探究学習」を提供する事が可能となり,波及効果が期待される。
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