研究課題/領域番号 |
22K02649
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
安部 朋世 千葉大学, 教育学部, 教授 (00341967)
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研究分担者 |
橋本 修 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (30250997)
西垣 知佳子 千葉大学, 教育学部, 教授 (70265354)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | メタ言語能力 / データ駆動型学習(DDL) / 接続表現 / 副詞 / 文法力 / 語彙力 / データ駆動型学習 / 国語教育コーパス |
研究開始時の研究の概要 |
全国学力・学習状況調査「国語」の結果等により,児童・生徒の文法力・語彙力や,これらに寄与するメタ言語能力に関する課題が明らかになった。本研究では,これらの課題解決に向けて,英語教育におけるデータ駆動型学習(Data-Driven Learning:DDL)の成果と日本語学の研究成果を国語教育に活用し,児童・生徒の学習レベルに合致した国語教育コーパスと専用検索ソフト,及び国語DDL教材の開発を行う。本研究は,DDLの国語教育での活用を可能にし,ICT教育と個別最適な学習を促し,日本語非母語話者児童・生徒の日本語教育にも有効である。
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研究実績の概要 |
2022年度は,以下のことを行った。 [1]課題の分析・国語科DDL教材の作成:教材については,接続表現の組み合わせによる文章の構成について学習する中学校国語科DDL教材を作成した。具体的には,「AたしかにBしかしC」という文章について,文章構成等に関する特徴に気づくことを目的としたものである。また,課題の分析については,高校生が書いた意見文について,教員等が評価を行い,その結果を分析・考察することで,評価者の評価の観点等について明らかにした。さらに,教材作成のもととなる現代日本語の現象の分析として,低程度で肯定的な可能性・蓋然性をあらわす副詞「ワンチャン」を取り上げ,「ひょっとしたら/ひょっとすると」「ひょっとして」「もしかしたら/もしかすると」「もしかして」との比較を行い,副詞の語彙としての体系性の観点から考察を行った。 [2]実践・検証:中学校1,2年生を対象に,接続表現に関する上記の国語科DDL教材を用いた実践を行った。また,2021年度に実施した,中学校での実践についての分析・考察を行い,論文にまとめた。さらに,高校生の意見文の評価に関する分析について国内学会における口頭発表を行い,「ワンチャン」の分析については,国際学会における口頭発表を行うとともに,学会誌に論文を投稿し,査読を経て掲載が認められた。 [3]コーパス作成:コーパス作成のもととなるデータの収集を行った。具体的には,小学校及び中学校国語教科書,児童生徒用新書等について,対象となる作品の抽出を行うとともに,データベースを構築するための作業を順次進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
以下に示す進捗状況から,概ね順調に進展していると考える。 [1]については,中学校国語科DDL教材の作成を行うとともに,高校生の意見文の評価に関する分析・考察や,現代日本語の副詞に関する分析・考察を進めることができた。[2]については,新型コロナウイルス感染症の影響もあり年度末の実施となったが,実際に中学校で実践を行うことができた。また,国際学会と学内学会においてそれぞれ口頭発表を行うとともに,国際学会における発表の内容と,前年度に実施した実践に関する論文の合計2本をまとめることができた。[3]については,コーパス及び検索ソフト作成の依頼等の事情により当初の計画に若干の変更が生じたが,データベースの構築に向け作業を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度の研究計画と推進方策は以下の通りである。 [1]について:引き続き,小学校及び中学校を対象として,国語科DDL教材を開発する。これまで取り組んできた文型,品詞関係の教材化に加え,昨年度実施した接続表現等,文章の構成に関する項目の教材化も目指す。 [2]について:学校現場との連絡を密にし,教材を用いた実践を実施し,教材の検証を進める。また,昨年度実施した実戦についての分析・考察を行い,学会における口頭発表や学会誌への論文投稿により,研究の客観性を図る。 [3]について:引き続きデータの収集を行いデータベースの構築を進めるとともに,著作権等に配慮してコーパスの試作版作成に着手する。
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