研究課題/領域番号 |
22K02694
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09050:高等教育学関連
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研究機関 | 武蔵野大学 |
研究代表者 |
藤浦 五月 武蔵野大学, グローバル学部, 准教授 (30803663)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 話し合い / 積み上げ / 対話能力 / 多文化 / 共修 / 教材開発 / 意思決定 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、多文化化が進む学びの場において、日本人学生と留学生が共に話し合いを行う場面を会話分析の手法で分析し、共修環境の話し合いにおける課題を解決するための教育プログラムを開発することを目的とする。なかでも気づきと改善が難しい意見を積み上げながら物事を検討・決定するスキルの習得を目指す。本研究では、プロジェクト型の話し合いにおける留学生同士・日本人学生同士・留学生と日本人学生(共修環境)の話し合い場面の構造と用いられる表現を調査し、共修環境における話し合い場面の課題を特定することで、初年次に身につけるべきアカデミックスキルとして留学生と日本人学生が話し合いを深めるための教育プログラムを提案する
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研究実績の概要 |
本研究は、多文化化が進む学びの場において、日本人学生と留学生が共に話し合いを行う場面を分析し、共修環境の話し合いにおける課題を解決するための教育プログラムを開発することを目的としている。中でも気づきと改善が難しい、意見を積み上げながら物事を検討・決定するスキルの習得を目指すものである。アイデア・意見を積み上げるスキルを育成のための教材(試用版)を、実際のデータ分析結果をもとに作成し、研究・実践を行っている。今年度も本教材を使用し、研究協力者らと共に改善を重ねた。2023年度は、留学生と日本人学生の話し合い場面の収録と文字起こしを完了した。また、前年度(2022年度)の課題であった、オンライン話し合い場面における沈黙について学会にて発表を行った。ディスカッションデータから、初回授業では、10秒以上の沈黙が35箇所(4グループ合計)観察され、対処困難な沈黙場面を多く抱えていたが、授業回を追うごとにそれらの沈黙箇所が減少した。回を追って沈黙を観察すると、他者の発言への反応「確かに…ですね」や、新しい観点の導入「…はどうしますか」といった、授業で扱った表現を活用している様子が観察され、沈黙解消の一助となっていることが窺えた。一方、誰もターンを取らない長い沈黙が続いた場面では、話し合いがどこまで進行したか合意や確認がないまま、次のステップに進んでしまうケースが観察された。発話を観察すると、議論が進んだあとに、アイデアを共有するタイミングから外れて意見が出され、前後の発話と噛み合っていなかった。これらのことから、意見がすぐに思いつかないときにどのように言うか、議論の流れの中で過ぎた地点に戻って言及したいときにどのように言うかといった、議論全体の流れをコントロールする表現にも注意を向け、練習を積み重ねる必要があることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
データの収集と文字起こしは概ね順調に進んでいるが、特に日本人学生と留学生の話し合い場面についてはやり取りの時間が長く、また様々なパターンがあり分析に時間がかかっている。
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今後の研究の推進方策 |
話し合い時のトラブルとして認識される長い沈黙に対する分析結果を試用テキストに反映させる。また、現在試用を重ねているテキストとテキスト実践から得られたデータについても、表現とアウトプットの関係を調査し、発表する予定である。共修環境の話し合い場面は、分析結果を発表し、結果をテキスト改善に繋げる。
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