研究課題/領域番号 |
22K02565
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 神戸市立工業高等専門学校 |
研究代表者 |
石原 のり子 神戸市立工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (90759169)
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研究分担者 |
林田 定男 神戸市立工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (50713682)
竹中 喜一 愛媛大学, 教育・学生支援機構, 准教授 (80834100)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 国語教育 / 古典教育 / 日本文学 / ルーブリック / 学習指導要領 / 新学習指導要領 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、古典文学作品を用い、総合的な国語力を育成する授業モデルと学習の場面に応じた適切な評価方法を確立させることである。新学習指導要領において、「文学」はそれが非論理的で非実用的なものであるかのように扱われているが、ある程度筋が通っていないと物語とはいえない。そして、世間知が得られる文学作品はいくらもあるし、実用書として読まれていたものも存在する。つまり、文学作品によって「論理」「実用」は学びうるのである。各出版社による「古典探究」の教科書所載の古典教材の分析学習指導要領の枠組からは逸脱することなく、古典の有用性を実感させ、「生きる力」の基盤となる総合的国語力の育成を図ることを目指す。
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研究実績の概要 |
平成30(2018)年3月に高等学校の新学習指導要領が告示された。国語科は、共通必履修科目として「現代の国語」「言語文化」、選択科目として「論理国語」「文学国語」「国語表現」「古典探究」が新設された。共通必履修科目である「現代の国語」の指導事項には、「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」が全て含まれている。一方の共通必履修科目である「言語文化」には指導事項「話すこと・聞くこと」領域に属するものが含まれていない。しかし、「言語文化」において取り扱われる古典文学作品は、「話すこと・聞くこと」の力を育成する教材としても十分に耐えうる潜在性を秘めている。本研究は、この潜在性を現代社会の要請に応えられる能力を育成するものとして顕在化させる。そして、教材としての古典文学作品を有効に活用・教授し、現代教育における古典の位置づけ(再評価)および新たな授業モデル(教材開発、授業方法、評価方法)を確立することが目的である。 本年度は、まず「言語文化」所載の「比べ読み」についての調査から始めた。それは、大きく3つのタイプに分類できる。すなわち、(1)文学作品とその典拠との比較、(2)同テーマを取り扱った文章の比較、(3)文学作品(和歌)とその現代語訳との比較である。現行教科書における「比べ読み」の多くは、ある文学作品とその典拠の比較であることがわかった。そこで単なる典拠との比較にとどまらず、異なる作品あるいは同じ作品内における類似するシチュエーションの記述を教材として用いて、比べ読みを行い、学習者に共通点と相違点を認識させることを目指す。現在までに、『枕草子』と『紫式部日記』、『栄花物語』と『大鏡』、『源氏物語』などの用例を収集し、教材の開発を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の蔓延のため出張が制限され、研究分担者との打ち合わせがオンラインに限定されたことなどにより、ルーブリックの作成などの点に遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度から授業実践を共同で行う予定であった研究分担者が異動になったため、研究遂行のための計画を大幅に変更する必要が生じた。2023年度は教材およびルーブリックの開発に専念し、授業実践は次年度以降に行うことも視野に入れる。
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