研究課題/領域番号 |
22K02574
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 鳴門教育大学 |
研究代表者 |
阪根 健二 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 特命教授 (10363178)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | 避難所運営 / 子どもへの対応 / 遊び / 玩具 / 最適化 / 子どもの対応 |
研究開始時の研究の概要 |
災害が発生すると,多くの学校が避難所になる。避難所運営においては,これまでの教訓から徐々に改善がなされてきたが,学校施設が被災者には重要な拠点となる一方で,学校は休校状態となり,子どもたちの行き場がなくなることが想定される。そのため,ストレスを溜める子どもが増え,心身に変調をきたすこともある。そこで,本研究では,学校避難所における子どもへの対応に着目し,教職員(支援者)のあり方(指導や対応)について最適化するため,『学校避難所における子どもの遊びの開発と対応方略の最適化について』の研究を行う。
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研究実績の概要 |
石川・能登半島を震源に2024年1月1日に発生した最大震度7の地震は、新年早々甚大な被害をもたらした。多くの住民が自宅を失い、避難所での生活を余儀なくされた。その中で、被災した子どもたちは、大人以上に「我慢」を強いられているといえる。特に、避難所では「子どもが騒ぐ・子どもが泣く」、「ストレスを抱えている子どもがいる」という報告があり、「心のケア」が必要であることはいうまでもない。本研究では、子どもたちに目を向けた被災者支援を検討するものだが、今回の災禍によって、この点も喫緊の課題であることがはっきりした。 本研究では、我慢を強いられる子どもたちの居場所づくりのため、環境面や人的支援方法を検討しているが、2023年度は、人的支援の在り方を主に行った。これは、東日本大震災当時、被災地外から多くの「頑張れ」という言葉が寄せられた。ところが、被災者から「追いつめられるような気持ちになった」「これ以上何を頑張ればいいんだろう」との語りがあり、励ましの言葉が、逆に押しつけのように感じられてしまうという報告がある。また、避難所で生活した子どもから、おとなしくするように言われ、避難所の仕事を手伝いたくても子ども扱いされてできなかったという体験を語っている。 そこで、災害に遭った子どもたちにどのような言葉がけをすれば良いのか、大人と子どもの中間点である中高校生や大学生が出来る支援とはどうあるべきか、青少年が主体となった「メンタルサポートシミュレーション」を開発し、小学校、中学校、大学、遊園地などで、実地の検証を行い、実地調査を繰り返した。 以上の成果を、冊子(災害避難所運営マニュアル)としてまとめた。これが中間報告である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本年はコロナ感染の終息状況によって、実習の多くが可能となったため、全事業が完遂できた。 1.仮想避難所での遊び実演(6月、11月、12 月実施)を行った。大学及び教委行事において、避難所を設定して遊びの実演を行う、また、実際の遊園地でも、開発した玩具を活用して試行を行った。 2,防災における避難所運営の提言を行った。今回施行したレールブロック(台湾製のブロックを日本向けにセット化)、ポリエム(ドイツ製のブロックを日本向けにセット化)活用して,被災地での子どもの遊びを提言した。 3,啓発冊子(中間報告)である「災害避難所運営マニュアル」を作成した。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度には、被災地における子どもの遊び環境の在り方を中心に研究を遂行する。ここでは、被災地の遊び環境の問題点を洗い出し、快適な子どもの遊び環境とはどうあるべきかを検討する。 そのため、能登半島で被災した学校関係者への聴取を経て、企画した避難所のデモを行い、その成果をイベント形式で公開する予定である。また、自治体等向けの提言冊子も作成する。
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