研究課題/領域番号 |
22K02556
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 聖心女子大学 |
研究代表者 |
永田 佳之 聖心女子大学, 現代教養学部, 教授 (20280513)
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研究分担者 |
水島 尚喜 聖心女子大学, 現代教養学部, 教授 (20219629)
井藤 元 東京理科大学, 教育支援機構, 教授 (20616263)
山下 恭平 東京理科大学, 理学部第一部物理学科, 助教 (30855622)
木戸 啓絵 東海大学, 児童教育学部, 講師 (90746439)
横田 和子 広島修道大学, 国際コミュニティ学部, 講師 (80434249)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ESD / プレイフル・ラーニング / CONNECTEDkind / 持続可能な開発のための教育 / 遊び / 影 / 想像力 / 持続可能な社会 / 環境教育 / ユネスコ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では コロナ禍で生まれた「遊び」であるCONNECTEDkindを取り扱う。CONNECTEDkindとは落ち葉や花弁などの日常で目にする自然物とその影から想像したものを描くという創造的な行為(遊び)の総称である。調査では脳波測定などを通してこの「遊び」に見出せる効用や学習過程での効果を明らかにし、ユネスコの協力も得ながら国際的にも利用されるティーチャーズ・ガイドを作成する。
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研究実績の概要 |
CONNECTEDkindはユネスコ等の推進するESD(持続可能な開発のための教育)の一環として持続可能な社会・未来を構築する基盤として考えられており、ESD関連の文献や書籍を基礎的な研究として購入し、読み込んだ。中でも英国のESDのグッド・プラクティスとし知られるアシュレイ小学校での実践である「ハーモニーの教育」はCONNECTEDkindとも親和性が高いだけに、多くの知見が得られたといえる。 研究会は初年度末までに5回開催し、さらに予備的とも言える実験を3回に分けて行った。また研究会でも議論を重ね、未来志向の「遊び」研究も重視し、新渡戸文化学園に所在するVivistopの見学に行くなど、現場からの学びを深めることも叶った。さらに、CONNECTEDkindの創始者であるラウラ・べレヴィチャ氏とも頻繁にオンライン交流を重ね、CONNECTEDkindで描くことになっている「影」の意味なども検討した。なお、定例的な研究会にはユネスコスクール担当のユネスコ本部職員の研究協力者(パリ在住)の参加を通して貴重な意見を共有できた。 Dropletと称されている作品については、高等教育機関で学ぶ学生を対象に収集し、Padletというソフトに蓄積をすることができた。 研究代表者の大学にて人を対象にした研究の倫理審査を通した後に、上記の実験について、コロナウイルス禍が落ち着きを見せてきた2023年の年明けから3回に分けて実施し、大学生4名と大学院生1名が被験者となり、2台の米国製脳波測定器で脳波の記録を取った。ヘッドバンドがずれるなどの細かな課題はあったものの、大方の測定は無事に終え、分析結果も研究会で共有された。なお被験者は測定器メーカーの推奨に則り、小学生等ではなく成人(大学生以上)に限定することなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ、当初の研究計画どおりに進んでいると言ってよい。ただし脳波測定器会社の推奨に対しても十分に配慮する必要性からも脳波測定の対象は大学生以上とした。他方、小学校での授業は翌年度に行うことになった(管理職への依頼と実施教員の決定なども了承済み)。実験については、5人の学生を対象にしたが、一部の装備の不具合(ヘッドバンドのずれ)を除いて上手くいった。ヘッドバンドの装着問題など、最終的には克服でき、正確な測定ができた。年度内に予定されていた倫理審査も済ませることができた。また、これまでに蓄積されたCONNCTEDkindのDroplet(作品)はPadlet上で保管した。これらは画像分析の対象として保存されている。当初予定していた作品を作成した学生へのインタビューであるが、実験に参加した学生には描写時の印象などを聞くことができたが、時間的な制約や実験後の疲労感の課題もあり、体系的な聞き取り調査までは至らなかった。この点は今後の課題であり、2年度に着手される小学校でのインタビュー調査にもこの経験を活かしていく所存である。
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今後の研究の推進方策 |
2年度は、学校現場での実践が始まる。すでに都内の小学校と担当教員(研究計画書で研究協力者として記載済み)も決定しており、1学期に2回ほど授業を実施していただく予定である。また、同時に、大学での授業においてCONNECTEDkindのDropletの作品数も増やしていき、画像分析の対象にしていく予定である。予定よりは早いが、2年度中に、1年度目の実験結果をもとに論文を書き上げ、美術科教育関連の学会に研究代表者と研究分担者の共著として投稿することも予定されている。さらに年明けになるかもしれないが、本人に無理がなければ、予定どおりにCONNECTEDkindの創始者であるラウラ・べレヴィチャ氏を日本に招聘し、ワークショップ等を実践する予定であるが、新型ウイルスによる感染状況や本人の予定と照らし合わせて慎重に決めていく所存である。なお、1年目の研究会で検討課題となったCONNECTEDkindの「影」についてであるが、影を実物から切り離して「影あり」の対象と「影なし」の対象とを分けて測定をする可能性も探っていく。
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