研究課題/領域番号 |
22K02588
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 久留米工業大学 |
研究代表者 |
堀 憲一郎 久留米工業大学, 工学部, 教授 (40390265)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 道徳教育 / 障がい者理解 / 合理的配慮 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,学校現場では発達障がい者等特別な支援を必要とする生徒への対応が急務となっている。しかし実際には教師や学校の理解が不十分で,必要な支援を受けられない生徒もいる。そこで本研究では,「障がい者理解」や「公正・公平・社会正義」についての信念が「合理的配慮への理解」とどのように関連しているのかを検討する。さらに,学校での「合理的配慮」を進める上で欠かせない障がいのない生徒の「合理的配慮」に関する理解を深めるためにそれを基礎づける「公正・公平・社会正義」に関する道徳教育の課題を明らかにしたい。
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研究実績の概要 |
本研究は、「障がい者理解」や「公正・公平・社会正義」についての信念が「合理的配慮への理解」とどのように関連しているのかを検討し、さらに,学校での「合理的配慮」を進める上で欠かせない障がいのない生徒の「合理的配慮」に関する理解を深めるためにそれを基礎づける「公正・公平・社会正義」に関する道徳教育の課題を明らかにすることを目的としている。 令和4年度は、(1)道徳教育における「障がい者理解教育」に関し、現行の検定教科書や授業実践報告などの検討を通じて、「障がい者理解」がどのように扱われているか、その現状と課題について分析してきた。また、(2)教職志望学生が教師となった際に直面する「教育場面での合理的配慮等の教育支援に関する判断」と,その背景にある「障がいやその支援についての適切な理解」や「公正・公平・社会正義についての信念」とにどのような関連があるのか,またそこに学校での合理的配慮やインクルーシブ教育を阻害する要因はあるのかを検討することを目的として、アンケート調査を予備的に実施した。 アンケート作成にあたっては、教職志望学生を調査対象者として、1)発達障がい(ASD、ADHD、LD等)への理解が正しくなされているか、2)学校場面で合理的配慮が必要となるような具体的事例(4例)において、それぞれの事例における合理的配慮の是非の判断とその判断理由、3)調査協力者自身の「発達障がい者との接触経験」,4)「インクルーシブ教育への態度」、5)清水・ターン・橋本・唐沢(2021)による象徴的障害者偏見尺度日本語版を用いた「障がい者への差別的態度」、等に焦点をあて質問項目を構成した。これまでのところ、教職を志望する大学生約80名を対象に実施し、その結果を分析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和4年度においては、当初予定していた(1)道徳教育における「障がい者理解教育」に関し、現行の検定教科書や授業実践報告などの検討を通じた「障がい者理解」に関する道徳教育の現状と課題の分析、及び(2)教職志望学生が教師となった際に直面する「教育場面での合理的配慮等の教育支援に関する判断」と,その背景にある「障がいやその支援についての適切な理解」や「公正・公平・社会正義についての信念」との関連に関するアンケート調査の作成及び実施について、一定程度進めることができた。 しかしながら,新型コロナ感染症の影響が引き続き残存しており、他機関での調査の実施などが難しく、調査対象者の十分な確保等が困難であり、やや計画の進捗に遅れが見られる。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度には、初年度に行ったアンケート調査について,さらに調査協力者を募り、調査を継続するとともに、その結果の分析を進め、成果の発表を行う予定である。 また、上記アンケート調査等の分析を通して、「障がい者理解」に関してどのような課題があるのかを明らかにし、特に生徒の「合理的配慮への理解」を促進する上で、どのような道徳教育の実践が効果的だと考えられるかといった観点から、道徳授業実践につながる教員養成教育の「道徳科の指導法」について検討したい。
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