研究課題/領域番号 |
22K02560
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 中部学院大学 |
研究代表者 |
山田 丈美 中部学院大学, 教育学部, 教授 (50454301)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 古典教育 / 源氏物語絵巻 / 詞書 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、現代に生きる私たちと古典とのかかわり方を問い直し、古典の絵画と言葉により思考力と表現力の相互育成をめざした古典教育の指導プログラムを開発する。具体的には、国宝源氏物語絵巻の詞書(ことばがき)と絵画部分との関係づけや他の屏風絵・扇面図・画帖等との比較対照を通して得られた視覚的イメージと言語的イメージを、構造的な思考および表現へと繋げ発展させていく。絵画と言語に関わる構造的思考スキルを核とした主体的な古典学習モデルと現代に生きる古典教育の指導プログラムを開発する。
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研究実績の概要 |
本研究は、現代に生きる私たちと古典とのかかわり方を問い直し、古典の絵画と言葉により思考力と表現力の相互育成をめざした古典教育の指導プログラムを開発することを目的とする。具体的には、源氏物語絵巻の詞書(ことばがき)と絵画による構造的表現を相互作用的に理解することを通して、古典に対する興味関心を高め、現代に必要な思考力と表現力を育成する古典教育プログラムを開発していく。 2023年度は、国宝源氏物語絵巻の「蓬生」の場面に着目して、絵画と詞書および源氏物語本文をどのように活用して授業を組み立てていくことが効果的なのかについて検討した。源氏物語絵巻の詞書は、源氏物語本文を要約または切り取るなどして、後に続く絵画場面の先行的な言語情報を提供する役割を果たしている。他方、絵巻の絵画は、象徴的な場面を選び取って視覚的イメージを受け手に提供する。具体的には「蓬生」の巻を中心に調査・分析を行い、絵巻の絵画、詞書、物語本文の順に描写される場面数と内容が多くなることに着目し、絵巻の絵画による視覚的な全体構造の把握を起点として、詞書、源氏物語本文へと読み深めていく指導過程を考案した。その内容を第145回全国大学国語教育学会(信州大会)にて口頭発表した。また、中部学院大学・中部学院大学短期大学部研究紀要第25号に、「源氏物語絵巻の詞書と絵画を活かした古典指導の研究―「蓬生」の場面を中心にして―」と題した論文を投稿し、掲載された。 他方、国宝源氏物語絵巻やそれ以外の多くの重要文化財級の源氏絵について見聞を深めるため、五島美術館と東京富士美術館の源氏物語特別展を訪れ、研究関係資料の収集も行った。今後、源氏物語の絵画比較による古典教育の可能性を検討する際の素材として活用したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまで、国宝源氏物語絵巻(徳川美術館および五島美術館所蔵)の2場面「橋姫」「蓬生」についての指導研究を行い、研究成果を発表してきた。しかし、この他の国宝源氏物語絵巻の場面や、画帖・屏風絵・扇面画などに描かれたさまざまな源氏絵との比較対照の観点からの教材化や指導研究にはまだ至っていない。その点で、「やや遅れている」といえる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、源氏物語絵巻の他の場面の絵と詞書や、画帖・屏風絵・扇面画などのさまざまな源氏絵についての情報を整理し、相互関係・比較対照の観点から教材化する絵画を選定する。それをもとに、構造的思考スキルを働かせ、言語と絵画を活用した古典学習モデルを作成する。
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