研究課題/領域番号 |
22K02717
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09050:高等教育学関連
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
西郡 大 佐賀大学, アドミッションセンター, 教授 (30542328)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 大学入試 / 多面的評価 / 志願者本人記載資料 / 教育評価 / 教育的効果 / 書類審査 / 本人記載資料 / 教育機能 |
研究開始時の研究の概要 |
大学入試の一般選抜における本人記載資料に注目し,アドミッション・ポリシーの理解促進や大学と受験者のミスマッチ解消にとって,記載事項として何を求めることが有効なのか,どのような資料作成のプロセスを受験者に経験させることが効果的なのかについて,メタ認知,動機づけの理論,進路選択行動といった観点から明らかにし,効果的な本人記載資料の様式(記載事項や回答形式等)および入試での活用方法の在り方を提案する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,一般選抜における本人記載資料に注目し,受験者のアドミッション・ポリシーの理解促進や大学と受験者のミスマッチ解消にとって,記載事項として何を求めることが有効なのか,どのような資料作成のプロセスを受験者に経験させることが効果的なのかについて,メタ認知,動機づけの理論,進路選択行動といった心理メカニズムの観点から明らかにすることである。 初年度は,所属大学の現行入試で提出された本人記載資料と入学予定者を対象として実施した質問紙調査を利用した分析を行った。具体的には,志願者本人が自分の高校時代の取り組みを振り返り,大学入学後の学びと摺り合わせて言語化することが,アドミッション・ポリシー理解の促進や志望学部とのミスマッチ解消に効果的であるのかを検討した。 2年目は,進路選択やキャリア教育に関する理論や概念などについての文献調査を行い,本研究で注目する理論,概念および心理的機能や教育機能を整理した。その結果,自己調整学習の観点から志願者本人記載資料を位置づけることでメカニズムを解釈できる可能性を見出した。加えて,全国の国立大学の総合型選抜で利用されている志願者本人記載資料を調査し,どのような記述が求められているかを整理した。様々な学部・学科がある中で,61大学の53(学部・学域・学科)を対象に,446件の募集区分における資料を抽出・分類した。この結果,スポーツや芸術の分野では独自の項目がみられるものの,ほとんどの募集区分では志望理由,これまでの学習活動や履歴,入学後に学びたいことなどが中心であり,志願者の能力や取り組みに関する証明機能に力点を置いていることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2年目の研究計画として,教育機能として有効だと考えられるメカニズムの仮説を設定し,大学生を対象とした質問紙調査によって,仮説を実証的に検証することを挙げていたが,全国の国立大学の総合型選抜で利用されている志願者本人記載資料の調査に時間がかかり,その分類結果を反映することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2年目に実施できなかった大学生を対象とした調査を令和6年度前半に実施し,教育機能を持つ本人記載資料の様式(記載事項や回答形式など)および入試での活用方法について検討する。加えて,その実用性について機能面と運用面から検証するために,大学生を対象とし調査に加え,高校教員及び大学関係者を対象とした聞き取り調査を実施する。これらの成果をまとめ,論文投稿を行う。
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