研究課題/領域番号 |
22K02550
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
山本 茂喜 香川大学, 教育学部, 教授 (00182626)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 自己評価 / ビジュアル・ツール / 思考ツール / ストーリーマップ / 物語論 / ナラティブ / 授業デザイン / ナラトロジー |
研究開始時の研究の概要 |
物語論に基づくストーリーマップを活用し、単元における「問題と解決」、活用される「資質・能力」「見方・考え方」を視覚化した授業デザインの為の「単元マップ」を開発する。 次いで学習者が自らの学びを「物語」として振り返る為の「物語自己評価シート」を開発する。 探究・課題解決を主眼とする授業デザインのためのマップと、それを学習者が「物語」として振り返るシートを併せ一体化したパッケージを開発する。ビジュアルツールには学習者の思考過程が視覚化されているため問題解決の思考過程に沿った自己評価が可能であり、「資質・能力」や「見方・考え方」が明示されているため次の学習への効果的なフィードバックが期待される。
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研究実績の概要 |
1,『思考ツール×物語論で国語の授業デザイン』(東洋館出版社,2022.7)を公刊した。これは小学校・中学校の文学教材について、思考ツールを活用して物語の仕組みに迫ることによって物語の読みを深めるというものである。その中に「第3章 授業デザインと振り返りの方法」として、物語の構造に基づく「ストーリーマップによる授業デザイン」としての「単元マップ」と「授業デザインマップ」の具体的な方法と実践例を述べた。また、「ストーリーマップによる学習の振り返り」として、「振り返りキャラクターマップ」と「振り返りストーリーマップ」について具体的なモデルを示すとともに実践例を示した。 2,「中学校国語科における思考ツールを活用した学びのデザインと振り返りの実践的研究」(2022年度香川大学学部・附属学校園教員合同研究大会,2023.3,附属高松中学校国語科・附属坂出中学校国語科と共同)を発表した。ここでは、主に単元マップと授業デザインマップを用いて授業計画を立案し、物語自己評価シートで振り返りを行う授業実践5本とそれに基づく考察を行った。取り上げた教科書教材は「故郷」「走れメロス」「トロッコ」「とべカモメ」「さんちき」である。 3,これらの研究成果は、これまで未開拓であったビジュアル・ツールを活用した国語科ナラティブ自己評価として意義を持つとともに、評価のみならず授業デザインへの寄与も期待できる点でも重要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国語教育におけるナラティブ・アプローチの構造と機能について原理的に考察するとともに、米国におけるナラティブ・エデュケーションに関する理論書・実践資料を、HPや教科書・テキスト類を含め広く調査し分析・検討、また主として英米におけるビジュアル・ツールの評価における活用について文献調査を行っている。特に、探究型学習における評価についての文献を収集・分析し、考察を行った。中途ではあるものの、順調に進んでいる。 さらに、自己評価のためのビジュアル・ツールの活用についてその原理と方法を明確化し、「単元マップ」と一体化した「物語自己評価」シートの開発を進め、附属校や連携する公立校の実践者に依頼し、実践するとともに、その検討考察について発表した。
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今後の研究の推進方策 |
1,課題追求型の学習過程に「物語自己評価」を組み込んだ単元案を、附属高松小学校,附属高松中学校等の教諭とともに共同で構想する。2,附属高松小学校・附属高松中学校等において「物語自己評価」の研究授業を行う。 3,ICレコーダーおよびデジタルビデオカメラを用いて録音・録画し、トランスクリプトに基づき分析する。その学習者反応の分析および表現物、評価シートの分析を基に改良 を重ね、単元・評価パッケージを開発する。4,教師向けの「実践の手引き」を編纂し、公立校における現職研修の機会をとらえた指導 助言、および現職教員研修のための指導法講座の実施等の機会を捉えて普及に努めるとともに、授業担当者用チュートリアルビデオを作成し、実践検証を深める。5,以上の研究成果を、学会発表するとともに公刊し、広く公開する。
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