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PBISの日本型モデルの作成とその効果検討

研究課題

研究課題/領域番号 22K02562
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
研究機関広島文教大学

研究代表者

寺田 和永  広島文教大学, 人間科学部, 准教授 (80782416)

研究分担者 津川 秀夫  吉備国際大学, 心理学部, 教授 (20330623)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
キーワードPBIS / スクール・コネクテッドネス / 学校適応 / 問題行動
研究開始時の研究の概要

ポジティブな行動の介入と支援(Positive Behavior Interventions and Supports: PBIS)は,子どもの適切な行動の増加を目的として,学校や学級などの集団全体でおこなう効果的な取り組みである。米国で開発され急速に普及する一方,我が国で全面的に導入するには課題も多い。そのようななか,中国地方の公立A中学校はPBISを部分的に取り入れて生徒の問題行動の減少等に著しい成果をあげてきた。本研究では,A中学校のPBISに基づく取り組みとその効果について量的・質的な調査を実施する。そして,結果を基にしたPBIS日本型モデルの作成と効果検討をおこなう。

研究実績の概要

本研究は,我が国において導入と継続が可能なポジティブ行動支援(PBIS)の日本型モデルの作成と効果検討が目的である。これに向けて,令和5年は前年度に引き続きPBISを導入するA中学校の取り組みやその効果について下記の調査を実施した。
①生徒の学校適応の縦断調査:生徒約900名を対象にして,スクール・コネクテッドネス尺度,ストレス反応尺度およびA中学校の取り組みへの認知や印象を尋ねる項目からなる質問紙調査を7月,12月に実施した。その結果,令和4年度の調査時同様にA中学校の取り組みに好意的な生徒ほど学校との結びつきが強いことが示された。
また,令和4-5年度に在籍する生徒の調査データを分析した結果からも取り組みに好意的な生徒の方が学校適応が高いことが示された。具体的には,2年を通して好意的に取り組む生徒は,学校適応を高く維持しており,反対に取り組みへの関与に乏しい生徒は学校適応が低いままであった。また,令和4年度に取り組みに消極的であった生徒であっても令和5年度に積極的であれば学校適応が上昇することが示された。
②PBIS非実践校との比較:A中学校の取り組みの効果を検討するためにPBISの実践をしないA中学校の近隣中学2校の生徒にスクール・コネクテッドネス尺度を用いて7月および12月に調査を実施した。その結果,A中学校の方が,学校との結びつきが強いことが明らかになった。
③教師の職場満足に関する質問紙調査および面接調査:A中学校の教師50名を対象に職場満足関する調査を8月と2月に実施した。その結果,令和4年度同様に,PBISの取り組みに積極的である教員ほど職場満足度が高くなるという結果が認められた。また,面接調査を5名の教師に実施した。その結果,A中学校のPBISの取り組みは従来のものと異なり発展しており,生徒が主体となって実施する様子が明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

令和5年度に予定していた,調査および面接調査を実施することができ,十分なデータを入手することができた。さらに令和4年度に得たデータをもとに,令和5年度は4件の学会発表を実施することができた。一方で,予定していたA中学校とは異なり,ポジティブな行動支援を積極的に取り入れる学校への訪問は,該当校との予定が合わず,次年度に持ち越しとなった。
以上から,多少の計画変更はあったが,概ね順調に研究が進んでいるといえる。

今後の研究の推進方策

前年度までに得られたデータは,見込みよりも多く入手することができた。また現在のデータの分析状況において,A中学校で実施されるPBISの効果について生徒や教師の観点から明らかにすることができた。そこで今年度は,引き続き得られたデータの分析を行うとともに,分析結果を論文にまとめ,学会発表および学会誌への投稿をおこなう。また,取り組みの効果とともに課題や限界を明確にし,本邦の学校文化に合わせたPBISのモデルを作成し,提案をおこなう。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 学会発表 (5件)

  • [学会発表] Good Behavior カード実践中学校における生徒の学校適応:スクール・コネクテッドネスおよびストレス反応に関する学校間比較2024

    • 著者名/発表者名
      津川秀夫・寺田和永
    • 学会等名
      日本学校カウンセリング学会第38回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] A中学校におけるGood Behaviorカードの実践に関する研究(2)2023

    • 著者名/発表者名
      寺田和永・津川秀夫・松本一郎
    • 学会等名
      日本学校心理学会第24回富山大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] A中学校におけるGood Behaviorカードの実践に関する研究(3)2023

    • 著者名/発表者名
      花谷 遥・寺田和永・津川秀夫・松本一郎
    • 学会等名
      日本学校心理学会第24回富山大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Good Behaviorカード、こう使ってます!-担任教師との面接調査から-2023

    • 著者名/発表者名
      寺田和永・津川秀夫
    • 学会等名
      日本ブリーフサイコセラピー学会第33回岡山大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] A中学校におけるGood Behaviorカードの実践に関する研究:スクール・コネクテッドネスと学校ストレス反応の観点から2022

    • 著者名/発表者名
      寺田和永・津川秀夫・松本一郎
    • 学会等名
      日本学校心理学会第24回大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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