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ワーキングメモリ理論に基づく科学的探究課題の開発とパッケージ化

研究課題

研究課題/領域番号 22K02577
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
研究機関高知大学

研究代表者

草場 実  高知大学, 教育研究部人文社会科学系教育学部門, 教授 (00737851)

研究分担者 原田 勇希  秋田大学, 教育文化学部, 講師 (40883426)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
キーワード理科教育 / 観察・実験 / 科学的探究課題 / メタ認知 / 動機づけ / 学習方略 / ワーキングメモリ / 社会的相互作用 / 理科 / 科学的探究活動 / 科学的探究
研究開始時の研究の概要

現行学習指導要領では、理科における資質・能力は、科学的探究活動の中核である観察・実験を通して育成することが求められている。観察・実験を効果的に行うためには、自己調整学習の基盤となるメタ認知の働きが重要となる。しかし、メタ認知は高次の認知活動であるが故に、その働きに困難性を抱える生徒にとっては、動機づけの向上・維持、適切な学習方略の選択・使用が十分に機能せず自己点検や軌道修正が上手くいかないといった課題が見られる。本研究は、中等理科教育における科学的探究活動の質的向上を目的としたものであり、メタ認知の働きに影響を与えるワーキングメモリの視点から理科の目標と内容に準拠した科学的探究課題を開発する。

研究実績の概要

本研究課題の目的は、観察・実験を通した科学的探究活動において、ワーキングメモリ(WM)理論に基づき、生徒がメタ認知の活性化によって動機づけや学習方略を自己調整しながら解決するための科学的探究課題を開発し、その教育的効果について実践的に検証することである。なお、本研究におけるWM理論とは、「生徒がWMへの負荷を低減することで新たな認知的資源を生み出し、それをメタ認知に利用すること」とする。その目的の実現に向けて、当該年度(2年目/4年間計画)は、【実績1】WM理論に基づく科学的探究課題の開発と授業実践、【実績2】理科教育研究における社会的相互作用の研究成果・動向の整理、を中心に行った。
具体的に、【実績1】では、高等学校理科の化学「(2)物質の変化と平衡 イ 化学反応と化学平衡 (ア)反応速度」の内容に準拠した科学的探究課題を開発し、次の4つのステップ(STEP1:科学的探究(反応速度)に関する知識・技能の習得→STEP2:理解確認探究課題(過酸化水素の分解速度と濃度との関係)の解決→STEP3:理解深化探究課題(反応速度定数と温度との関係)の解決→STEP4:自己・相互評価による省察)で授業実践を行った。その結果、特にSTEP3の場面において、生徒はメタ認知の活性化によって、実験の計画や方法を修正する行動が観察された。【実績2】では、1年目から継続して、理科教育研究における「対話的な学び」に着目し、その研究成果・動向のレビューを行った。その結果、理科教育学領域には思考力・判断力・表現力等の資質・能力の育成を目的とした「対話的な学び」の実践研究が多く蓄積されていること、などを示した。
当該年度の研究成果は、【実績1】は理科教育学会において口頭発表され、【実践2】は理科教育学研究(学術誌)において発表された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究期間(4年間)通して、本研究課題の目的を実現するために、次の到達目標を設定している。【目標1】中等理科教育において、WM理論に基づく理科学習指導デザインを開発する。【目標2】学習指導要領の目標と内容に準拠した科学的探究課題とその教育的評価指標を開発し、その教育的効果について実践的に検証する。【目標3】科学的探究課題の実践事例を蓄積・整理・発信し、その普及を図る。なお、(目標1)は研究期間1年目に、(目標2)は研究期間2・3年目に、(目標3)は研究3・4年目を中心に遂行し、到達することを目指している。
現在までの研究成果は次の通りである(1年目の研究成果1~3は省略)。(成果4)高等学校理科において、学習指導要領の目標と内容に準拠した科学的探究課題(2課題)を開発し、その教育的効果について授業実践を通して検証することができた。
本目標と現在までの研究成果を照らし合わせると、(目標1)と(目標2)は順調に達成できているため、「おおむね順調に進展している」と判断した。

今後の研究の推進方策

次年度(3年目/4年間計画)は、現在までの研究成果を踏まえて、(目標2・3)を中心的に遂行し、その到達を目指していく。具体的に、学習指導要領の目標と内容に準拠した科学的探究課題(理解確認探究課題と理解深化探究課題)とその教育的評価指標の事例開発(パッケージ化)を遂行していく。実践事例は、中学校及び高等学校理科の複数の単元において開発することで、(目標3)の到達を目指す。並行して、生徒のWM、メタ認知、動機づけ、学習方略、科学的探究成果に関するデータ収集を行い、それらの変数の関係をモデル化し、理科学習指導デザインの精緻化を図ることで、(目標1)の高水準の到達を目指していく。なお、本研究を効率的・効果的に進めていくために、これまでに研究体制を構築してきた学校現場やSSH指定校との連携を引き続き、維持・発展させていく

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] 理科の学習指導要領に基づいた「対話的な学び」に関する近年の研究の傾向と研究成果2023

    • 著者名/発表者名
      亀山晃和,原田勇希,草場実
    • 雑誌名

      理科教育学研究

      巻: 64 号: 1 ページ: 27-50

    • DOI

      10.11639/sjst.21047

    • ISSN
      1345-2614, 2187-509X
    • 年月日
      2023-07-31
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 生徒のメタ認知を活性化させる科学的探究課題の実践―高等学校化学「反応速度」を事例として―2023

    • 著者名/発表者名
      植田悠未,草場実
    • 学会等名
      日本理科教育学会第73回全国大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 生徒のメタ認知を活性化させる科学的探究課題の実践(2)―教育的効果に着目して―2023

    • 著者名/発表者名
      植田悠未,草場実
    • 学会等名
      令和5年度日本理科教育学会北海道支部大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 科目横断型プロジェクト学習が生徒の科学の本質の理解に及ぼす効果 ―高知県立高知国際高等学校における実践を通して―2022

    • 著者名/発表者名
      植田悠未,草場実
    • 学会等名
      日本理科教育学会第72回全国大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 理科の反転学習が生徒のメタ認知活性化に及ぼす効果2022

    • 著者名/発表者名
      植田悠未,草場実
    • 学会等名
      令和4年度日本理科教育学会四国支部
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] ワーキングメモリ理論に基づく理科学習指導デザインに関する研究-化学基礎「化学変化と量的関係」を事例として-2022

    • 著者名/発表者名
      草場実,西川拓磨
    • 学会等名
      令和4年度日本理科教育学会四国支部
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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