研究課題/領域番号 |
22K02594
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
萩生田 伸子 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (70292638)
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研究分担者 |
小澤 基弘 埼玉大学, 教育学部, 教授 (40241913)
有原 穂波 目白大学, 人間学部, 専任講師 (50855442)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 図画工作 / 指導案 / 評価 / 図画工作科 / 図工 / 描画 |
研究開始時の研究の概要 |
描画の質や内容には,その人物の発達段階や精神的側面が反映されるという視点を基盤とし,児童がおこなった複数の描画を一連のものとしてとらえることによって,単なる作品の善し悪しだけでなく,発達的・精神的な変容も踏まえた描画の評価方法の開発をおこなう。さらに評価者の属性によって生ずる評価バイアスを明らかにする事により,図工科の指導の一助となることを目指す。
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研究実績の概要 |
評価の観点を抽出することを目的として,前年度に実施した教育実習に参加する前の学部2年生36名(学部生群)が作成した図工科指導案の内容分析に引き続き,小学校において図工科を担当している教員6名(教員群)が作成したのべ19件の図工科指導案についてテキストマイニングを用いた内容分析をおこない,学部生群が作成した指導案との共通点,相違点について明らかにした.今回も着目したのは評価規準の「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体的に学習に取り組む態度」および本時の展開中の「評価と手立て」の記載内容である. 結果として,「色」「活動」「形」など図画工作の学習の書き表すために必要な語であり学習指導要領図画工作編でも頻出する語は学部生群,教員群ともに高頻度で使用している点から指導案の記載内容自体は基本的には学習指導要領に沿っていることが読み取れた.その一方で幾つかの相違点が明らかとなった.たとえば,(1)教員群は「記録」「基」などを多く用いる一方で学部生群が多用していた「行動観察」「促す」などの使用頻度は低い傾向がみられ,評価の資料として「記録」を重視している可能性,(2)学部生群でより多く使用される「創造的」を教員群は使用せず「組み合わせ」「経験」などの語を使用する傾向にあり,用例は『どのように形や色を「組み合わせ」るか』『どのように材料や「経験」を生かすか』などであることから,「創造的」を具体的な評価規準への落とし込みをおこなっている可能性などが示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
分析用に借り受けた絵画作品の画像ファイルについて,どれとどれが同一人物の作品なのか対応関係の確認作業をおこなったところ,やはり一部の資料を見付けることができなかったために,同一学年内の範囲では同一人物の作品の確認はおおむね可能であったものの,学年をまたいでの対応関係の確認困難であるという問題が発生し,最終的に解決ができなかった. そこで評価に関する観点や具体的な方法について整理を継続することを優先し,教員が作成した図工科の指導案についてテキストマイニングを適用し,学部生の作成した指導案との比較をおこなった.
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今後の研究の推進方策 |
当初の主要目的の1つである複数年にわたる発達的変化について確認するためには同一人物の作品が追跡可能な必要があるが,前述のとおり借り受けた絵画作品の画像ファイルについては現時点では対応関係の確認が難しい状態になっている.そこで代替案として作品の範囲をしぼり,まずは年度当初と年度終盤での絵画作品の特徴の比較をおこなう予定である. また,前年度までは評価の観点の整理のために指導案の分析という間接的を用いたが,より具体的な評価の観点や手段の整理については図工科の教員に対してインタビュー調査をおこなう必要があると考えられる.
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