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読むことの学習評価につながる理解方略指導に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K02661
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
研究機関広島大学

研究代表者

山元 隆春  広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (90210533)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
キーワード読むこと / 読者反応 / 理解方略指導 / 学習評価 / BHHフレームワーク / BHH-Dリーディング / 受容 / メタ認知 / 意味を共有すること / 文学作品 / 話し合い(討議) / 理解方略
研究開始時の研究の概要

本研究は、文献調査や授業データの分析にもとづきながら、わが国児童生徒の理解力育成のために、国語科における読むことの学習評価につながる理解方略指導の理論(モデル)の構築と学習指導法開発を目的とする。読むことの学習材となる文学作品等の「深い学び」を引き出す可能性を掘り下げ、「話し合い」(討議)や書く行為のもたらす対話過程としてのフィードバックが学習評価にもたらす成果を明らかにすることを目指している。

研究実績の概要

2022年度の研究のなかで明らかになった、言葉と意味の共有のありようを検討する過程をどのようにつくり出すことができるかという問題をさらに究明するために、現代米国の理解方略指導に関する代表的な文献を参照しつつ、研究を進めた。
一連の文献で提唱されている、読者が、本から学ぶ以上のことをしたり、本を楽しむ以上のことをするために読むのだということを銘記するための、指導・評価に関する「BHHフレームワーク」及び、読書行為と読者の現実生活とを関連づける「BHH-Dリーディング」の検討を行い、次のような知見を得た。①授業者と学習者とのカンファレンスや、学習者同士の話し合いを通して、「BHHフレームワーク」をもとに本や文章を読み、語り合うことができれば、本や文章のなかに何が書かれてあったか、それについて一人ひとりがどのように「頭のなか」で考えたか、そして本や文章に書かれている言葉を超えて一人ひとりが読書行為から「心のなか」に何を得たのかということを見極めることができる。②授業者側から見れば、学習者達がそのようなことに注目して読んでいるかということを知る手がかりが得られ、読み方や読んだ本や文章についてどのようなことを学習者にフィードバックすればいいかということを知ることができる。③学習者側からすれば、自分自身が読む際に注目していたことが他の学習者とどのようなところで共通し、どこが異なるのかということを知るきっかけになる。④上記①~③のように本や文章を読んで話し合ったあと「いま、あなたは何をしたい?」と生徒に質問することは、学習者自身に自己評価をもとめる問いであると同時に、授業者にとっては生徒がどのような読む体験をしたのかということをその答えから把握する重要な手がかりとなる。
いずれも、読むことの自己評価・相互評価を進めるための有力な参照枠をつくる重要な要素になると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

「評価と結びついた理解方略の研究」を有力な先行研究文献の詳しい検討を通して進め、読むことの学習指導におけるフィードバック、自己評価・相互評価のための「フレームワーク」の基盤を探り出し、研究課題に対して一定の成果を得ることができたと考えられるため。

今後の研究の推進方策

「文学作品を中心とした読むことの学習指導のなかで、「話し合い(討議)」は「深い学び」をどのように促し、学習者にどのようにフィードバックしていけばいいのか」という問いに対して、2023年度の研究を通して得られた知見をもとに、必要な文献をや情報をさらに収集し、ワークショップや授業等で検証し、読むことの学習評価につながる理解方略指導の理論(モデル)を築き、それに基づく学習指導法の開発を目指す。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 読むことの学習評価につながる理解方略指導の枠組み-「BHHフレームワーク」で「いかに読むか」を共有する-2024

    • 著者名/発表者名
      山元隆春
    • 雑誌名

      国語教育研究

      巻: 65 ページ: 58-68

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 他者の自覚による話す-聞く「関係殻」の破壊と再生―対話、共話、そして「聞き書き」の可能性―2022

    • 著者名/発表者名
      山元隆春
    • 雑誌名

      月刊国語教育研究

      巻: 601 ページ: 4-9

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 読むことの学習評価につながる理解方略指導論の検討―Beers & Probst(2017)Disrupting Thinkingを中心に―2023

    • 著者名/発表者名
      山元隆春
    • 学会等名
      第144回全国大学国語教育学会島根大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 読むことの学習評価につながる理解方略指導論の検討(2)―Beers & Probst(2020)Forged by Readingを中心に―2023

    • 著者名/発表者名
      山元隆春
    • 学会等名
      第145回全国大学国語教育学会信州大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 昨日は今日のいにしへ 今日は明日のむかし―レセプション(受容)行為の研究からみた国語教育学研究のビジョン―2022

    • 著者名/発表者名
      山元隆春
    • 学会等名
      全国大学国語教育学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 国語科教育学研究の成果と展望Ⅲ2022

    • 著者名/発表者名
      全国大学国語教育学会
    • 総ページ数
      581
    • 出版者
      溪水社
    • ISBN
      9784863276079
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 教育の未来デザイン:「コロナ」からこれからの教育を考える2022

    • 著者名/発表者名
      広島大学教育ヴィジョン研究センター・草原和博・吉田成章(編著)
    • 総ページ数
      205
    • 出版者
      溪水社
    • ISBN
      9784863275980
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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