研究課題/領域番号 |
22K02725
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09050:高等教育学関連
|
研究機関 | 桐蔭横浜大学 |
研究代表者 |
溝口 侑 桐蔭横浜大学, 教育研究開発機構, 講師 (40909165)
|
研究分担者 |
河井 亨 立命館大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (20706626)
蓮沼 裕也 桐蔭横浜大学, 医用工学部, 講師 (70643013)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | ロールモデル / キャリア教育 / キャリア形成 / 高大接続 / トランジション |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では、将来の生き方や職業生活をデザインする上での拠り所となりえる人生のロールモデルに着目し、ロールモデルという他者から自己のキャリア形成につなげるための条件は何かという問いに取り組む。キャリア形成においては、他者の行為や在りようをロールモデルにして模倣する際、自身のキャリアに照らして取り入れる必要がある。そのためには何が必要であるかを量的・質的研究の両面から明らかにした上で、その知見に基づいてキャリア形成ワークショップのプロトタイプを開発することを目指す。本研究課題では、ロールモデルを活用するために必要な条件を備えたワークショップを開発することで、大学でのキャリア教育に貢献する。
|
研究実績の概要 |
本研究では、キャリア形成におけるロールモデルの重要性に着目し、教育実践におけるロールモデルの有効性の検証と、キャリア形成支援のためにロールモデルを活用するワークショップを開発することを目的としている。R4年度においては、①専門人材の育成(臨床検査技師養成)を行うカリキュラムのなかで、卒業生から多様なキャリアの選択肢を学ぶことを目的としてR3年度から開始したキャリアゼミの効果検証を行った。通年のゼミの構造について整理し、参加者を対象としたインタビュー調査を行い、その成果を学会発表した。1回限りの講演ではなく、年間複数回行われるゼミにすべて参加することで、参加者は事前に興味を持っていなかった新たな選択肢へ気づき、そこから更なる情報探索を行うことで、自身のキャリア選択に役立てていることが明らかにされた。②また、R3年までにデータを収集してきた高校生1年生と3年生を対象とした縦断データを分析し、ロールモデルの獲得することと、キャリア意識や日々の活動がどのような関係にあるのかについて分析を行い、学会発表を1回行った。また、論文投稿し、採択された。これまでの横断研究で、ロールモデルを持っていることと、キャリア意識にポジティブな関係があることが明らかにされていたが、縦断データを分析することで、その因果の方向性に迫ることができた。前時点でキャリア意識が後時点でロールモデルを獲得している可能性を高めるという関係が明らかにされ、また学外の他者との交流が、その後のロールモデルの獲得に寄与している可能性が示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上述したように、個別のキャリアゼミの受講生を対象としたインタビュー調査について順調に進行している。R4年度において得られた結果から、介入方法についても検討を行い、R5年度の開講の準備を進めている。一方で、予定していたインターネット調査が行えていない。文献レビューやインタビュー調査から、インターネット調査の調査票作成のための仮説が十分に練られていなかったことから、R4年度中の調査を見送ることとした。 しかし、これまでに収集してきたデータを改めて分析することで、ロールモデルの獲得とキャリア意識の新たな関係性を明らかにできた。特にロールモデルを獲得するためには、ある程度キャリア意識が醸成されていることが前提となっているということは、キャリア教育の実践の場で、ただロールモデルを呈示するだけで不十分であるという可能性を示唆している。これらの結果を踏まえて、調査票作成を行うこととした。
|
今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方針として、予定をしていたインターネット調査を遂行することと、キャリアゼミにおける介入の改善とインタビュー調査を引き続き行うことを考えている。 インタビュー調査においては、文献調査、インタビュー調査、これまでに収集したデータの分析から得られた知見に基づいて調査票を作成して、調査を行う。特に、キャリア意識とロールモデルの獲得の関連に留まらず、日常の行動などを含む、実際にどのようにしてロールモデルとの出会いから獲得に至るのかというプロセスを明らかにすることを目指す。 キャリアゼミはR5年度においては開設から3年目となり、一定のフレームワークも確立してきた時期である。これまでは参加者へのインタビュー調査から、効果検証を試みていたが、今後は、1回ごとに卒業生の話の内容の分析や、ゼミ全体として参加者にどのような情報が提供されているのかということを詳細に分析することで、キャリア形成に有効な要因を特定することを考えている。
|