研究課題/領域番号 |
22K02722
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09050:高等教育学関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
三島 千明 自治医科大学, 医学部, 客員研究員 (60888577)
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研究分担者 |
山邉 昭則 自治医科大学, 医学部, 准教授 (70533933)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | キャリア形成 / ライフデザイン / 主体性 / 多様性 / 創造性 / リベラルアーツ / ジェンダー / サステイナビリティ / 高等教育 / 医学教育 / 国際比較 / SDGs |
研究開始時の研究の概要 |
女性医師の離職が深刻な社会問題となっている。しかし女子医学生が医師としての自らの人生を俯瞰し、主体的なキャリア形成を考える機会は極めて少ない。持続可能な医療と社会の創成のために、その予期不安に対処し、本人が望む人生を支援する教育は不可欠といえる。本研究では、医師を中心に女性専門職のキャリア支援の実状を明らかにし、ライフデザイン教育を実施する。効果を検証し、有効なモデルを提案する。国際社会における持続可能な開発目標(SDGs: Sustainable Development Goals)への貢献も企図される。あらゆる専門職のキャリア形成へも貢献し得る汎用性を備えたモデルを目指して体系化を図る。
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研究実績の概要 |
令和5年度の研究では、COVID-19による移動制限の緩和を受けて、本研究代表者は国内調査を継続するとともに、国外の調査を並行して行った。 国内調査では、国内の医科大学の学生を対象に、前年得られたキャリア形成に係る潜在的な学習ニーズをベースに、地域医療に関する国際的な視点からの講義を行い、量的アンケート調査と半構造化面接を実施し、国際的な教育の重要性や医学生のキャリア観に与える影響についてより深い考察を得ることに務めた。特に、国際的視点の学習が、医学生のキャリア観を肯定的に変化させ、医療職としてのモチベーションや広い視野を向上させる可能性や、地域医療教育において国際的要素を特に早期の学年から積極的に取り入れる重要性が明らかになった。 国外調査では、マレーシアのクアラルンプール市内の医療機関を視察し、現地の医師、教育関係者、医師組織のリーダーに地域医療における女性医師のキャリアについてインタビュー調査を行った。その結果、様々な有意義な知見が得られた。特に、女性医師が継続して働きキャリアを築くために必要な環境面の要因として、柔軟なシフト制度や診療スキル向上の体制、家族の理解・支援が重要であること、現地では日本と比較してチャイルドケアサービスの充実が進んでおり、母親である女性医師の負担軽減に寄与していることが明らかになった。さらに、心理社会的な観点からは、アジアにおける男女役割や社会的期待の違いが、女性医師のキャリア継続に影響を与える可能性も示唆され、国際比較において重要な異なる文化や社会背景における考察が得られた。 今後は、令和6年度においても引き続き国内外調査と、医学教育や医療制度の改善に向けた知見の体系化を進め、国内外発表を目指し、取り組んでいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
標準的な進捗で研究を遂行できた。自ら女性医師として、職業経験を本研究課題に積極的に活かし、課題に対する新たな洞察が得られた。引き続き、その相互補完的・相乗的な関係を探求し、研究の深化に向けて取り組んでいく。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、国内外の調査研究を積極的に展開する。特に、国外における女性医師や教育関係者への実地調査や教育プログラムの視察を重点的に行い、海外の先進事例や文化的背景から得られる知見を幅広く得る。これまで得られた国内外の潜在的ニーズや知見の整理、国内外の事例や比較研究を行い、女子医学生に対する支援策やキャリア形成に関する具体的な施策を検討し体系化していく。得られた成果について、論文化や国際学会での発表を通じて広く発信することを目指し、着実に進めていく予定である。
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