研究課題/領域番号 |
22K02549
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
枝川 一也 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (20243529)
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研究分担者 |
大野内 愛 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (60710697)
伊藤 真 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (70455046)
小長野 隆太 広島修道大学, 人文学部, 准教授 (60452603)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | オペラ制作 / プロジェクト型学習 / 課題解決型学習 / オペラ / 教員養成 / 問題解決能力 / 指導による働きかけ / プロジェクト学習 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,文部科学省は目指すべき教職員の姿について,環境への適応,探究心,自律,継続,協働をキーワードとしている。そうした資質・能力を培う方法としてプロジェクト型学習(課題解決型学習)に着目する。申請者は勤務校においてオペラ制作に関わる科目を担当しており,この授業はまさにプロジェクト型学習の科目と言える。本科目の学習者へのインタビュー調査を行い,プロセスに着目して質的に分析することにより,プロジェクト学習におけるオペラ制作の学習者の学びのプロセスと,それに関連する指導者のファシリテートの存在を明らかにするとともに,先行研究とも照らし合わせ,方法論を体系化することを目的とする。
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研究実績の概要 |
令和5年度は,プロジェクト型学習としてのオペラ制作について,4月と11月に定期的な公演を実施し,学習者への継続的なアンケート調査を行った。4月はモーツァルト作曲「フィガロの結婚」,11月はJ.シュトラウス2世作曲「こうもり」を題材とし,指導者によるファシリテートのあり方を検討した。特に11月の公演に関連して,複数のアウトリーチ公演を計画・実施し,指導者の方向づけのあり方の1つとして,アウトリーチ公演による効果を検証した。その結果,アウトリーチ公演への企画・準備・公演を実施することにより,学習者の学びの拡大として,教育者としての視点,オペラ制作のリーダーとしての視点を獲得していることが明らかとなった。 しかしながら,アウトリーチ公演に参加した学習者は,オペラ制作のメンバーのうちの10名程度,また,何度もオペラ制作を経験した,いわば熟練した学習者であったことから,今後経験の浅い学習者ではどのような効果が得られるのかという課題が残った。 また,アウトリーチ公演のあり方という視点から,令和4年度末に実施したイタリアでのアウトリーチオペラ公演の視察を行ったため,その実施形態や実施方法を分析し,今後の研究の方向性を検討した。オペラの聴衆をオペラの世界に誘う方法として,聴衆参加型の公演を体験することができ,これをプロジェクト型学習としてのオペラ制作にどのように活かすことができるかを考えた。オペラ制作は,自分たちの活動そのものが目的であることはもちろんだが,聴衆へのパフォーマンスを考えることも大変重要な視点である。こうしたアイデアを指導者は学習者にどのようなタイミングで与え,学習者らの思考を揺さぶるのかを検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予想以上に業務が多忙化し,予定していた他大学への視察を実施することができなかった。 継続的なオペラ制作と,学習者へのアンケート調査は実施しているため,今後,その分析に加え,他大学への視察を実施していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は,これまで継続的に実施してきたオペラ制作の学習者へのアンケートをまとめて分析することに加え,これまで実施できなかった他大学への視察を実施し,複数の教育機関でのオペラ制作の実態を捉えた上で,その教育的効果を探り,プロジェクト型学習としてのオペラ制作を体系化していく。
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