研究課題/領域番号 |
22K02546
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
|
研究機関 | 武庫川女子大学 |
研究代表者 |
森脇 健夫 武庫川女子大学, 教育総合研究所, 教授 (20174469)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | めあて・ふりかえり / めあてとの対話=授業づくり / 教育内容研究と子ども理解の結節点 / 選択と集中 / 自己内対話としてのふりかえり / ふりかえり / リフレクション / AARサイクル / ふりかえりの理論的系譜 / AAR 学習 / reflection / 熟練教師 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて、学習者が自律AAR{Anticipation(予想)-Action(行動)-Reflection(省察))}のサイクルをより高次の目標に向かって自身で廻すためにどのような指導・支援方法が適切か探究するものである。その際 、省察の質の向上に焦点を当てる 。 この省察は学校現場、授業においてはふりかえりとして行われる。本研究では、授業におけるふりかえりの質を高めることを通して、AARのレベルを上げ、主体的・対話的で深い学びが実現できるよう、熟練教師の技法に学びつつ授業実践を構築し、実験授業を行いその効果を実証しようとするものである。
|
研究実績の概要 |
2022年度の研究は、主にAARサイクルのR(Reflection)に焦点化し、その理論的系譜を追い、現代の学校教育における授業研究に対する示唆を明らかにした。主な系譜として①PDCAの系②J.Deweyから連なる経験学習の系譜、そして③自己調整学習の系譜を取り上げ、とくに「(学習)経験の連続性」「メタ認知」の重要性の意義を確認した。 2023年度は上の理論的整理を受けて、実践現場におけるReflection(ふりかえり)の実践づくりにかかわり、その機能、効果を検証した。具体的には、小中学校の二人の教師が公開研究会に向けて指導案の検討と修正を行っていく過程にかかわり、そこで出会った問題をともに考え、解決する中でふりかえりの意義や意味を再度確認したり新たな発見をすることができた。その成果は、「めあて・ふりかえりの改善を起点とした授業改善ーAさんBさんはどのように授業づくりを進めたか」武庫川女子大学大学院臨床教育学研究科『臨床教育学研究』30号2024年3月に詳しく論じた。 ふりかえりの実施については、「そうすべきだ」という認識は一般的に共有されているが、タイムマネジメントの問題等で予定されていても実施できていないのが現状である。指導案づくりの過程においても、ふりかえりは「付け足し」感覚が強く、その真の意義や意味についての深い認識にまでは至っていない。Aさん、Bさんの授業づくりにかかわって、実際に教師がふりかえりについてどんな問題に直面するのか、それをどう乗り越えていくのか、にかかわれたことはとても貴重な経験だった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度の理論的系譜の整理から一転、学校現場での授業づくりに即してめあて・ふりかえりの問題を検討することができた。授業者の授業づくりの過程において、めあて・ふりかえりの修正・改善に研究者としてかかわることができた。具体的には、授業者の疑問に答えるという形で参加することができた。 理論的空間においては、きれいに整理されてしまうが、授業実践はまさにさまざまな要因が絡み合う空間であり、その中でめあて・ふりかえりの意義や意味を検討できたことは、とても貴重な経験だった。
|
今後の研究の推進方策 |
一年目の理論的系譜の整理、そして二年目の学校実践現場における授業づくりを経て、三年目(最終年度)の今年度(2024年度)では、学校を舞台にしためあて・ふりかえりの研究をする予定である。学校には、さまざまな経験を持つ教師が集い、それぞれの授業観も異なっている。めあて・ふりかえりを研究主題にしている小学校(3校)にかかわり、それぞれの学校の授業改革がどのように行われるか、教師たちは何を学び、どのように授業実践に活かそうとするのか、子どもたちはそのことによってどう変化したのか、それを教師はどのように受け止めたか、の論点に従って研究を進めていきたい。
|