研究課題/領域番号 |
22K02662
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
宮里 智恵 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (70646116)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 道徳科授業づくり / 若年経験者教員 / 困り感 / 道徳科授業づくりフレーム / 若手教員 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、小中学校現場では、ベテラン教員の大量退職と若年経験者教員の増加により、若年経験者教員の授業力の向上が課題となっている。特に、いじめの問題を背景に教科化された道徳科の授業づくりに「困り感」をもつ若年経験者教員は多い。本研究では、若年経験者教員の道徳科授業づくりの「困り感」を具体的に捉え、その分析を通して、授業科授業づくりの3点セットを開発する。3点セットを広く発表することにより、若年経験者教員の授業力の向上に資するものとする。
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研究実績の概要 |
2023年度はその前年に行っていたアンケート調査の結果を分析・考察し「道徳科授業に対する若手教員の『困り感』-アンケート調査の結果分析を通してー」という題で「教職開発研究」第7号に投稿して掲載された。 アンケート調査はH県内の公立小中学校の若手教員(教員経験年数1年未満~5年未満)136名(小学校9校46名、中学校11校90名)を対象に「道徳授業の準備中や授業中、困ったな、どうすればよいかな、と思うこと」について自由記述で尋ねた。小学校で50個、中学校で105個の記述が得られ、これを益川(監修)、前川(著)の「道徳の授業における教師の悩みに関する研究」(2015)をもとに分類した。その結果、小学校の若手教員では「終末・まとめ」「発問全般・単調」「自分事として考えさせられない」「興味を引き付けられない」「ねらいや内容項目(価値項目)からずれていく」「板書の仕方」などが多かった。また中学校の若手教員では「発問全般・単調」「授業構成(道徳授業のつくり方全般、ねらいに迫る展開」「〇〇の内容項目が難しい(畏敬の念など)」「意見交換のさせ方」「中心発問・ねらいに迫る発問」「予想外な発言への対応」などの他、「特になし、記入がない」も見られた。 全体的な傾向として、小中学校に共通していたのは発問の悩みであった。道徳の授業は発問によって進むので、発問に関する困り感が多くなると考えられる。また、道徳の授業では予め発問を計画していても、子どもが反応したことに対し柔軟に発問を変更する必要が生じることも、道徳科の授業の難しさにつながっていると考えられる。また、発問以外の項目についても若手教員の困り感が明らかになったことは、今後開発する予定の「道徳科授業づくりフレーム」と「道徳科授業づくりチェックシート」「範となる道徳科授業DVD」に対し、大きな示唆を得ることができた。次年度の研究に生かしていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通りアンケート調査を行い、その結果分析を通して「道徳科授業づくりフレーム」「道徳科授業づくりチェックシート」「範となる道徳科授業DVD」の3点セットの開発に向けて進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度はこれまでに明らかになった若手教員の道徳授業づくりの「困り感」に対し、その解消に寄与する「道徳科授業づくりフレーム」「道徳科授業づくりチェックシート」の開発を行い、それを印刷し、各校への配布を行う。
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