研究課題/領域番号 |
22K02639
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
|
研究機関 | 大妻女子大学 |
研究代表者 |
樺山 敏郎 大妻女子大学, 家政学部, 教授 (80442507)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | 読解 / 記述 / 全国学力学習状況調査 / PISA調査 / 全国学力・学習状況調査 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、文章を正確に読み解き、目的や所与の条件等に応じて的確に記述する、「読解を経由する記述力」の向上を図ることを実証化して示すものである。 記述力の向上は、国内外の学力調査や学力に関わる試験がコンピュータを使った試験方式(CBT)へ移行していく時勢においても重要な価値がある。 我が国のPISA 調査におけるCBT 対応の遅れが指摘される中、その基盤となる読解を経由する記述力の向上は喫緊の課題である。 本研究は、小学校段階における記述力向上プログラムの開発を図り、それを全国の小学校で試行し実証することにより、成果を波及させていくことを意図している。
|
研究実績の概要 |
本研究は、文章を正確に読み解き、目的や所与の条件等に応じて的確に記述する、「読解を経由する記述力」の向上を図ることを実証化して示すものである。令和5年度は、3か年計画の2年目に当たる。本研究の実証フィードである北海道の5地区(網走市2校、帯広市3校、千歳市2校、函館市2校、余市町4校)を継続訪問し、研究に係る課題や目的、内容、計画について確認するとともに、授業を通した研究実践を展開することができた。 実証の観点は、計7観点(①所与のテキスト形式の理解と対応、②複数の資料や過多な情報の処理、③内的な思考・判断の言語化、④所与の条件に即した記述、⑤他者のフィードバックによる精査、⑥短時間に読み、短時間に書く状況の設定、⑦読み書きの体幹の強化)である。 2年目の授業を通した実証研究を各校が展開する中で、この7観点を仮説検証的な視点として、その成果を確認している。成果としては、全国学力・学習状況調査の数値結果をデータとして累積している。研究実証校の数値結果に見ると、一定の成果が表れている。とりわけ、④所与の条件に即した記述、⑥短時間に読み、短時間に書く状況の設定の2観点については、関連性が強いこともあり、成果の重要な要因になってきている。5地区の中には、前年度と比較して飛躍的な成果を収めている地区もある。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、北海道の5地区を研究フィールドとしている。広大な北海道の中から事前に北海道教育庁の関係部局と連携をとり、この5地区を選定した。選定の基準としては、研究課題に対する関心や意識の高さ、そして学校全体としての組織力の高さなどを重視した。 しかし、研究実証に対する温度差が生じている。具体的には、実証の観点している7観点の方向性の理解不足が挙げられる。それぞれの観点がどのような構造であるのか、観点を実証授業にどのように落とし込んでいけばよいかなどについての共有が十分でない学校があり、成果が見られていない。また、管理職の意識の低さ、一部の教職員だけの実践なども課題である。 総じておおむね順調ではあるが、収集データの質と量に関わる課題は山積している状況である。
|
今後の研究の推進方策 |
補助事業機関3か年のうち、2か年が経過し、3年目の研究に当たり、推進方策は大きく2点ある。 1点目は、実証研究の推進に後れを生じている学校へのかかわりを強化することである。該当地域・学校の課題を明確にし、取組の方向を指南していく。 2点目は、研究フィールドの拡大に努めることである。十分な成果が期待できないことを見越して、新規のフィールドを開発していく。 7観点を意識した研究推進を計画に進めていく。
|