研究課題/領域番号 |
22K02611
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
三村 隆男 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (10324021)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | Linked Learning / work-based learning / Y-PLAN / GLOBE / 日本型キャリア教育 / つながる学び / 高校中退 / 代案学校 / キャリア教育 / カリキュラム・マネジメント |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、変化が激しく予測不可能な未来社会において自立的に生き、社会の形成に参画する児童生徒を育成するため、コロナ禍の中で直面している課題をも克服し、キャリア教育を教科指導とつなぎ、社会的・職業的自立に向けた資質・能力を育てる令和の日本型キャリア教育の構築を目指すものである。 具体的には、米国カリフォルニア州で拡大するLinked Learningの実践成果を整理し、我が国キャリア教育における、職業を学びの中心に置き、各教科をつなぐ新たな学習アプローチ「つながる学び」の概念を創出する。その過程で米国の研究や実践の当事者の助言を得ながら令和の日本型キャリア教育プログラムの在り方を確立する。
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研究実績の概要 |
2023年7月、米国WestEdのSvetlana Dache先生を招き、Linked Learningについて、米国加州の高校でのLinked Learningの実際、Linked LearningにおけるWork-based learning(WBL)の位置づけ、WBLを環境教育を結び付けた「BLOBE」について知見を広げた。特に「BLOBE」は日本での実践校が会場でポスター発表を行い、日本型キャリア教育に繋ぐ重要な知見を与えてくれた。 2023年12月、UC バークレー校Deborah McKoy博士を招きサンフランシスコのベイエリアからニューヨーク、そして日本の東北まで、20 年以上にわたって 1 万人以上の児童生徒・学生たちとの Y-PLAN (Youth – Plan Learn, Act, Nowの頭文字をとったもの)の実践を学んだ。小学校から高校までの実践は、米国Linked Learningの実践が高校に集中していたのに対し、初等及び中等教育前期にでも十分可能でである事実して知ることができたことは重要な体験であった。 2024年2月、加州教育省、米国WestEd、Linked Learning Allianceを訪れ米国のLinked Learningを教育行政の視点、制度設計の視点で学ぶことができた。 2024年3月にはつながる学びの日本における可能性を知るため、都立高校探究的学習の時間の発表会参加し、教員研修会の講師として実際に生徒の探究学習を指導した教員との意見交換をすることができた。更に国立教育政策研究所PJ研究「学校改善チーム」の最終報告書として、これまで2年間のLinked Learning調査の成果をまとめ掲載することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究2年目として、米国WestEdのSenior Research AssociateのSvetlana Dache先生を招き、「Inquiry-Based Science ‘GLOBE’ as a Form of Career-Related Learning in the Linked Learning Approach: Empowering Students with Skills, Agency, and “Zest”! 」について講演をいただき、さらに、UC バークレー校Center for Cities+Schools所長 Deborah McKoy博士を招き、「A Pedagogy of Hope Planning Cities with Young People and Schools Forging Justice, Generating Joy」について講演をいただいたことは、Linked Learningの本質を知るよい機会となった。 一方、米国の加州教育省、WestEd,さらにLinked Learning Allianceを訪れ、教育行政や制度設計の視点でLinked Learningを研究することができた。 一方、日本に導入する可能性を探るため都立高校の探究学習の実際に参与し、現在我が国で拡大している探究学習と日本型キャリア教育にどのよう融合させるかの方途も検討することができた。 更に国立教育政策研究所PJ研究「学校改善チーム」の最終報告書として、これまで2年間のLinked Learning調査の成果を掲載することができ、2024年度の研究に向けおおむね順調に進展していると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
Linked Learning Conference 2024にてDeborah博士と「A Global Approach to Civic, Work Based Learning & Integrated Curriculum: From Tokyo and Tohoku, Japan to Oakland and Sacramento」の発表を加州で行い,Y-PLANを基盤とした日本版Linked Learning(つながる学び)の構築を進めていく予定である。 また、Linked Learningを進める上で、重要な機能を果たす日本のキャリア教育におけるキャリア・カウンセリングの在り方をまとめた、『日本キャリアカウンセリング史』(実業之日本社)にて「第5章教育分野のキャリアカウンセリングの歴史」(195-233)の執筆や、三村隆男編著『生徒の心に寄り添う進路指導の言葉かけ~キャリア・カウンセリングの視点を生かして』(東洋館出版)の発刊が決定しており、広く日本型キャリア教育におけるつながる学びの構築を進めていく予定である。
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