研究課題/領域番号 |
22K02713
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09050:高等教育学関連
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研究機関 | 兵庫教育大学 |
研究代表者 |
宮田 佳緒里 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 准教授 (10759434)
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研究分担者 |
溝邊 和成 兵庫教育大学, その他部局等, 名誉教授 (30379862)
伊藤 博之 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 准教授 (80243343)
山中 一英 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (50304142)
別惣 淳二 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (90304146)
松田 充 兵庫教育大学, その他部局等, 講師 (80845991)
徳島 祐彌 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 講師 (00819443)
奥村 好美 京都大学, 教育学研究科, 准教授 (30758991)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 教職大学院のカリキュラム開発 / ダブル・ループ学習 / 科目間連携 / 適応的熟達化 / ダブル・ループ学習の起点となるリソース / 教職大学院の指導体制モデル / 大学院生間のシナジー効果 |
研究開始時の研究の概要 |
「令和の日本型学校教育」を担う教師を育成するうえで,教職大学院が解決すべき課題の一つが教師の学習観・授業観の転換である。これには,大学院生である教師を,自身の認識枠組みを再考し再構築するダブル・ループ学習へ導くこと,ひいては状況に応じて適切な方法を選択・創造できる適応的熟達化へと導くことが重要となる。しかし,そのための具体策はこれまで十分に明らかにされてこなかった。本研究は,教職大学院において,適応的熟達化を見据えたダブル・ループ学習を促すことを目指し,現職院生と学部卒院生の協働,専門科目の科目間連携,実習科目と専門科目の連携の3本を柱とする指導体制モデルを提案する。
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研究実績の概要 |
「令和の日本型学校教育」を担う教師を育成するうえで,教職大学院が取り組むべき課題の一つが教師の学習観・授業観の転換である。これには,大学院生である現職教師や教職志望者を,自身の認識枠組みを再考し再構築するダブル・ループ学習へ導くこと,ひいては状況に応じて適切な方法を選択・創造できる適応的熟達化へと導くことが重要となる。しかし,そのための具体策はこれまで十分に明らかにされてこなかった。本研究は,教職大学院において,適応的熟達化を見据えたダブル・ループ学習を促すための指導体制モデルを提案することを目的とするものである。 本年度は,適応的熟達化を見据えたダブル・ループ学習を促すための1年次のカリキュラムの評価を行うと共に,2年次のカリキュラムへの展開可能性を模索した。1年次後期の実践では,ダブル・ループ学習の起点となるリソースのうち,自らの過去の実践事例と向き合わせる取り組み,および他者の実践事例から自己の実践を捉え直させる取り組みが,現職教員のダブル・ループ学習を惹起しうることが明らかになった。学術理論を自らの実践に引き付けて考察させる取り組みは,ダブル・ループ学習の直接的なきっかけとはならなかったものの,前期に学んだ諸概念の意味理解に促進的に作用しており,前期から続く科目間連携の成果を見て取れた。さらに,1年次のカリキュラムを構成する5科目全て受講した現職院生においては,授業観・学習者観の変容が生じており,ダブル・ループ学習のループに入った可能性が見て取れた。 教職大学院の2年次は,学校現場での実習を含む実践研究の推進が主となる。1年次の授業で行われるような協働的な省察を行う機会が少なくなるため,実習での実践経験を院生同士で報告し議論し合う会を設け,年5回不定期に開催した。また,一連の取り組みの評価を行うために,2年間のカリキュラムを修了した学生から意見を聴取した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
適応的熟達化を見据えたダブル・ループ学習を促すための1年次のカリキュラムの評価を行うと共に,2年次のカリキュラムへの展開可能性を模索した。1年次後期科目の実践の成果と課題を論文にて発表するとともに,1年次のカリキュラム全体の評価を学会にて発表した。また,教職大学院2年次のカリキュラムへの展開の一つとして,実習での実践を協働的に省察する場を設け,実施した。以上のことから,全体として概ね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
2年間のカリキュラムが一通り完成したため,修了生へのインタビュー調査を基にカリキュラムの評価を行う。その結果を論文として発表する。 今年度の研究から,開発したカリキュラムは,現職院生に対しては想定した効果が確認されているものの,学部卒院生においては有効性が限定的であることが明らかになっている。したがって今後は,修了生へのインタビューを基に,現在のカリキュラムが学部卒院生にとってどのような意味があったかを考察すると共に,学部卒院生の学びにも貢献しうるカリキュラムの改善を行い,実践する予定である。
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