研究課題/領域番号 |
22K02699
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09050:高等教育学関連
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研究機関 | 甲南女子大学 (2023) 京都外国語大学 (2022) |
研究代表者 |
近藤 睦美 甲南女子大学, 国際学部, 教授 (20467533)
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研究分担者 |
宮尾 万理 立命館大学, 産業社会学部, 准教授 (50851002)
東 自由里 立命館大学, 国際関係学部, 授業担当講師 (80269795)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | クリティカル・シンキング / 大学英語教育 / 大学入学共通テスト / 高大接続 / 高等教育の国際水準化 / 国際バカロレア教育 / 高等教育の国際化 / 学士力 / 国際水準 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、英語教育とクリティカル・シンキング(以下CT)の技法を有機的に結合させることによって高等教育における一般教養程の質的転換を促すための具体策を構想し、その条件を解明することを目的とする。CTを必須ツールとして活用することによって、大学英語教育の本来の価値と有用性を再構築することが可能となる。具体的な調査分析作業は次の4点に集約される。①高等教育におけるCTの開発と定義の精緻化、②高大接続という視点からみた大学入学資格試験の水準と大学一般教養課程英語の整合性の検証、③CTをベースとした大学英語テキストのレベル別・スキル別特質の類型分析、④学士力の再構築の構想と実現のための具体策の検討。
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研究実績の概要 |
本研究は、英語教育とクリティカル・シンキング(以下CT)の技法を有機的に結合させることによって高等教育における一般教養程の質的転換を促すための具体策を構想し、その条件を解明することを目的としている。研究期間2年目(令和5年度)は、主に実地調査と最終年度における成果発表に向けたデータ分析・考察を遂行した。具体的には、下記の3点である。 (1)シンガポール国立大学(NUS)での実地調査:近藤(研究代表者)と東(分担者)は12月のFD会議に特別許可を得て参加した。FD会議テーマが『A. I. と共存するー挑戦と課題』、またサブテーマに「CTの促進」が含まれていたからである。研究発表の資格はNUSの教員と専門職員に限られていたが、特別講演は南陽工科大学、シンガポール社会科学大学所属の大学教員であった。NUS各学部と専門分野を横断して協働問題解決に向けたFD活動を目の当たりにして、大いに刺激を受けた。 (2)大学一般教養英語科目の到達目標に関する調査:ボリューム層に位置する私立大学の一般教養英語科目がどのような能力をつけることを目標としているか。これを明らかにするために公開されているシラバスを調査し、到達目標及び使用教科書のレベルを分析し、研究成果の発表に向けて準備を行った。 (3)高等教育における国際化・国際水準化に関する調査:NUSの各学部を横断する必修科目「CTとライティング」「CTとリサーチ」などを担当している教員は「英語コミュニケーションセンター」(CELC)に所属している。各学部との連携方法、CTの鍛錬に関わる必修科目の位置づけなどについてCELC所長と副所長に聞き取り調査を行った。上述した(1)のFD会議分科会では、多くのCELC所属教員がCTと英語教育に関連した研究報告をしていたため、有意義な意見交換の場を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究代表者の所属研究機関異動により、教育・研究環境が大きく変わったにもかかわらず、研究計画を少し修正しただけで進めることができた。当初、カリフォルニア州立大学での実地調査を予定していた。下記(1)、(2)の理由でシンガポール国立大学の実地調査に変更したものの、本研究を遂行するにあたり必要であったと考える。 (1)グローバル化が英語教育にもたらす影響は、日本を含むアジア諸国の方が北米より顕著に表れている。 (2)ChatGPT生成A.I. の台頭で英語教育の質転換がさらに求められている。シンガポール国立大学の令和5年(2023年)FD会議のテーマと本研究との繋がりは深いため、FD会議に集まる多様な背景をもつ研究者との国際的学術交流ができる絶好の機会を逃すわけにはいかなかった。
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今後の研究の推進方策 |
1年目の基礎研究、2年目の実地調査を元に、成果公表及び大学英語教育におけるクリティカル・シンキング促進の具体案策定を進める。成果公表については、すでに令和6年(2024年)の夏に開催される①大学英語教育学会第63回国際大会(JACET)、②外国語教育メディア学会(LET)第63回年次研究大会、この二つの学会発表が決定している。また、CTをベースとした大学英語テキストのレベル別・スキル別特質の類型分析に関する論文、そして①、②の口頭発表での研究成果を学術雑誌に投稿する計画である。
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