研究課題/領域番号 |
22K02578
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
|
研究機関 | 長野県立大学 |
研究代表者 |
山本 直樹 長野県立大学, 健康発達学部, 教授 (70586502)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
|
キーワード | コロナ禍 / 演劇体験 / 保育者養成 / 学生 / 表現 / アフターコロナ / 演劇体験プログラム / 保育者養成校 |
研究開始時の研究の概要 |
アフターコロナを見据えて、少人数活動や野外プログラムの考案等、新しい工夫を見出し、保育者養成校における演劇体験の提供や、子どもに対する演劇体験の指導法の教授に知恵を絞る必要がある。それを踏まえて、上演という形にこだわらず、自分らしい表現をすることや、それをきっかけに仲間との対話が促され、自分や他者に気づくことに体験の力点が置かれた、保育者になる学生のための演劇体験プログラムの開発をする。
|
研究実績の概要 |
本研究で目指す演劇体験プログラムとは、保育者養成の一環としてのものである。職業演劇人や芸術家の養成として、相手に自分の意志を正確に伝える発信力や、観客とコミュニケーションできる俳優としての技術の習得などの芸術的な素養を高めることを目指してはいない。自分達なりに表現の面白さや難しさを感じたり、気づいたりすることに重点が置かれる演劇体験プログラムである。その活動を行う枠組みとして、演劇表現授業の他に、総合的に表現を扱う授業、音楽表現や造形表現、保育実習、保育学の授業、学校行事の一環で授業外に行われる特別プログラムなどが考えられる。 それに関して、全国の保育者養成校(531校)で、学生の演劇体験を指導する担当教員を対象に質問紙調査を行った。回答として81名の教員(回収率:15.25%)から返送があった。指導する演劇体験の内容とねらい、コロナ禍前と最中で凝らした工夫を尋ねた。 結果として、担当教員は、上演を目指す演劇体験に対して多様な意義を感じていた。しかし、学生の経験や意欲に差も感じ、一致団結とはなりづらく、しかも、学生の主体性を待つ時間的余裕もなく、支援しようにも教員自身が演劇体験をあまりしていない場合も多いことに課題意識が見られた。「2023年度 報告書 保育者養成校における演劇体験プログラム①-アフターコロナを見据えた保育者養成校における演劇体験プログラムの調査-」として中間報告をまとめ、対象である保育者養成校に2023年9月に送付した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究期間中にコロナ禍が収束する気配を感じたため、保育者養成校への質問紙調査の回答の集計を最終報告書としてまとめるのではなく、早急に保育者養成校にフィードバックする必要があると考えた。それをふまえて、活動全体を進行させることよりも、質問紙調査の集計と分析し、「中間報告書」を発送することを優先させた。結果として、予定していた実験的な授業や活動の準備がやや滞ってしまった。
|
今後の研究の推進方策 |
コロナ禍における保育者養成校の演劇体験の工夫として、少人数のグループでの実施や文字数の少ない台本の活用などが記されていた。これらは、学年全体で取り組む、観客を招いた大規模な舞台発表が、新型コロナ感染症の流行に伴い実施できなかったために生まれた代用的なアイディアといえる。しかし、アフターコロナを見据えれば、それらは、対話的表現の中で個性を生かしながら主体的に「協働的な学び」を進めるための演劇体験のアイディアと捉えることもできる。そして、大勢でないからこそ、一人一人の気づきを生かし、活動に対する改善や修正を繰り返しながら舞台発表に繋がる力を主体的に身につけることも期待できると考えられる。調査で得られたアイディアを生かしていくつかのプログラムを開発したい。
|