研究課題/領域番号 |
22K02612
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 岐阜聖徳学園大学 |
研究代表者 |
宮本 賢二朗 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 准教授 (80619544)
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研究分担者 |
杉江 淑子 滋賀大学, 教育学部, 名誉教授 (30172828)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 多文化・異文化間音楽教育 / 外国人幼児・児童 / 日本語習得支援 / ドイツ異文化間音楽教育 / 移民と多文化社会 / 難民と音楽 / 音楽とアイデンティティ / 外国人の子どもの統合・適応 / 外国人児童 / 多文化音楽教育 / アメリカ多文化音楽教育 / 外国人児童の日本語習得支援 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は異なる言語及び文化的背景を持つ児童・生徒が,日本の社会及び学校に速やかに適応し,また学校が児童の多様性に配慮した教育を行うための実践的な教授法及び教材の開発を,音楽科を対象として行うものである。その際,段階的に多文化化進み,日本の状況に近いドイツと,移民・多民族国家として成立したアメリカの事例との比較を通して,1)多文化音楽教育の理論及び教授法を整理し,2)歌唱を利用した言語習得支援教育の可能性を探り,3)日本の各地域の特性に合った教授法および教材の開発を,日本語習得支援の要素を加味して行う。ポルトガル語,中国語等,代表的な外国人の母国の子どもの歌,遊びを集めた教材の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
引き続き外国人の子どもの歌について,ブラジル,フィリピン,ベトナム,中国の子どもの歌を^選定し,二言語化を進めた。
8月,湖西市国際交流協会で,自分たちの街への思いを,外国人児童の母国の言葉を交えた歌詞により歌う,「テーマソングづくり」の活動を行い,11月に地域のイベントで発表した。この活動では,日本語を共通言語として使用しつつも,母国語を活用する,二言語話者としての能力を,自らが肯定的に捉えられる活動であることが観察から確認できた。9月,ドイツのオスナブリュック市を尋ね,Barth教授と研究の動向について意見交換した。統計的手法によらない観察分析的な研究法について情報を得た。また移民・難民のために,音楽による言語・統合支援の教員研修を行っている機関である,Musik,Sprache,Teilhabe(MuSt)の研究会に参加し日本での活動について発表した。同市内にある基礎学校を訪ね,音楽活動による言語習得の授業を参観した。10,磐田多文化交流協会でドイツの教材を応用し,歌による日本語習得のための教材と,ブラジルの童謡をポルトガル語と日本語の二言語で歌う活動の実践を行った。3月,MuSTの非言語的なリズムによる挨拶運動,外国人の子どものうたを二言語で歌い遊ぶ活動,歌による日本語習得支援,それぞれの実践活動について,指導法をデモンストレーションするワークショップを滋賀県甲賀市で行った。大学研究者,小学校教員,支援員,国際交流団体職員などが参加し教材の有効性が確認された。
理論的な研究については,音楽による日本語習得支援について,曲集による系統的な学習と(Kerkmann 2017,系統学習型),簡単な活動を適宜言語習得活動に用いる活動(MuST:モジュール型)との2つがあることを確認出た。現在アメリカとヨーロッパの「音楽と移民」に関する研究の動向を比較する段階に入りつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理由 外国人の子どもの歌については,想定している国について複数の歌の二言語化が進み,実践活動も重ねてい来た。音楽・歌による日本語習得支援についても,ドイツの教材から最初の曲を日本語化し実践することができた。海外との連携についても,ドイツの研究者,実践者と安定してコンタクトが取れ,最新の動向を知る環境が整っている。
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今後の研究の推進方策 |
1)適応・統合・相互理解の視点からは,歌を二言語(複数の国籍であれば多言語で)共に歌う活動を,学校教育での実践を想定して,子どもの歌を二言語で歌う活動を学校環境,もしくは学校教育に近い環境,つまり日本人の子どもも参加している状況で行う実践を試みる。 2)日本語習得支援については,ドイツの教材の日本語化を進め,試験プロジェクト的な実践を試みる。 3)アメリカとヨーロッパの「音楽と移民」に関する研究の動向を比較し,日本にも適した理論的な基盤の枠組みを検討する。
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