研究課題/領域番号 |
22K02615
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 四天王寺大学 |
研究代表者 |
原田 麻詠 (永田麻詠) 四天王寺大学, 教育学部, 教授 (10612228)
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研究分担者 |
福若 眞人 甲子園大学, 栄養学部, 講師 (50844445)
西口 卓磨 四天王寺大学, 教育学部, 助教 (90877820)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 多様性をめぐる学力 / 当事者性 / 教科横断型カリキュラム / 中学校 / 価値 / 人権 / 特権 / エンパワメント / 多様性 / 学力 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、子どもが当事者性をもって「多様性」について考えられる資質・能力を教科教育に位置づけ、教科横断的カリキュラムを開発し、「多様性」をめぐる教科の学力を提案することで、従来の学力観を再構築することである。 具体的には、中学校国語科、社会科、特別の教科 道徳を取り上げて、各教科における目標や内容と、性の多様性、外国とのつながり、虐待、自死や生きづらさといった子どもの「多様性」を結ぶことで、子ども自身が「多様性」について自分ごととして考えられる資質・能力を、教科の学力として位置づける。そして教科横断的カリキュラムを開発するとともに、各教科の固有性も浮き彫りにする。
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研究実績の概要 |
2022年度は、多様性を取り扱った教科横断型カリキュラムの先行研究を検討し、本研究における「多様性をめぐる学力」をどのように定義すべきかについて研究を進めてきた。特に、現在使用されている中学校国語科、社会科、特別の教科 道徳の教科書を具に検討し、各教科でめざされる学力形成と多様性との関連について整理を行った。また、人権教育や多様性教育の成果や課題、2022年度に改訂された『生徒指導提要』など、行政発信の多様性をめぐる方向性も含めて考察や議論を進めた。 以上をふまえ2022年度では、本研究における「多様性」について、「異なる背景や状況のもとで、身体的、社会的、文化的、心理的など、さまざまな違いに対して不当な扱いを受けることなく、あるいは、身体的、心理的、物理的などの境界がなく、ともにあること。なお、さまざまな違いは個人の内部にも複合的に重なりあっており、多様性を尊重することが自己と他者のエンパワメントとなることをめざす」と仮定義した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度では、人権教育や多様性教育と教科教育を関連させて、「多様性をめぐる学力」の諸相に迫ることを当初の目標として研究を行っており、おおむね順調に進めることができている。さらに、「本研究における「多様性」あるいは「多様性をめぐる学力」について、先行研究等の考察をふまえて定義する」という、研究初年度として予定していた研究課題についても、十分に取り組むことができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、「生物多様性」や「多文化共生」などを焦点化するのではなく、2022年度に仮定義したような「多様性」を本科研で論点に据えるのはなぜなのかについて、本科研における「多様性」の定義をブラッシュアップしていくなかで整理検討する。 また、多様性をめぐる学力について検討していくうえで、「文脈(context)」や発達段階を本研究においてどのように位置づけていけるのかについても、今後議論していく。 なお、教科教育は、社会におけるステレオタイプを作り出したり、画一的な教育や教材による無意識的な価値の注入を通して同調圧力を生み出したりすることがある。こうした論点を教科横断型カリキュラム構築の要点として、ステレオタイプや同調圧力を生じさせない、具体的なカリキュラム設計に向けて研究を進めていく。
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